オフィス工事のABCの話

ちょっと前のTwitterでふとこんな事を呟いてみました。

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このつぶやきに思った以上に反応があったので
オフィス工事で出てくるABCについてお話ししてみようと思います。

ちなみに情シスの最低限知るべきオフィス移転のツボについては
吉田様のnoteが非常に良くまとめられておりますので
先にご参考にされると良いかと思います。

こちらはあくまで工事に絞った内容になるので
そこまで深く関わることは無い方は読み物としてお楽しみください。

オフィスの工事は責任範囲観点で3つの種類がある

オフィス工事にも色々な分類があるのですが良く出てくる用語として責任&負担範囲の観点で3つに分かれる工事区分があります。

・A工事
ビルオーナー自体がビルオーナーの負担で行う工事。
主にビル本体に関わる内容がほとんど。
・B工事
入居テナントの要請によりテナント負担ビルオーナー責任で行う工事
ビルによって範囲は異なるが分電盤や既存照明、空調等
ビルの設備に影響する内容ががここに入りやすい。
・C工事
入居テナントがビルオーナーに許可を貰いテナント責任で行う工事
内装に関わるものや間仕切り(オフィス内にテナントが作る仕切り壁)
配線関連の工事がここに入りやすい

このように責任範疇と工事内容によってこのように分類されます。
流石にA工事から関わるような業務はほぼ情シスでは発生しない…筈なので(ビル設計から通信に関わるような超巨大プロジェクトならワンチャン…あるか!?)ここではB工事とC工事に焦点を当ててお話ししたいと思います。

B工事と情シスのつきあい方

B工事は先にも書きましたようにテナントの要請にて、ビルオーナー側の責任で行われる工事になります。業者との打ち合わせの中ではさらに略して『B』だけで会話されたりもするので(例:B側とすり合わせお願いします、この作業はBだよね?等)
知らないで会話に入ると結構しんどいです(;´д`)

ビルオーナーの責任で行う工事という事は、当然施工する業者も基本的にはビル管理側のお抱え業者が選定される事がほとんどです。つまり、相見積が取れず費用が高めになったり、テナント側工事よりも自分でハンドリング出来ない分フレキシブルに動きづらい傾向があるという事です。

実際の所、情シスとして直接B工事に関わることは少ないはずなのですが、プロジェクタや無線APの天井取付時(補修や躯体(ビル構造物)自体への固定で関わる)や、小規模移転で電気とLAN配線を纏めて施工するように施工指示が出た時など、間接的な面では地味に関わってる事が多かったりします。
この辺は移転プロジェクトに参画する時に総務や責任者に確認しておくと良いでしょう。

この場合、先にも書きましたように、C工事の業者さんに比べると融通は効き辛いので工程面でもB工事のスケジュールに合わせてその他の作業段取りをしないと大抵トラブります(;´д`)

いとぅも天井全般がB工事範疇だった時、AP取付位置をミスってしまい天井補修を依頼したいのにB工事業者さんは帰った後だった…(しかも自社発注じゃないから呼び戻しづらい…)なんて経験を何度か経験しています(;´д`)

対策としてはビル管理さんと普段から仲良くしておき、お抱え業者さんとも交流を持っておくことですが、普段から土日出勤したり、最終退館常連でもない限りビル管理さんと常に接点を持つのは難しいのでB工事が関わる場合は移転予算を積算する場合は普段の相場よりは高めに想定しておき、スケジュールを引く時はB工事に合わせた余裕を持った作業工程を関係者に伝えるのが無難だと思います。

それを踏まえて情シスとC工事のつきあい方

B工事に対し業者指定も可能で比較的融通の効くC工事ですがこちらはこちらで落とし穴があったりします。

情シスが管轄する工事は大半が配線に伴う工事のはずですが、その障壁になりえるのが床工事什器(机などのオフィス家具)搬入になります。
大抵の配線工事では施工図面に習い事前配線(予め大まかな位置まで幹線となる配線を終わらせる事)は済ませ、最終的な頭出し(配線を図面位置まで立ち上げる事)はカーペットを貼り、什器搬入用の墨出し(図面に合わせた什器設置位置等に目印を置く事)の後に実施します。これを理解して工程表を引いていれば何の問題もないのですが、移転、リニューアルのメイン担当が総務(または情シス以外の責任者)の場合は情シス側の作業理解していないケースが往々にして発生するという事です。

例を挙げると(あくまで架空のお話ですよ?)

・社内が無線LANでほぼ運用している場合、有線配線は不要と思い
 情シス管轄のネットワーク配線工程が抜けていた。
・(有線LANまで総務範疇の時)AP位置まで有線LAN配線することが
 伝わっていなかった(無線って無線で動くんじゃないの?🤔ん?)
・社内セキュリティにLAN線が必要なのまでは総務が理解しているのに
 それを幹線ハブまで引き込む工程が情シスに伝わっていなかった。
・複合機にLAN線が必要なのまでは総務が…(以下略

※繰り返しになりますが全て架空のトラブルです、いいね?

どのトラブルも同じテナント側だからと言ってツーカーで行けると思い、実施部署とのコミュニケーション不足で発生するモノになります。大半のオフィスはOA床(カーペットの下に配線できる余長を持つ床)だと思いますのでカーペット貼り代え等の床工事と什器搬入の墨出しの工程だけはしっかりと確認し、総務(もしくは工事責任者)とはちゃんとコミュニケーションを密に取っていく事がトラブルを防ぐカギになるかと思います。
その為にも可能な限り情シスも情シス側施工業者もちゃんと工程会議に参加しましょう(経験上、工程会議に呼ばれず決まった工程表だけ渡されるケースは多い…と思う)

まとめ

今回は比較的工事部分にフォーカスしたオフィス移転、増床、リニューアル時の注意事項についてまとめてみました。
元々オフィス移転は総務管轄の事が多く、今までは総務に頼りきりという会社さんも多いと思われます。しかしながら昨今のテクノロジー進化により情シスの範疇が広がっている以上。施設側に少しでも関わっていく姿勢が求められるといとぅは感じています(じゃないと何でこんな設計になってるんだ?と嘆く声が多数聞こえてしまいます)
そんな情シスの方に少しでも参考になれば幸いです。

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