見出し画像

(1)高額療養費制度とは??

今回は、高額療養費についてお伝えします。この制度は、非常にありがたいもので、
私のなかで、知らなきゃ損な制度No1です!!

この制度は、1973年に作られました。
この1973年は「福祉元年」と呼ばれ、高齢者医療費の無料化など、医療、年金、福祉の制度内容が、より充実したものへと変わっていった頃です。
なぜ、そんなに充実な保障ができたというと、1955年頃の神武景気から1973年10月オイルショックまで約20年間、高い経済成長率で、景気がとてもよかったからです。
今とは違い、日本経済に勢いがあった時に、この高額療養費の制度はうまれました。

高額療養費とは?
保険証を見せると、医療費の支払いは、自己負担1~3割に軽減されます。
例えば、風邪を引いてしまい内科にかかったとします。
治療費が1万円かかっても、自己負担(3割)なら3000円の支払いで済みます。が、治療費が100万円かかった場合はどうでしょうか?
自己負担(3割)だと・・・30万円!!
この金額を会計で支払わなければいけません。がんの治療費はやはり高額になることが多いです。
そこで登場するのが高額療養費という仕組みです。

下記の図は、厚生労働省保険局の資料から抜粋したものです。
窓口で支払う自己負担は30万円(青+緑の部分)です。この窓口で支払う自己負担額には、実は上限が決められているんです(青の部分)。
この上限の8万7430円は支払う必要がありますが、残りの緑の部分は、高額療養費として保険から支払ってもらえます。
その額は約21万円!!です。

つまり、医療費がどんなに高額になってしまっても、設定されている金額以上の支払いはしなくていいのです。(*高額療養費の対象にならないものがあります)←ここは重要なので、改めて説明します。

なので、
医療費100万円 ⇒ 自己負担の上限8万7430円 
医療費200万 ⇒ 9万7430円 
医療費300万円 ⇒ 10万7430円
といった計算になります。

ただし、この高額療養費は、基本的には還付申請によって、後日、戻ってくるお金ですので、窓口では、まずは自己負担分の全額を支払う必要がありますので注意してください。

少し古いデータですが、がんの入院日数と保険適用前の医療費の総額になります。(下図)この医療費で自己負担分(3割)を考えると、窓口で支払う金額は、だいたい30万円で足り、還付で20万円弱が戻ってくる計算になります。
がんの治療費が、どのくらい必要になるのか、どのくらい貯金しておけばいいのか、1つの参考にしてもらえればと思います。


以上ここまでが、高額療養費制度の大枠になります。
まずは、高額療養費という制度があって、窓口で支払う自己負担額には「上限」が設定されていることを知っていてほしいと思います。
なんと、こんなにいい制度を知らず利用していない方が、4割くらいいるそうです。

この制度を知っているのと知らないのでは、がん治療への備え方が180度変わってきますので、是非、この機会に知っていただければと思います。
次回は、この制度を利用する上で知ってほしい、もう少し細かいルールを見ていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?