見出し画像

労働社会保険諸法令関係事務指定講習(事務指定講習)のススメ

10月29日(金)に第53回社会保険労務士試験の合格発表がされ、受験者には合格通知、不合格通知のどちらかが届いて、あらためて実感されているころなのではないでしょうか。

合格者のみなさん本当におめでとうございます。
不合格のみなさん、できればあきらめず来年もがんばりましょう。


時々話題になることがあるのですが、社労士の場合は、「試験合格=資格取得ではない」ということです。

どういうことかというと、「社労士に登録できる状態=資格がある」と定義すると、社労士に登録するためには、「試験合格+2年以上の実務経験+現金」が必要なため、「2年以上の実務経験」があり、事業主にその証明書の発行をしてもらえるなら、試験合格を経て資格取得だといえますが、そうでない人が試験合格したことで、「資格を取った」というのは厳密にはまずいです。厳密じゃなくてもこれはダメ。
「試験合格者」と名乗るのが正しいようですが、ダサいですよね。

履歴書に書くのはまだしも、ただでさえ社労士が知られるかどうかわからないような状況ではいちいち説明できないでしょう。

しかし、社労士実務に関係しない仕事に従事している方は、現実的には無理な話で、その代替措置として、タイトルに挙げた「事務指定講習」というのがあります。

https://www.shakaihokenroumushi.jp/qualification/tabid/229/Default.aspx


受講料は77,000円とまあまあ高額ですが、この講習を受けることで、有資格者と名乗ることができます。

(一部、登録者以外が「有資格者」名乗ることには対し、批判的な意見があるようなのですが、お金を払ったら登録できるのであるから「資格はある」と堂々と言っていいんじゃないでしょうか)

自分もこの事務指定講習に参加しました。

ざっくりタイムスケジュール的なものを説明すると、

11月 合格発表(今年からは10月下旬でしたが)
11月 申込申請受付
翌年1月か2月~5月くらい 通信研修
7月~9月 面接指導またはe-ラーニング講習


大きく、「通信指導過程」「面接指導過程」をこなしたら終了です。

受講料を支払った後、どっかんと資料が届き、通信教育(進研ゼミみたいな形式)で通信指導過程をこなしていきます。
内容は、ほとんどが、各種機関(労基署、ハローワーク、年金事務所等)への申請書や届出書の作成です。
結構なボリュームがあり、もともと申請関係の書類に携わったことがなかったこともあり、やりごたえがありました。
なんとか期日までにこなしました。

面接指導過程は、指定された連続4日間に会場に行き、他の受講生とともに、講義を受けます。
全国で日程は別々で、東京、愛知(名古屋)、大阪、福岡で開催されます。東京は2回開催されるようです。

自分は、地理的には、大阪が一番近いのですが、開催日の日程の都合で福岡会場で面接指導を受けました。
福岡で受けるということは、九州や大阪よりも近い中国地方の多くが集まることになり、大会場がいっぱいになりました。

「面接指導過程」という名称ですが、実質は、各日、講師(先輩社労士が主)から各法律(労基法とか国年法など)の講義を受けるだけ。
個別面接などは一切ないです。指定されている時間帯に会場の中にいればOKです。服装も自由で、多分着の方が7割くらいでした。
遅刻等には厳しいとは思います。

この面接指導の一番のメリットは他の受講生と交流が図れ、仲良くなれるかもしれないこと。
可能ならば、席が近くになった人と名刺交換するといいと思います。
デメリットは4日間連続で拘束されること。仕事を休んで参加したわけですが、理解がある上司だったのでありがたかったです。

しかし、昨年(2020年)の面接指導過程(大阪会場)に参加した人の話によると、コロナ禍の影響で休み時間中の私語が禁止されて、一切交流が図れなかったとのことで、このメリットがないかもしれません。
また、面接指導過程はe-ラーニング講習の受講でもよさそうな感じなので、会場から近くに住んでいない方はe-ラーニング講習でもいいように思います。ホームページを見る限りでは、「(映像投影による研修)」と書かれているので、講師も地元の社労士でなければ、ここだけの話のような面白みのある話が聞けるわけでなく、わざわざ現地に出向くメリットは少なくなっているように感じます。交通費はもちろん連泊する宿泊費が結構かかるんです。

それで、完全終了するのが、8月~9月頃。結構期間がかかります。

これをもって晴れて、社労士の有資格者(未登録)です。
面接指導過程の最終日に一人一人に賞状が多分のまあまあお偉い方(県会の会長レベルと思われる)から手渡されました。

登録をするにあたっては、また費用がかかるし、登録するかどうかは必要に迫られてでいいと思いますが、せっかく、結構な時間を費やして社労士試験を合格したのだから、いつでも登録できる状態にするためにも実務経験がない方には「事務指定講習」の受講をオススメします。


なお、行政書士、司法書士は登録にあたり、実務経験は不要なので、「試験合格=資格取得」といってよいと思います。
税理士は、2年以上の実務経験が必要で、社労士の事務指定講習のような代替措置はないようです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
継続していくためにも励みになりますので、「フォロー」「スキボタン」「気に入ったらサポート」をよろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?