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(8)世帯合算 ~2万1000円の壁~

高額療養費制度もいよいよラスト!!
最後は「2万1000円ルール」を紹介します。
このルールは、どのタイミングで登場するかがポイントになります。

前回お伝えした合算できる仲間さがしはできていますか?
その仲間と合算する前に、まずは、自分の合計を出していきます。
(これを「同一人合算」と呼んだりします)

同一人合算

40歳のサラリーマン、田中さんを例に、合算のながれを確認していきます。

平成〇年4月の田中さんの領収書をまとめたものです。自己負担額を単純に合計して「24万円!!」とはできません。
まずは、これらの領収書を、
「病院ごと」⇒「入院 or 外来」⇒「医科 or 歯科」のグループに細分化していきます。

まず、①病院ごとに分けます。


次に、②外来と入院に分けます。


最後に、③医科と歯科ごとに分けます。

ひとつにまとめていた領収書の束が、こんな感じで小さなグループに分けられました。
ここまで仕分けをして初めて、合計を計算していきます。

2万1000円の壁

ここで、70歳未満では、自己負担額が2万1000円以上でないと合算できないというルールがでてきます。
(70歳以上はこのルールはありません)
そのため、40歳の田中さんの4月22日と4月9日の領収書は、合算できません。

要注目!! 
同じグループ内、例えば、A病院の外来の5万円、2万円、1万円は合算されていますよね。
ここには「2万1000円ルール」は適応されません。
ちゃんと①→②→③の仕分けをしてグループにまとめられないと、この点が見えなくなってしまいます。
仮に、黄色枠の2000円の領収書がでてきたならば合算できます。(下図)
つまり、2万1000円未満の領収書も捨ててはいけないということです。

世帯合算

そして、このルールは、上記の「同一人合算」時と、下記の世帯合算(例えば夫と妻の合算)の時にでてきます。
図を見て分かるように、夫と妻の医療費のうち、2万1000円未満の「外来・歯科3,000円」と「外来・歯科13,000円」は、合算されていません。


世帯合算のまとめ

どうでしたか?世帯合算って響きはいいんですが、なんだか複雑ですよね。
まとめです。

事前準備
日頃から領収書は、捨てずに整理しておきましょう。2万1000円未満も大切です。

仲間さがし
合算できる相手を見つけておきましょう。
保険者ごとでしたね。

領収書の仕分け
自分の領収書を①→②→③と仕分けします。
70歳未満は2万1000円ルールを意識して合算しましょう。
70歳以上はすべて合算できます。

世帯合算する
世帯内で合算して申請する。
70歳未満は、ここでも2万1000円ルールがあります。

一応、これで長かった高額療養費制度の紹介はひと段落。お付き合いありがとうございました。
次回は、おまけとして、「社会保険労務士になりたい!!」という方へ、試験対策として高額療養費の計算問題を紹介します。

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