ウンチ乾杯

(天使と暮らして6)
うんち乾杯

約1年の入院中、
大変化やブレークスルーいえば、

一つ、帰省できたこと。
これにより、妻が共倒れになるのを防げた。

一つ、栄養補給が鼻腔から口にかわったこと。
これにより、毎日3回の食事を味わい楽しむことが
できるようになった。
噛むことで意識レベルが向上。

一つ、意識の回復。
親の顔が分かるようになった。

入院中のリハビリにもかかわらず、
手足の関節の拘縮が進んだ。

リハビリ箸を使い、自分の手で食するという
簡単な日常動作も出来なかった。

退院後、良い変化が次々に現れた。
まず、何よりも最高なのが、
笑顔が出現。

次に、言葉を発するようになった。
今では、単語を3つほど並べることができる。

箸を使い食するようになった。
これにより、食事のたびに、
付きっきりでスプーンですくって、
口までもっていくという介助から解放された。

尿意が分かるようになった。
従って、ポータブルで小用できる。
夜は漏らすことがあるので、オムツは外せないが。

やがて、便意も分かるようになった。
しかし、娘は一日中車椅子生活で、腸の働きが弱い。
便秘気味で、下剤を要する。
また、時に夜間に便意。
大量のうんちをベッド上でする。
こうなると、後始末が一苦労で、
30分以上も、掃除やお尻の清掃にかかる。
夜間なので、疲れは大きい。

そのため、娘がポータブルで大便した日は、
いつも喜び祝う日になる。
夕食のとき、3名で乾杯する。
「うんち乾杯」と。

娘もうんちした時は、
うれしさを隠さない。
「見て見て」と
ポータブルの便を自慢する。

今、デイサービスに通っている施設の職員さんも、
日中に施設で大便すると、
「今日はうんち乾杯ですね」と
声をかけてくる。

つづく

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