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組織風土改革日報№.21_リーダーシップは科学なんですね

①前回のあらすじ

2022年1月から人材エンジニアとして、製造企画管理係へ異動した私(キタ)。
相変わらず組織開発と人材育成を基軸に、セミナーだ、コーチングだ、あ、面談の時間だ。と小忙しく働く中で、新たなミッション発生。

それはリーダーシップに関する講座の開発と講師活動を含む開催運営だった。むむむ、燃えるぜ。やってやろうじゃないのさ。


②そもそもリーダーシップってなんだっけ?

2022年6月。停電になって3時間程たった様な、ヌメッとした暖かさを、一旦リセットするような梅雨時期に、私はある新しいタスクに取り組むことに。

それはシチュエーショナル・リーダーシップ理論(SL理論)の基礎講座開発。

事の発端と成り行きは、

●組織管理者達の自律分散型組織検討会で、人材育成について話し合う。
  ↓
●入社したてのメンバーに自律は難しい。という認知の共通項に気付く。
  ↓
●従業員の自律には、一定の経験と能力が大切ではないか。
  ↓
●SL理論が使えそうなのでは。
  ↓
●キタいける?
  ↓
●キタやります!

とまぁ、ザクッとこんな感じです。

私としても、キャリアコンサルティングにおける学習の中で、発展的にSL理論には注目しており、個人的に書籍も購入して読了済み。

アクティブラーニングがてら、良い機会だとも感じたので、気持ちとしては渡りに船といったところ。

このSL理論、ちゃんと理解するには委細押さえる必要はあるが、あえて簡単に言うと、
『部下の能力と意欲に合わせて、リーダーは影響行動を変える』
というリーダーシップ。

そして、このSL理論におけるリーダーシップとは何か?それは、
『チームの成功と効果性を最大限に高める為に、リーダーがメンバーに影響する事』。

牽引、引率、教育、叱咤、激励、援助、協力、静観、手本。

リーダーシップを連想させる、もっともらしい動的な形容詞は多いですが、そもそもリーダーシップってなんだっけ?と問われれば、間違いなくこれが一つの解釈と言って、差支えないと言えましょう。

もう一度言いますが。リーダーシップとは、
『チームの成功と効果性を最大限に高める為に、リーダーがメンバーに影響する事』です。

次章で、その概論をお伝えしてみようと思います。


③SL理論の概論

出来るだけ簡単にSL理論を。
とはいえ、SL理論は然るべき研究機関が教育権利を保有していますので、細か-い所まではお伝えする事が難しいのですが。。。

ネットでSL理論を調べると、リボン型の図と合わせて、援助型だ、コーチ型だ。リーダーは気を付けましょう。みたいな事が良く書いてありますね。

そこから、もうちょっとだけ細かく、お伝えできればと思います。

さて、

さて、そもそもこの理論は、フォロワーとなる部下やチームメンバーに対して、リーダーが『チームの成功と効果性を最大限に高める為に、影響する事』でしたよね。

つまり、必ずフォロワーとリーダーの存在があるという事になります。

そして、理論を知るにあたって、リーダー側に前提となる要素は2つ。
『人への関心』『成果への関心』
これをまず頭に入れましょう。そんなに難しくないですよね。

はい。それでは、ズブッと理論に入っていきましょう。

フォロワーを仮に部下とし、リーダーを上司としましょうか。
以下の図が、SL理論の概論です。これが分かれば、基礎的な事はほとんど分かった!OK!という事で宜しいかと思います。

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補足します。

◆部下側
上司側から見て、部下は・・・
能力:課題に対して、納期含め期待通りの成果を出せているか?(成果)
   -高:きちんと出せている
   -低:きちんと出せていない
意欲:課題に対して、意欲的に取り組んでいるか?(人)
   -高:熱意を持って取り組んでいる
   -低:熱意はどうやら低そう
レディネス:能力と意欲の高低の組み合わせで診断する。R○と表現する。
※あくまで新人やベテランなど、人に対してではなく、課題一つ一つに対してレディネスを付与する為、一人に対していくつもレディネスが付与される。

◆上司側
影響行動:部下のレディネス数値に呼応した影響行動。S○と表現し、その属性に合わせ、援助と指示を調整する。
援助:コミュニケーションや相談、根回しや協働。(人)
  -高:部下に手を差し伸べ、フォローしている状態
  -低:部下を見守っている状態
指示:やるべき事を、具体的に伝える。(成果)
  -高:いつ、だれが、何を、どこで、どの様にワークをするかを伝える
     -低:具体的な指示を控えている状態

といった具合です。

包括的に関わりを示しますと、
R1:自分のワークが何なのか分からないので、能力も意欲も低い。
↑↑S1:しっかり監督をし、仕事を教える。
 
  (支援スキル:ティーチング)

R2:まだ成果は出せないけど、仕事自体は分かってきて楽しい。
↑↑S2:部下の質問に答え、理解を促す。
  
 (支援スキル:ティーチング、コーチング)

R3:仕事は成果を出せる様になったが、独り立ちに不安を感じている。
↑↑S3:部下の困りごとに傾聴し、サポートする。
  
 (支援スキル:コーチング、カウンセリング)

R4:上司の励ましもあって、自身を持って一人でゴリゴリやっている。
↑↑S4:見守りつつ、何かあればフォローする。
   (支援スキル:カウンセリング、任せる)

という事ですね。

文章で分かり辛い所もありそうですが、これだけ理解されて入れば、一定現場で使えるかと思います!


詳細はこちらの図書を参照なさって頂くのが宜しいかと思います。

行動科学


④リーダーシップは科学なんですね

前章の基礎知識をベースに、60分~90分の講座を開発し、一部の組織にトライアルをさせて頂きました所、概ね良好な内容と判断。

その結果を持って組織管理者の承諾を頂き、現場監督者の皆様に、お時間を作って頂いて、講座に参加してもらいました。

製造業は、概ねマニュアルがあり、その標準に従って作業される事が多いため、マニュアルを守れるかどうか?が現場監督者の主眼となっている部分があるかと思いますが、

それでも現場改善やイベントなどは、特に監督者のリーダーシップが発揮される場面。

その監督の仕方は、ご自身の上司から学んだ事や、マニュアルや自己基盤によるものが実に多く、それが悩みにも繋がっている様であり、辛さでもあったのでしょう。

ある監督者の言葉が、忘れられない。

『私はリーダーシップを才能だと思っていた。
でもリーダーシップはちゃんと研究された科学なんですね。』

その言葉で、私の労力の全てに意味を持たせてくれた。
これだから、組織開発は辞められないな。


日報№22へ続く。。。



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