神の恵み

前のブログで自死した青年のことを書いた。
覚悟の行動だったという。

私も若い頃は、自死に嫌悪があった。
人生経験を経た今では、
自死も立派な生き方だと思う。
もちろん、自死を薦めるものではないが。

人が生きることは確かに、価値も意味も魅力もある。
生きる喜びがある。
人生は生きるに値する貴重なことだと思う。
しかし、一定の空しさがつきまとう。

これが、自死へと通じるのだろう。

いくら懸命に努めても、達成できない夢もある。
とても楽そうだけど、手に入らないものもある。

人は、がんじがらめの状態にある。
自由に動けないようにキツク縛られているように。

自分という狭い牢獄に閉じ込められた死刑囚。
人生を長く生きると、そういう感じを抱くようになる。
心身に自由はない。

例えば、五感の能力は限られている。
テレパシーはできない。
脳の情報処理も、こだわりや思い込みなど
自己中の働きが強烈。

薬物中毒や過剰な自信、
脳の誤作動やクセの強力さ。
人は自由に感じたり、動いたりできない。

長く生きると、
人であることの限界と空しさに気付く。

たぶん、それが寿命かもしれない。

人であることを哀れに感じて、
神から与えられる最後の恵みかもしれない。

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