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角換わり早繰り銀と△3三角の攻防

先日の研究会の内容をまとめます。
YouTubeの「森内俊之の森内チャンネル」の中で行われていた「環那タイトル戦への道 Vol.20 “ 新戦法に挑戦” 第二弾!角換わり編」を見て触発され下図の局面を指定局面として研究会を行いました。
▼森内先生と鈴木環奈先生の動画
https://www.youtube.com/watch?v=WK4aGMGxdME

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ここから教育的な局面を3つピックアップして紹介します。

①先手の基本的な狙い

私(3段)とS君(二段)の将棋は、指定局面から▲7八金△7四歩▲5八金△5二金▲3八飛と進みました。最後の▲3八飛がこの指定局面戦で一番大切な手で、雁木っぽい組み方への攻め方として頻出の飛車寄りです。

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他の手だとなかなか攻めることができません。。
以下の図様に、▲3六銀には△3五歩、▲2六銀には△4四角があります。

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対局は▲3八飛以下、△4四角▲4六歩△3六歩▲同銀△5五角▲4五銀で後手の3二の金が目標になり先手の私がペースを掴みました(評価値:+1266)。結果は先手勝ち。

②後手の狙いを徹底的に消す指し方

H君(四段)と私(三段)の将棋は、指定局面から▲7八金△7四歩▲5八金△5二金▲6八金(図②-1)と進みました。

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前述の▲3八飛ばっかりを研究していたので、これは疑問手に違いないと思った私は仕掛けていきます。上図から△7五歩▲同歩△7六歩▲8八銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七銀(図②-2)と進行しました。ここで先手のH君は△8二飛▲8八歩△6五銀(H君の想定進行図)と進行すると想定していた様です。

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実戦は図②-2で焦った私が△8五飛と指してしまい、▲7六銀が先手で飛車に当たってペースを握られ、ぼろ負けしてしましました。。
8八のスペースを埋めるような手は青野流対策でも出てきますね。相手の狙いがはっきりしているなら露骨に消しに行くのも一つの手だと勉強になりました。

③右玉

S君(二段)とI君(三段)の将棋は指定局面から右玉に進みました。長いですが、手順は以下です。▲9六歩△7四歩▲7八金△7三桂▲2六銀△5五角▲1八飛△7二金▲5八金△6二玉(図③-1)

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①先手の基本的な狙いで紹介した▲3八飛を指さずにどうにかしようとしたS君。それに対してI君は右玉に組んでいきました。局面の評価値は+68と全くの互角。手順中、▲3八飛を入れたとしても右玉には組め、評価値も変わらず互角なので、有効な対策だと言えるでしょう。

実戦は図から▲6六角と打って後手の角を消しに行った手が疑問手で△同角▲同歩△2七角で後手がペースを握りました。(結果はもつれはしたものの後手勝ち)。

まとめ

先手は▲3八飛から歩や銀をぶつけていく流れで攻めていくのがいいでしょう。後手の3二の金が浮いていたらそれを目標にできますね。
また、後手の反撃の主な筋は角筋を活かして△7五歩~△7六歩と来る手ですが、銀冠+8八歩がいい守り方かと思いました。

後手としては、本筋としては▲3八飛に対して△4四角と上がり上手く守りながら反撃する流れですが、研究不足なら右玉にしちゃうのが良いのかなと思いました。

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