外国人が日本の公的医療保険加入するに際しての提案

 前回、日本に住所のある外国人の扶養家族に対する健康保険や児童手当に関する政策提案を書いた。
 今回は、そもそも外国人が日本にやってきて日本の公的医療保険に加入するにあたっての提案を書く。


 本国でそれなりにステージが進んだがん患者が日本に留学なり就労なりといった形で住所を持ち、国民健康保険や健康保険に加入し、保険料をそんなに納めていない(前年度データが無いから最低基準となることが多い)のに高額の保険治療を受け、場合によっては高額療養費の適用で自己負担額が低い上限で支払いを済ませ、治療が終わった時点で本国に引っ越すという記事を何度か見たことがある。これは、日本に長く住所を持つ人が納めてきた保険料や税金を外国人にフリーライドされたということでよくない。

 そこで、日本の国籍がないものが日本に住所を持ち、日本の公的医療保険に加入する前には、健康診断を受けさせて、そこで見つかった疾病に対しては日本の公的医療保険は一部を除いて適用しないというのでどうだろうか。その際の健康診断は無料とする。簡単なものは1万円位だが、人間ドックは5万円が相場らしい。検査内容を疾病の発見に特化するのも一つだろう。
 ここで見つかった疾病に関しては、本国の医療保険なり全額自己負担で受けるなりしてもらうという流れになる。感染症や伝染病は日本の国費を使ってもよい。また、軽い疾病は療養費で日本の公的医療保険を使ってもよいだろう。

 もう一つ。高額療養費制度の適用だ。前年度の所得データがないため、低い上限額適用となり、また限度額適用で所得階級によって定められた上限額以上の窓口自己負担はないことを利用されてしまうというのもある。限度額適用は実は例外的措置であり、原則は償還払い(請求して後で高額療養費として返ってくる)である。
 そこで、日本に住所を有して1年間の高額療養費は、いったん限度額は所得基準は最高基準として適用するのである。そして、1年経って所得情報が整ってから改めて計算して払い過ぎた医療費を償還払いするのである。つまり、 標準報酬月額が83万円以上の252,600円+(総医療費-842,000円)×1%をまず自己負担限度額とするのである。となると25万円は最低用意しないといけなくなる。
 もう一つは、健康保険限度額適用認定証を日本国籍を持たないものは、日本に住所を有して1年間は発行しないというのも手である。ただし、出生により日本に住所を有した場合は除く。これでいったん3割負担で青天井に窓口で支払いをしなければならなくなる。

 2本続けて、日本に住所を持つ外国人に対して少し厳しいことを書いたが、外国人に医療費のダダ流しを抑止することも必要なのではないかと思う。ましてや、日本の安くて高品質の医療を受けるためだけにやってくるのは、制度できっちりと防がねばならない。日本は性善説で設計されているものも結構あるが、それは外国人には通用しない。悪用を防ぐためには、明確に日本に住所を有してからの疾病・負傷についてのみ日本の公的医療保険を使っての保険医療を受けることができるようにするのである。

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