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「深い」東南アジア理解のために-羅針盤#3-1

✔ 日本・韓国青年親善交流事業への応募が,東ア船を知ったきっかけ.
✔ 東南アジアに対する深い理解を目指して参加.

内閣府の青年国際交流事業である「東南アジア青年の船」(東ア船)に参加した青年たちの物語を特集する「羅針盤」.今回は第3弾です.

登場いただくのは,税関から参加された坂本洋大(よーだい)さん.よーだいさんは,事業中のさまざまな場面を写真として残す「プレス係」のリーダーを務められました.

今回は,東ア船に参加するまでのいきさつを語っていただきました.

※「東南アジア青年の船」に関する詳細は,こちら内閣府のウェブサイトをチェック!

「日本・韓国青年親善交流事業」を知って,東ア船へ

———よろしくお願いします.簡単に自己紹介からお願いします.

よーだいさん(以下,Y):坂本洋大(ひろし)です.現在は東京税関で働いてます.参加当時は大阪税関で,関西国際空港で荷物検査の仕事をしてました.

———ありがとうございます.ちなみに,よーだいさんは税関の派遣として参加してるということで間違いないですか?

Y:そうですね.税関から推薦だったり,応募するのに斡旋枠があったりして,今回は研修扱いとして東ア船に参加する形でした.

———そうやって推薦で参加できることっていつ頃知ったんですか?

Y:きっかけは,最初に受けた「青年の翼」という日本・韓国青年親善交流事業でした.東ア船に参加する一年前に,韓国語ができるので推薦で応募しました.だけど落ちたんですよね.都道府県段階の選考が結構厳しくて.仕事で外国人と接する機会が多いし,韓国語もできるのでその事業に行きたいなあみたいな軽い気持ちだったんですけど,せっかく受けるんだししっかり勉強して対策しようと思って,韓国の文化の本読んで勉強したりだとか,実際に「青年の翼」に参加した青年たちがどういうことをしてるのかとかを調べたりしてたんですよね.そんな感じで,それなりにまじめに取り組んだのに最初の試験でいきなり落とされて,結構腹が立ったというか(笑).このままでは収まりがつかないなということで,翌年も挑戦しようと思ってたんですけど,その「青年の翼」の事業が行われなかったんですよね,その年(2017年)は.それで,他に受けられる事業があるなら受けたいなと思って,東南アジア青年の船に応募しました.それが2017年,実際に参加する年の1月でした.

———そこで推薦で行けるというのを知ったんですか?

Y:実は,東ア船の方は税関からの推薦ではなくて,「行かせてくれ」ということで自分で人事に言いました.推薦枠だけではなくて,行きたいと言えば自分で行くこともできますね.

———なるほど.ちなみになんですけど,参加するにあたってバリアというか障害はなかったんですか?

Y:そうですね.自分個人としては仕事上のバリアはあまりなかったですね.むしろ研修としていくので「英語ちゃんと上達してかえって来いよ」という感じでした.そういうところは研修として扱ってくれるメリットでしたね.

———税関界隈では東ア船に限らず内閣府の事業は有名なんですか?

Y:そうですね,他の公務員よりもかなり国際的な仕事というか,海外での経験が価値のある職種だから結構有名ではあります.

———ほかにも参加してる人がいたりとかっていうのはそこまで珍しいことではないと.

Y:そうそう,実際今年(2018年)に東ア船に参加する人でも同じ部門でいたりとか,実際自分も乗るときも同じ大阪税関の同僚がいたりとか.若手が参加しやすい環境ではあると思います.他の公務員よりは絶対有名だと思います.むしろ,参加した他の社会人から,職場の人を説得するのが大変だったという話をたくさん聞いて,「あ,そんなに知られてないんだ」って思いました.

———あー(笑)まあなんか,ギャグじゃないですけどピースボートとよく間違えられますもんね(笑)

Y:そうですね(笑)正直自分もこの事業真剣に調べるまでピースボートと東ア船の違いをしっかり説明できなかっただろうし,一般的な認知度が低いのでそんなもんだと思います。

仕事とのかかわりが深い「東南アジア」に対する深い理解を目指して参加

———東ア船に参加するきっかけになったのは日本・韓国青年親善交流事業ということなんですけど,その事業への参加がダメになって東ア船に行くってなった時に,東ア船と他の事業との決定的な違いって何だったんですか?「世界青年の船」(世界船)とかもあるじゃないですか.

Y:世界船と東ア船は確かに両方調べたけど,東南アジアの方が当時勤めてた関西国際空港(関空)とかかわりが深かったんですよね.ローカルな話なんですけど,関空って結構中東とかヨーロッパと関わる機会が少なくて,東南アジアから来る人の方が圧倒的に多いんですよね.それで,それまで留学とかの経験がなかったので,まずは仕事で接する機会が多い東南アジアの方をより深く知りたいと思ったのがきっかけでした.あと,東ア船の方に税関の先輩も多くて,勉強になるよということも聞いていたので.

———留学とかそういう経験があまりなかったということなんですけど,そういうのもあって国際交流事業に参加したいということだったんですか?

Y:もちろんそれは大きなところですね.結構仕事の中で語学を使うことが多いのに海外に滞在した経験がなくて,しかも生で海外の文化や人と関わったことがあるのは海外旅行だけっていうのはあまりにも浅いかなと思ってたんですよ.やっぱり実際に一緒に生活する中でくだらない話とか,深い話とかして仲良くなってみないと,表面には出てこない文化とか,根底にある価値観とかは理解できないかなと思ってました.

———もともと国際交流系に興味があって,税関のお仕事を選んだと.

Y:それもありますね.就活の段階で,英語が少しは出来たので「国際的な活動」をしたいと思ってたのと,公務員の仕事をしたいと思ってました.ちょうどその2つを満たすものとして税関がものすごい魅力的でしたね

———なるほど.それで税関だったんですね.

Y:そうそう,だから国際的な仕事をやりたいというのはもともとあった気持でした.

———その気持ちって,よーだいさんが韓国語ができるということと関係あるんですか?

Y:そうですね,実は韓国語は大学でもやってなくて,やろうと思ったのは社会人になってからなんですよ.大学の第2外国語はドイツ語でしたし笑

———なんで韓国語始めたんですか?

Y:いや,なんか税関に入って,韓国人と接する機会が結構多かったんですよね.けど自分は韓国語の一つも知らなったんです.それで,「こんなに韓国人と接する機会があるのに,韓国語の一つも知らないのはダメじゃないか」と思ってやりはじめましたね.

———もともと国際交流に興味があって,かつ公務員ということで税関を選んで,実際入ってみたら外に向けての関心が低いんじゃないかということで韓国語を始めたと.

Y:そうですね.仕事の組織内部でも国際的なことに関する関心は深い方なんじゃないかと思ってます.もちろん,仕事に対してはまじめな人が多いんですけど,あんまりオープンじゃないなというのが印象でしたね.

———東ア船はその延長にあるということですね.

Y:そうですね.

>次回,#3-2「写真で後代に東ア船を伝える」に続きます!

(編集後記~ざーたくの戯言#3-1~)
 よーだいさんのインタビューの中で出てきた「日本・韓国青年親善交流事業」も,東南アジア青年の船と同じく内閣府が主催する青年国際交流事業です.これらのほかに,内閣府が主催する青年国際交流事業には,「世界青年の船」,「国際青年育成交流事業」,「日本・中国青年育成交流事業」そして「地域課題対応人材育成事業「地域コアリーダープログラム」」があります.これら6つの事業は,原則として「1度」しか参加することができないので,応募する際はよくよく考える必要があります(例えば,東ア船に参加したら他の事業には参加できません.但し,「地域課題対応人材育成事業」は除く.)
 それぞれの事業にそれぞれの良さがあり,一概に「これがよい!」というのは極めて難しいです.一番いいのは,実際に参加した人に話を聞くこと.この「羅針盤」では東南アジア青年の船に参加した人の声を連載してますが,他の事業に関しても調べれば体験談のブログなど出てくるかもしれません.気になる方は,まずは調べてみることをお勧めします!

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※東南アジア青年の船に関する詳細は,こちら内閣府のウェブサイトをチェック!
※「東南アジア青年の船」に参加した青年たちの物語を紹介する本プロジェクト「羅針盤」に関する詳細はこちら

※本note,及び「羅針盤」ウェブサイトに掲載されている内容の一切は,「東南アジア青年の船」事業主催である内閣府の公式見解ではありません.