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Lenovo Flex 5をLinux Native化 (part 3)

Linux OSの準備

 OSをインストールするには、OSを取ってくる必要がある。そのOSが有償製品であれば購入するしかありません。Linuxだと無償ディストリビューションがあるので、試すならまずはそちらからでしょう。

余談:価格について

 余談にはなるのですが、有償製品と無償製品がありますが有償製品が優秀で無償製品がダメということは決してありません。製品の価値そのものもあるのですが、それ以外での大きな差をざっくり記載すると、「製品サポート関連」「動作保証」「製品の継続性」「カスタマイズ性」などです。つまり、趣味で作ったので公開するけど製品保証関連は暇があったらするので気長に待ってというのもありです。(無償では無くても低価格なのだから、多少は余裕くださいってのもあり)
 例えば金融サービス関連だと、24時間以内に絶対何らか解決することを明言するなら、高額なサポート料金が必要になります。要は人がどの程度その製品を維持するのか?という点が価格として転嫁されるのです。

余談:Linux OSの場合

 Linux OSの場合、上の余談に記載している価格は当てはまらない部分があります。有償/無償以外の部分に価値を見つけ、そこに関与すると社会貢献・技術力からのスカウト・名声からの書籍や講演会等の引き合い等といった仕事に転身することが可能になるかも知れません。
 とはいえ、ごく一部の特別優れた方のみが到達可能な領域ですが、Linux OSまででは無くても、ちょっとマイナーなサービス系などだと規模が少し小さくなっても実現可能な領域があるかも知れません。

Linux OSディストリビューション選択

 個人的に20年以上前から利用していたのですが、Turbolinux、MIRACLE LINUX、openSUSECentOSFedora、Pear OS、Ubuntuと渡り歩きました。かなり歴史のあるDebianはあったのですが、サーバ構築を考えると同一バージョンの保守期間が短く、サーバ用途で限ればDebianを選択する人はかなり少数でした。サーバ向けの覇者となっていたRedHatは保守の有償化を行うことでシェアを確保したのですが、小規模ビジネスだと金銭的に釣り合わないため、他OSを選ぶことが常でした。
 2004年にUbuntuをリリースした Canonical UKは2008年から5年間保守を掲げたLTS版をリリースしてからは小規模ビジネスも含め数多く選択されるようになりました。Amazon AWSだとAmazon LinuxかUbuntuが一般的なビジネスで選択されていると勝手に思っています。
 Ubuntuの派生であるPop! OSは最新機器が多いゲーム系PCをサポートすること標榜しているため、Pop! OSを今回は選びました。(実は良く調べないで実行したので失敗し、最終的にはUbuntu 21.04に)

Pop! OSの準備

 System76のサイトからダウンロードし、USB起動用モジュールを作るのですが、「WindowsでUbuntuのUSBブートメディアを作成する手順」を参考にRufusで実行しました。何やら変なメッセージが出ていましたが特に詳細を気にせず無視。出来上がったUSBをマシンが到着する前に準備して置きました。Lenovo Flex 5に挿入しUSBからなんとかブートしようとしても、OSがロードできないと警告が出るばかり。
 とりあえず、Pop! OSは諦めて上記のリンクではUbuntuだったので最新の21.04をダウンロードしUSBを実行。後でよくよく調べたら、RufusでPop! OSを書き込む場合、ISOモードでは書き込めないためDDモード(ディスクドライブモード)になった。これだとブート領域が無いので起動しないもの道理。
 USBの作り直しや再インストールに時間が掛かるのでPop! OS(Ubuntu 21.04ベース版)を最終的に諦めたという経緯。
※System76のLive Disk Creation (Other Operating Systems)に手順が記載。使うツールをEtcherにすれば良かった。ダウンロード済だったのに。

Ubuntu 21.04のインストール

 Ubuntu 21.04も20.04 LTS版とほぼ同じのため、詳細が知りたい方は「(金子邦彦研究室)Ubuntu 20.04.1 のインストール 」でも見て頂ければ。今回、私は本家版から日本語を選びインストール完了後、手動で日本語Remix化を行いました。日本語Remix版を最初から選択しても構わないと思います。
 敢えて迂回したのは、Pop! OSの失敗があったので手抜きしないようにと反省したからです。

Ubuntu 21.04 on Lenovo Flex 5のデフォルトで実現していること

 皆さんが知りたいのはここからな気がします。(笑)
・指紋認証:NG
・ノートPC専用のファンクションキー
  F1(スピーカーOFF):Ok
  F2(ボリュームdown):Ok
  F3(ボリュームup):Ok
  F4(マイクOn/Off):Ok
  F5(液晶バックライトDown):Ok
  F6(液晶バックライトUp):Ok
  F7(HDMI切替):モニタ表示は無いがトグル切替可能(自と外の同期or拡張、自のみ、外のみ)
  F8(機内モード):Ok
  F9(コントロールパネル):NG
  F10(アカウントロック):Ok
  F11(?):NG アイコンの意味不明なので
  F12(電卓):Ok
  Insert:(?):NG アイコンの意味不明なので
  PrtSc:(?):NG アイコンの意味不明なので
・液晶ディスプレイを閉じる:サスペンドOk
・PrtScキー:Ubuntuの画面キャプチャOk
・WiFi:特に問題は無い
・Network:VPNは未検証
・Bluetooth: Apple Magic Mouse問題無く動作
          Sony MDR-1RBT問題なく動作(マイクのみ未テスト)
          Logicool MX Master 2S:不可 ※1
          Logicool G604不可 ※1
※1 専用USB通信モジュール経由は問題無し
・HDMIコネクタ: 外部モニタ接続は問題無し
・SDカードスロット:問題なし
・音声関連:本体スピーカー出力、本体マイク入力は共にOk
・液晶パネルタッチスクリーン:Ok
・デジタルペン:Ok
・タッチパッド:Ok
・キーボード:Windowsキー(UbuntuではSuperキー)はFnと同時押しで成立する以外に問題は無い
・リムーバブルメディア:EXFATやNTFSのメディアを意識しないで操作可能
・Webカメラ:Skypeで動作確認済
・USB Type C PD:AUKEY 61W,100W, Apple Mac Book Pro 2018 61W動作確認済、RAV POWER61W・Anker 30W共にOK ※追記その3
・ネットワークプリンタ:Canon PIXUS MG7530何もしないで印刷可
      Brother MFC 7460DNはドライバを7360nに変更したら印刷可

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追記 その1

 標準ドキュメントスキャナーアプリを起動したところ、ネットワーク接続されているCanon PIXUS MG7530を検出しPDFファイルが作成できました。流石にBrother MFC 7460DNでのドキュメントスキャンは無理でした。

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追記 その2

 Flex 5はディスプレイを360反転することが可能です。反転した際にはキーボードとタッチパッドが自動的にOFFになる仕様はデフォルトで対応されていました。但し、元にディスプレイを戻してもタッチパッドはOFFのままという事象が発生。
 タッチパッドが自動的にOFFになった際、設定画面のタッチパッド部分がOFFになっているのを元に戻すことで動作します。この部分は機種依存があるのでUbuntu側が対応するってのは難しいかもですね。どなたかが改修してソースをマージ依頼すると良いのですが。iio-sensor-proxyが契機となってタッチパッドをOFFに出来ているのでしょうが、元に戻したことをちゃんとセンシング出来ていないか、タッチパッドONの呼び出しがおかしいかのどちらかな気がしますが、実際どうなのでしょうか。(笑)

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追記 その3

 Ubuntu 21.04だからなのかは不明なのだけれど、電池の左にある雷マーク(赤で囲った部分)が充電されているアイコンは、OS利用中だと付かないケースがある。確実に動作するタイミングは充電ケーブル接続にレジューム解除(電源投入も)になるため当初の判断が間違っていた。気まぐれに変化することがあるがルールが現時点では分かっていない。(バッテリー残量数値が変化するとアイコンも合わせて変化する点までは分かっている。)
 なお、恐らくWindows 10では起きないのだろうからUbuntu側のチェック処理タイミングミスなんだろうと思われる。

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Lenovo Flex 5のUbuntu Native化のまとめ

 昔からLinux系は外部機器接続との親和性が無いし、特にプリンタは印刷不可能なんてことを20数年間信じていた身としては、隔世の感があり開発系ではMacが最適だと信じられていたのが嘘のようだ。
 Macを使いながらもデフォルトでUbuntuが動けばと思った人は多いのではと思っています。Windows 10もWSL搭載しMacは不要なのか?と思っていたのですが、如何せん文字コードが引っ掛かるので完全移行とまでは至っていなかったのが、今回良いタイミングでUbuntu環境に移行できたという訳でした。
 DELL XPS13 9300でもデフォルトで結構良いって記事をチラ見したのですが、個人的にはFlex 5がハイエンドに進化するともっと良い気がしています。それと、画面解像度はFHDは使わないと決めていたのですが、今回FHDで文字がやや大きいかなとは思うレベルでした。老眼の影響もあり近頃はMac Book Pro 13でドットバイドット表示はきついなと思い1680x1050に変更しやや大きいなぁと思っている状態だったもので。
 また、昨年導入したVAIO S15の4K版でドットバイドット表示していたら流石に無理で150%化で諦めておりました。こんな私が14インチでFHDで満足するとは思っても見なかったのですが意外でした。
※Tweek UIでフォント変更とサイズは少し小さくはしています。

次回は、Ubuntu 21.04 on Flex 5のチューニングをしていった部分についても記載します。ブラウザにFirefoxをお使いなら今利用中のFirefox環境をそのまま一瞬で移行できます。とか。ww

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