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ひっくり返った勿忘草

小さな青い花に
幼い頃は見蕩れていた
 わたしを忘れないでください
勿忘草が泣き喚く
耳障りなそよ風を払いのけて
その小さな花を引きちぎった
ひっくり返して揺らせば
 あなたを忘れさせてください
勿忘草が嘲笑う
心地よい追い風に急かされて
その小さな花を手放した
どこまで飛んで行こうか
きっと数メートル先に
地獄が待っている
 わたしを忘れないでください
勿忘草が啜り泣く
きっとそれは
早く忘れられたいからこその
嘆きだったのでしょう
ありったけの勿忘草を
空から逆さまに咲かせて
 あなたを忘れさせてください
鱗雲から一筋だけ
生温い雨が落ちてきた


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