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好きなデザインを持ち寄る4「目立たないが丁度良いFedEx」「遊び心だけのガラケー」

目立たないが丁度良い「FedEx」

出典:フェデックス Wikipedia

物流は経済の要。モノの移動というのは、デジタルな時代になっても変わらないぐらい重要だったりします。そんなモノの移動がこのロゴに込められているのを皆さんご存知でしょうか。

私は全然気が付かなかったのですが、それもそのはず。実はロゴデザイナーが意図的に、このロゴの中に目立たないように矢印を隠しているそうです。

物流を表現する矢印、正確にモノを運ぶということを表現した綺麗なカタチをした矢印が隠されています。

「E」と「x」の間ですね。
どうやら隠し絵的に矢印を描いたそうです。
クライアントとしてはその矢印は「目立たせたい」と思ったりするわけですが、秘密めいたことは人に話したくなるもの。人から人へ。宣伝広告も兼ねてまさに「物流」を表現したロゴなのですね。

特長少なめの単純なロゴにも見えるのですが、実は大きなメッセージが隠されているところが素敵です。

ロゴづくりの醍醐味でもありますね。
皆さんもいろんなロゴを見てその意味を考えたり、はたまたロゴを持っている会社の人にロゴの意味を聞いてみるのも楽しいと思います。

操作を重視した「ガラケー」と、カッコイイを重視した「ガラケー」

「ガラケー」とは、いわゆる「フィーチャーフォン」。スマホ以前は、こんな携帯電話たちが主流でした。

日本の携帯電話メーカーは、ガラケーの開発に注力しすぎた結果、グローバル市場における携帯電話のシェアをiPhoneAndroidに代表されるスマートフォンに奪われ、

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

とある通り、日本だけで独自に進化したガラケーのデザイン。これはこれで楽しい製品たちだったなと思います。

決められたボタンたちをどのように配置(デザイン)するかを考えるとこにガラケーのデザインの楽しさがあったと思います。
電話をすることがその製品の主たる目的です。ですから、電話をかけるときのボタンは押しやすく、電話するときには耳に当てて声を聞きながら話す、つまり、「通話しやすい」ことが携帯電話のデザインには必須のはずなのですが、ある時点からイロイロとぶっ飛んだデザインのものが生まれてきたのが日本の「ガラケー」です。

SONYとソニーエリクソンのガラケー(一番下はオマケのSANYO ガラケー INFOBAR)

左側から古い順に並んでいます。

最初はフィーチャーフォンらしい、いかにも、ボタンを押しやすく、通話しやすい形状のデザインだったことが見て取れます。
(写真左側から1番目)

機能が増えてくるとそれにしたがって画面が大きく、そしてボタンも増えていきます。機能は増えつつも小型化し、色彩も事務的な色彩から娯楽要素を感じる色彩が増えてきます。小型化して色彩を変化させるだけでカッコよく見えてくるから不思議なものです。奇抜な色彩に心躍った方々も多いのではないでしょうか。私は踊りました。
(写真左側から2番目)

画面がさらに大きくなると携帯電話本体が長くなってくるので、折り畳み式のギミックが生まれてきます。パカパカ開け閉めするギミックデザインに心が躍った方々も多いのではないでしょうか。私も完全に踊りました。

パカッと開くときに「カチッ」という音とその感触のギミックが素晴らしい

さらにこのガラケーは外装の一部が換装できます。自分でお気に入りのオリジナルカバーに変更することもできます。通話すること以外のデザインが施されるようになってきています。携帯電話を誰もが持つような時代になって、持つ人に、個性と独自性を与えるような、そんなデザインに移行していったように感じます。

標準で3つのカバーが付属していた

時代が進むと、メールの送受信機能が拡充されていきます。通話よりもメール機能が重視されるようになりボタンは常に出していなくても良いとの判断で、スライド式のギミックが生まれてきます。

スライドするとテンキーが現れる

そして、ガラケーで音楽を聴けるようになってくると、もはやボタンを押すことをほとんど無視したかのようなコンパクトすぎるガラケーが登場してきます。

名刺サイズよりも小さい。ウォークマンロゴが冠されたガラケー。
スライドするとテンキーが現れるが、小さすぎて指先でしか押せない。

このように海外で普及していたフィーチャーフォンとは、一線を画すようにデザインの方向性に独自性が見られたような気がします。
使いやすさを通り越して遊び心しかない。尖るところまで尖ったのが日本のフィーチャーフォン(ガラケー)でした。

本当に使い難かったのですが、でも買ってしまう。
楽しかったのは間違いなかったと思います。
楽しいだけに開発費も何もかもつぎ込んだそんな時代。今はこんな雰囲気の製品ってちょっと見ないかもですね。

使いやすさも大切なのですが、やっぱり遊び心は、人の心に豊かさをもたらします。そんなデザインも大切なのかもしれません。

さて、次回は「機能的な服」の会のレポートをお送りしたいと思います。
毎回、参加される皆さんのお話は勉強になります。デザインと言ってもそのジャンルは様々。「好き」というだけで蓄えている情報は楽しいものばかりです。

参加してみたい方は是非お気軽にお越しくださいね。

…今回は、前回のレポートが終わる前に勉強会が開催となってしまったのでした。
服のデザインも楽しいものばかりでしたよ!

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