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【寂しさ】の着地点

🐈‍⬛寂しさを嘆くと、主様が合間を見て構ってくれる。少しの文字のやり取りで 私の不安は払拭される。「俺は普通の人だよ」と言うけれど、そうなのかどうかは私が決める。とはいえ、私が考える”普通な人”の枠には出逢った頃から、もう収まりきれていないし、こんなに愛おしいとは想えないように出来ている事実。「ただ、俺は変態なだけ」…きっとその変態を愛せる私も、間違いなく”同類”ではあるから、大丈夫。

六月もそろそろ終わる。あっという間の逢えないひと月。こうやって逢えない期間がいつまで続くのだろう?と、すれ違う度にネガティブな方向に考えてしまう。来月からはきっと落ち着くはず…と何度も自分に言い聞かせ、それ以上考えないように庭仕事などに没頭してみても、拭いきれずやっぱり原点に舞い戻る。

そんな六月の最終日、主様が職場を後にする日、何とか声を聞きたくて疲れているかもしれないけど…断られるかもしれないけど…「声が聞きたい、電話したい!」とメッセージを送る。今年の目標は”逢えなくても声を聞く、もっと無防備に通話する!”…だったのに。先月の逢瀬から声すら聞けていなかった。ふぅ…長すぎるんだよ、主様不足が。こんな時に限って、noteの大好きな作家さんの新作を読み、意図せずその内容があまりにも切なくて胸が苦しくなりすぎて泣き、放心しながらもドラマの『アンメット』の最終回を見ては泣き…。主様が悪い訳じゃないから、そのモヤモヤをぶつけられず一人グズグズと吐き出す。

🐈‍⬛もっと軽率に通話したい!🐈‍⬛

🐈‍⬛と、その一連の流れを話すと「それは、Mが悪い…そんなの見るから…」と苦笑。noteは、予想外の内容だったから仕方ないけど、ドラマは毎回泣きながら見ていたからこれも仕方ない。でもね、口に出せない(出したいけど何処にもぶつけられない想い)事があると、もう、とことんどん底まで悲しみに堕ちて涙を思いっきり流す方が、思考がスッキリする事もある。私は大体、これの繰り返しだ。その時々だけど、概ねこの方法で一度洗い流す感覚はある。勿論、それで癒せない時もあるけれど。

私も気分屋だし、影響も受けやすいから感情の上下は激しい。簡単にどちらにでも傾く。界隈を覗くと、毎週会えたり、旅行に行ったり、外で散歩を楽しみ食事、お泊りなどが出来る、隣の芝生が青々と深く、私の胸に刺さりまくる。それらの一つすらも叶わない現状…。私は何故それを選んでしまったのか。待つだけの自分が嫌で、既婚者とは付き合わないと決めたのではなかったのか?・・・など、飲み込んだはずの覚悟が泡のように浮いてくる。

こうなってしまうと、とことん嫌な考えだけが巡る。辛いなぁ…最近は、ここまで戻る事もなかったのに。それだけ酷く限界を超えたという事か…。思いたくない。「どうして自分ばっかり?」だと。結局、そうなる事を分かっていて選んだ事なのだから。そして七月が始まり、主様の新天地での環境が一段落して慣れるまで、のんびり寄り添っていきたい。どんな主様も見ていたいし、どんな変化でも取り込んで 自分たちの色にしたい。柔軟に、深くまで…。と思う反面、やはり寂しさが落ち着かない。

🐈‍⬛新しい環境への嫉妬心🐈‍⬛

🐈‍⬛苦手な季節なのに、ピカピカな夏模様を感じられるのは 好き。でも、主様がじわじわと 新しい環境に慣れていくと、嬉しい反面…少しだけ 嫉妬心も顕れる。私も植物になれたらいいのにな。陽射しを受けて体内環境を整え、たまに貰える肥料で栄養を蓄える 病気や水切れ 栄養不足でも モノも言わない、言えない…あるがままを受け止めるだけ。至って 自然に 意思もなく。木偶でくの人形みたいに。

大好きな人がいると、自分の「寂しい」をどうしても感じてしまう意思があるから、決して相手が悪い訳ではないのに、ぶつけ処がなくて憤ってしまう。私達に主に起こるのはこの過程が多い。今回は特に、主様の環境の変化に伴い超多忙の末、普段のやり取りが激減して、待っているだけの私には、今のその状況が把握すら出来ず、もやもやが募るばかり。「どうしてこういう状況なのか、逢った時に話すよ」…と言ってくれはするけれど、きっと逢えた時にはもうその話題は忘れ去られている。そしていつ逢えるかも分からないその日まで、そんな話題の鮮度なんて保てやしないんだから。

などと、そんな風に感じ悪くトゲトゲと突っかかる私に「毎日お前から元気貰ってるし、いつも元気なMが好きなんだ」と言う。普通だったら、喜ぶべき台詞を貰えて嬉しいはずなのに、この時は違った。

「元気な時だけじゃなくて、どんなMも好きって言って!私は天邪鬼だから、そう言われると、元気な時しか好きじゃないの?ってまたマイナスに考えてしまうから・・・」
「ふふ、どんなMも好きなんだよ?違うんだよ…俺も受け止めたいけど、今回は本当に余裕が全く無くて・・・ごめん」

あぁ、またこの人に謝らせてしまった…そんな事を言って欲しい訳ではない…困らせたくもないのに…。待っていられなかった私が悪いのに…。

🐈‍⬛どんな私でも好きでいてくれる?🐈‍⬛

🐈‍⬛「ごめんなさい、頭では解ってるの。ちゃんと。でも、やっぱり気持ちがついていかない。ずっと、答えの出ない堂々巡りしてるの」「そうだよな、今回は期間も空いたしね。でもさ、俺も早く逢いたいのよ」・・・

普段「好き」とも「逢いたい」とも言わない。甘い言葉を放つのは、一年にほんの数回しかない。それでも、逢えて一緒に眠るまで言葉がなくても、その態度や体温、触れ方や視線でその気持ちは十分伝わってくる。ないがしろに扱われているとは思えない。むしろ、丁寧に大事にして貰えている…と感じられる。裏はないけれど、言葉も足りないから、何を考えているのか分からない…ように見えるけど、多分本当に何も考えていないような気がする。

何も考えていない、というのは語弊があるが、汚らしい裏工作を考えていない、という良い意味であって・・・きっと彼は、そうは見えないけれど、多分…私の何倍も実は「素直」なのかもしれない。あれこれと画策する事が本当に無いし、そこが「天然なの?」と思ってしまう所以でもあって、彼の大好きな所の一つでもある。彼が頻繁に甘い言葉を放つ事が無い所も、大好きな一部。「俺は、滅多に口にはしないよ?」と、昔話してくれた。そんな事を思い出しながら、待てなかった自分を悔いた。

これだけトゲトゲしても見離さないでくれる。優しいんだな。そうだ、以前「俺は飽きない男で有名なんだ!」とも言っていたからなぁ・・・「素直になれよ」と言われたけれど、何だか悔しくてその言葉はそっくりそのままお返しもしておいた。結果、私の「寂しさ」の着地点は、一度勝手に暴走したまま闇堕ちして、その奥底に垂らされた貴方の結構分かりづらい手綱を恐る恐る引き寄せ、また結構分かりにくい優しさが敷き詰められた野原の上に引き上げられて降り立ち、貴方の腕の中でくるまって眠る・・・。

🐈‍⬛「飽きない男」が最高に優しい🐈‍⬛

🐈‍⬛寂しさに着地点があったとしても、今の関係を継続するならば、既婚者と付き合う事の不安や我慢、それらの根本な問題が解決する訳じゃない。寧ろそれは今後も一生続く。闇堕ちする度に巡ってくるこの答えのない問答は、彼と一緒にいる限り付き纏う。だけど、彼が「飽きない」でいてくれるなら、私も「飽きない女」でいよう。いや「飽きられない女」がいいな。

変に隠さず、気負わず、お互いがどんな事もさらりと言い合える環境を持っていたいな。「主従」という関係性は、一見綺麗な…夢見る世界を想像してしまうけれど、実際の登場人物は「人間」なのだから、生々しくもありドロドロは尽きないものだと思う。色んな関係性がある中で、私達には主様を「上」としたこのバランスが一番しっくりくるし、尊いものだと実感できるから。こういう凸凹を繰り返しながら、私達は一つのカタチへと組み上がっていくんだろう。頑なに・・・一途に・・・離れないように。

🐈‍⬛be continued🐈‍⬛

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