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心を開く呪文

先日、友人が第二子出産をし、お祝いを持って遊びに行った。
彼女とはお互いの境遇が似ている(仕事内容とか旦那さんが土日不在が多いとか苦笑)せいか、少し込み入った話も、「なんとなく」できてしまう不思議な魅力のある女性だ。

悩みに悩んだお祝いと、お野菜のたっぷりなお弁当を持って行ったら、具沢山のミネストローネを作って待っていてくれた。会うのは久しぶりだけどSNSで近況をお互いに知っているからか、家に着くなり話が止まらない。こういう人がいるって幸せだ。

その中でやっぱり出てくるのはパートナー(夫)への不満なんだけど

「夫を刺してやろうかと思うほどイラっとした時には加味逍遙散(かみしょうようさん)が効くよ」

そう彼女が言った時に、びっくりして私の目から涙が出るかと思った。


というのも、「キレる私」を治療し復活していたかのように思っていたけれど、今年の初めにそれはまた再発したのだ。(参照note:キレてしまう私のこと
子どもの前で大げんかに発展し、なんてダメな親なんだと負のループにはまった私は再受診した。

治療してから治ったと思っていたのに、またか…。
大げんかしている時の姿、子どもはじっとみていたな…
もう子育てはできない。どこかに保護してもらおう

というところまで落ちていた。
カウンセリングの先生に涙ながらに再発したショックと子どもへの懺悔を吐き出したけど、先生はただじっと「ここまでちゃんと頑張っているじゃない。大丈夫、ちゃんと子育てできてるよ。」と言ってくれた。
今回は生理前に症状が出ていたので、PMSなのかもしれないということも考えた。そうなるとまた生理前に同じようなことが起きるんじゃないかとすごく怖くなった。
そんな私に「お守り」といって処方されたのが、「加味逍遙散」という呪文のような名前の漢方だったのだ。


私も持ってるの。

そう言ってポーチに大事にしまっている加味逍遙散を出した私に彼女はすこしびっくりしていたので、精神科にお世話になっていたことを話した。
noteには書いていたけど、誰か他の人に伝えたことがなかったから、自分でもびっくり。
それを聞いて彼女は「大変だったんだね。色々あったんだね。」と優しく聞いてくれた。

二人で「加味逍遙散はなかなか効果があるよね!」
(あくまで私たちの場合です。)
なんてことと、パートナーへの小さなイライラを言い合って、笑いあった。

私はこの時間にすごくすごく救われた。
パートナーにも迷惑がかかるからとひたすら黙っていた。
誰か知っている人に通院しているところをみられたらという恐怖から遠い病院を選んだ。
それは自分のためにもなると思っていた。

だけど、呪文のような漢方のおかげでこんな経験ができると思っていなかった。
SNSでの楽しい投稿からはこんなことわからなかったよね。
会って話せて、良かった。

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