夢日記2022/2/6「少年と悪魔の話」

私はタブレットで漫画を読んでいる。
その漫画は投稿サイトにアマチュア作家が投稿したらしいもので、短編連作形式のものである。私はその絵柄が漫画家の波津彬子さんに似ているなと思い、気になったから読みはじめた。

主人公は黒髪の少年と、その少年の元にやってきた小さい悪魔。悪魔はマスコットのように可愛らしい見た目をしているが、実は力あるものであるという仄めかしが最初にされている。
第一話では少年と悪魔が偶然出会うところから始まり、その後は日常の一コマを切り取ったようなエピソードがいくつか紹介される。出てきたのは、以下のエピソード。

・少年が温泉施設にいると、異性の後輩とそこで出会う。後輩は明らかに少年のことを意識しているが、少年は何か別のことを気にしている。

・悪魔が怪しい病名をでっち上げ、その病名の特効薬を人に売り出そうとする。少年はそれを慌てて止めようとする。最後は悪魔自身のドジで目論見は失敗する。

・少し時間が進み、大学生くらいになった少年が自宅の建て替えを悪魔と友人に相談する。実家はお寺の正面にあり、母と祖父? の思い入れのあるものだが、二人とももう居ないのなら建て替えてしまった方がいいだろうと少年は話している。

・少年の友人がどこか遠くへ行ってしまい、それを少年は悪魔と共に見送る。

そして、漫画の最終話はいきなり時間が何十年も飛んだ描写から始まる。少年の建て替えたはずの家はもうなくなっており、お寺の前をお坊さんの行列が歩いている。
その中の一人が「この寺は古いわりに綺麗なように見える」と不思議そうに言う。もう一人が「この寺は管理者がいなくなってからも掃除を続けている人がいたらしい」というような言葉を返す。
その時、寺の中に主人公の少年の姿が現れ、少年の視点に描写が移る。
少年の目の前でふとお坊さんの行列が途切れ(列の途中に偶然空白ができている感じ)、その向こうの森の中に悪魔が浮かんでいるのが見える。
少年は悪魔を見て、「ようやく迎えにきてくれた」と安堵した表情を見せる。悪魔は楽しそうに笑い、少年と共に光に包まれる。
場面が転換し、誰かが何もない空を見上げるコマ。その絵を見た私は、その誰かは離れてしまった少年の友人なのだろうなと思う。

私はその漫画を読み終え、感動して少し泣いている。そしてその漫画が単行本になっている(黄色い背表紙の文庫本になっていた)のを見つけ、購入しようとする。

という夢を見ました。

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