(6)「ひと月」を上手に。
今回は、高額療養費の制度を、上手に利用する方法を1つ紹介します。
上の表は、何度も登場している適用区分表です。今日は、オレンジ枠内の「ひと月」に注目。
実は、この自己負担の上限額は、ひと月あたりで計算する仕組みとなっています。
「ん?それがなに?」と思う方もいると思いますので、AさんとBさんの事例を紹介します。
AさんとBさんは、同じY大学病院に12日間入院をして、同じ治療をうけました。
(自己負担の上限額は8万円と設定)
Aさんは、がんの治療のため、9月13日~9月24日まで12日間入院しました。
検査や投薬の治療をしました。この入院で医療費(保険診療部分)は14万円でした。
高額療養費の制度を使い、自己負担の上限額の8万円を超える6万円が払い戻されました。
一方、Bさんは、がんの治療のために、9月24日~10月5日まで12日間入院しました。
Bさんも、Aさんと同様の治療をしたので、医療費(保険診療部分)14万円かかりました。
でも、Bさんには、9月入院分で7万円の請求書、10月入院分で7万円の請求書の2枚が渡されました。
「ひと月」の治療費が、自己負担の上限額の8万円を超えないため、9月、10月ともに高額療養費の制度の申請ができませんでした。
このように、同じ入院・治療でも、月をまたいでしまうと高額療養費制度が使えなくなる場合があります。
1つの入院や治療(イベント)ごとに判断されるのではなく、あくまでも「月単位」で判断されます。
緊急の場合には仕方ありませんが、仕事の調整をしてから入院する場合など、入院日の選択ができる状況であれば、ひとつ参考にしていただければと思います。
事前にこのルールを知っていると、高額療養費の制度を上手に活用できます。
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