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聞き飽きました、「ジャッジしない」

心理学というか、流行りの自己肯定感というか、とにかく、心のことについて向き合おうとするとかなりの高確率で出てくる言葉、それは、「ジャッジしない」。
何度も聞きました。
なんとなく分かりました。
なんとなく気をつけるようになりました。
そして、なんとなく「ジャッジしない」ができるようになってきたかなと思っていました。

しかし先日、作家さんが講師をしてくださるという絵のワークショップに参加して気づいたこと。
それは、「めちゃくちゃジャッジしている自分」の存在でした。
今までは、
「わたしって、ジャッジ癖があるんだろうなぁ」
と漠然と思っていました。
ただこの日、ワークショップの間、ジャッジしている自分の尻尾を、はっきりと、見つけて、それを掴みました。

ワークショップの後半、
クロッキー帳と色鉛筆3〜4本を持ち、
雰囲気の良い日本庭園のような場所で、
30分間、
「自由に」描いていい、
と言われてからの、わたしの心の中。

・自由ってなに?先生、描く例をいくつか言ってた気がするけど、何をどう描くんだっけ?
・何を題材にしてどう描いたら褒められる/すごいって思われるかな?
・(描きながら)これで合ってるのかな?
・(他の人をちらりと見ながら)みんな何描いてるんだろ?

そして描き終わった後のクロッキー帳のシェアタイム。他の参加者の方の絵をみながら、

・なにこれ、下手じゃん。
・これ、ちょっと違くない?
・え、なにをぶって描いてるの?
・わたしの絵、先生に、すごいと思われたい!

怖いほどにジャッジしまくり。
正解・不正解の世界。
上手い・下手の世界。
さらに、他人軸の世界。
「自由」が不自由。

絵を描いていても、正直、全然楽しくありませんでした。


(加えてそのワークショップには講師の方のお友達が数名参加されていて、その方たちの、内輪ノリというか、はしゃぎっぷりに終始イライラ。そのお友達が無断で参加者の写真を撮ったり、録音していたりしたのも本当に嫌だった。お友達ノリで楽しみたいなら、別で来ればいいのに。)
(↑って、わたしが要求するから、わたしも要求されてるという強迫観念になるのかしら。)
(↑って、自分に湧いてくる負の感情を、なんとかもみ消そうとして、負の感情が湧くのを自分のせいにするから、それもまた苦しいのだろうか。負の感情を肯定できたらいいのにとも思うけど。)
(ってイラモヤしてるのはきっとわたしだけ。自分、小っさ。)
(↑と、また自己否定。)
(全ては根っこにある「〜べき。」に縛られている(自ら縛っている)ような気もする。)


うむ。
ジャッジの話に戻ります。

いつもなら、わたしの心の中に浮かんでくる感情は、自分にとっての「普通」の思考回路だから、水が水脈を流れるように、あまりにも自然なことだから気にもとめていませんでした。

でもその時、
「これが、何度も聞いて、聞き飽きたけど、でも腑に落ちていない、ジャッジだ!!!」
と、ジャッジの尻尾を掴んだ気持ちになりました。
うまく伝えられませんが、「ジャッジしている自分」を、客観的に観察できたのです。

掴んだその尻尾をどうするのか?

分かりません。

でも、今わたしは、それがたとえテクニックだとしても、自分にこんな風に声をかけます。
ジャッジしてる自分、居ていいよ。
ジャッジする、に至るまでには、大切にしたい何か、思いがあるんだね。そうすることで守ろうとした何かがあるんだね。ジャッジしてもいいよ。

そしてたとえそう思えなくても、呪文のように、こう唱えます。
「人それぞれ」
「違う世界で生きているだけ」

すると胸のあたりのモヤモヤではなくて、腹のあたりにモワァと温かみが広がります。涙が出てくるときだってあります。

ここ数年、あちこち縁の繋がるところへ行ってみました。
いろいろなことを試してみたって、自己探求を続けたって、何も変わってないし、何も良くならない。「そんなことして何になるの?」って声が聞こえてきます。

でも、
それって、ほんとにほんとかな?
もし、私が、私にとっての大切な家族や友達だったら、愛している人たちだったら、そんな厳しいこと、その人に言うかな。
ほんの少し、ほんのちょっとだけ、自分の変化に気づく努力をしてみたら、どうだろう。
しっかり自分を客観的に観察してみたら。
自分を、愛する大切な人だと思って観察したら。

・・・・・・・・・・

絵のワークショップへの参加も、信じられないようなところから繋がったご縁でしたが、
そのワークショップから、思わぬことへの気付きがありました。

生きるって、果てしない旅だと改めて感じます。
目的地や結果だけじゃなくて、その時々の風景を楽しめたら、生きることって、もっと尊くて、もっと美しいものだと、心から思えたり、するのかな。

本日の日記も思いもよらない場所へたどり着きました。書きながら、予期せぬ新しい言葉が浮かんでくるのって、なんだかおもしろい。

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