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詩(いちも詩)

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いちも詩の入った詩です。
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記事一覧

あいしていると言わせて

強く強く抱きしめて そのまま押しつぶしてほしい わたしなんて いなくなってしまえばいい  …

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君が死んだら悲しい

悲しい   君が死んだら悲しい とあなたが言うから悲しい 死にきれなかったわたしが 静かに…

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空に発砲

遠く遠く知らぬ誰かが また血を流している 時計の針まわしたところで 乾きはしない地面 空に…

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ねえ神様

そんなに急いで 世界を創って どうすんの 中途半端な命の容れ物が 競いあうように 世界を叩い…

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消しかす

消しゴムで すべてを消してしまいたい なんて きみは言う 消しかすは どうするつもりなのさ …

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パラノイア

騙りあう夜もあった 独りは寂しいと泣きながら 交わすくちづけで 体温を与えることよりも 奪う…

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涙の流し方

泣いてもいいんだよ なんてほざくのなら こんなに乾いた両目で どうやって涙を流せばいいのか 教えてください わたしの右目から 水分を奪ったのは君で 仕方ないから 左目だけで泣いていた日々もあった 泣いてもいいんだよ なんてほざくのなら どうしてわたしの左目まで 乾かしてくれたのですか 涙の流し方なんて 忘れました 泣いてもいいんだよ なんてほざくのなら 涙の流し方を 思いださせてください

いらない

「言葉なんていらない」 なんて それを言葉以外で 言えないから またへたくそな言葉遣いで あ…

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さよならを売り歩く少女

日付がゆっくりと変わるまちで 少女はひとり手を振りつづける 通りすぎてゆく生き物は 誰もが…

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返せ

いつかは好きだった君の声 「出逢わなきゃよかった」と ほざかれたときでさえ その波長が優し…

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泣き虫

泣き虫 泣き虫 わたしは泣き虫 泣き虫だったら いつかはきっと サナギになって 羽化するはず…

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ブレスホリック

僕は呼吸で忙しいんだ あなたの相手はしていられない いきを吐くのに忙しいんだ 誰の相手もし…

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死者の代弁者

わたしが死んで 十年が経ちましたね 十年前のあの日のことを 君はまだ覚えていますか わたし…

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イノチノオモミ

ガムの匂いで目を覚ます 今日も平凡な日常 とか言いながらたくさん死ぬ 人が死ぬ あっちじゃ紛争 こっちじゃ自殺 僕はゲームでたくさん撃つ ひとを撃つ しったこっちゃねえよ 僕以外の誰が死んだって 気にしてたらキリがねえよ やってらんねえよ 僕はゲームでたくさん撃つ ひとを撃つ けれどイノチノオモミなんて わかりゃしない きっとそれは 知らないほうが幸せななにかだ