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2023/12/01

疲れますねぇ、この時期は。言葉に出来ない憤りとか、不快感が弱い毒ガスみたいに蔓延していて、少しずつ元気を失っていきます。僕も昨夜色々とトラブルがあって、精神的に疲れ切っちゃって。議論をしたがらない人と必要な議論をしようとすると、無駄に疲れちゃいますよね。まぁそれはいいんですけど。僕のプライベートの話は置いておいて、最近は活動者仲間がじわじわと疲弊しているのが目立ちます。これって活動者界隈だけに限定した話ではなくて、SNSを使用している先進国すべてで見られている現象のようなのです。

例えば、フィルターバブルという言葉があります。あまり日本では馴染みが無い言葉ですが、簡単に言うと「見たくない情報を見ないようにする機能」のことを指します。これはSEO対策とかそういったシステマティックな話に限定した話ではなく、精神的な部分や行動学に基づく概念の言葉でもあります。SNSのアルゴリズムはユーザーが見たいものをリコメンドして自分が同意するコンテンツを見せる傾向にありますが、その逆は見られなくなっていきます。自分と反対の意見だったり、自分が同意しかねるコンテンツです。好きなものだけで泡で包んだように固めて、その泡だけを見ているようなシステムや状態。それをフィルターバブルと言います。これはユーザー間の対立を生み、SNSやネット社会のストレスの一因になっていると海外の科学者は考えています。
しかしながらインターネットにはコミュニティというものが存在します。VTuber界隈ですとかTwitchゲーム界隈とか、ツイキャス配信界隈などですね。これらは大きなジャンルの上でフィルタリングされるので、ツイキャスと関連性が強い情報はユーザーに関心がある情報だということで表示されます。ですが、同じコミュニティに属していても厳密には好みの差が十人十色なのが昨今のインターネットで、歌い手活動に肯定的な人間がいれば否定的な人間もいるのが現状。フィルタリングされた情報が繊細な価値観に基づくものではなく表面上のデータだけに基づくものとなりますので、コミュニティに対して反対意見を持っているコンテンツが嫌でも流れてくるのが現代社会のジレンマとなっているのです。そこで新たに直面する問題がソーシャル・ソーティングというものです。
生物学的にも、進化とは長い時間をかけて行うものですが、人間の脳の進化はデジタルの進化に全くといって良いほど追いついていない。というのが現在の科学的見解でして、従来は環境や状況に応じて長い時間をかけて適応し、脳もそれに対応して進化してきたのですが、現代は生物のスピードを追い抜いて進化を続けているテクノロジーに人々が翻弄されているのです。膨大な情報量を整理するエネルギーも枯渇し、次第に脳は効率化を始めていきます。ざっくりいうと、しんどくなるから楽をし始める本能が働くんですね。膨大な情報をカテゴリーやグループで分けて、無意識に派閥を作るのです。これをソーシャルソーティングと言います。互いの共通点を見つけて理解を示しあうのではなく、自分と対立する意見や人間を見つけると自らの価値観やアイデンティティに関わる問題だと脳が判断し、攻撃的なスタンスを取るようになるのです。価値観が相違する人間の言葉全く信用しなくなるマインドロックが始まり、自分と意見が合致する仲間同士の言葉であればエビデンスが弱くとも容易に信じる傾向が強くなっていくのです。このような無意識下で行われる二極化が不要な争いを生み出しています。その争いに疲れ切ってしまっているのが、現在のSNSです。しかし自らが二極化した考えを持っている自覚がない人間はまた無意識に争って、無意識に疲弊していきます。地獄ですね。そうならないためにも物事を点として見るのではなく、幅広い視点でマインドロックせず柔軟な思考を持つ努力が必要なんだと思います。じゃあ僕仕事に戻ります。

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