2月27日(土)の日記 「卒業」

 今日は三年間私を育ててくれた学校から卒業する日だ。長いようで短かった高校生活、それも最後だと思うとなんだか不思議な感覚だ。友人や先生方との別れに涙する生徒も多かった。
 一方で私はというと、卒業式が終わってもあまり「終わり」ということに実感が持てず、何かがぽっかりと空いたようなぼんやりとした感覚だけが心を支配していた。一昔前、それこそ今ほど携帯電話が普及していなかったころでは、高校の友達との別れは本当に、今生の別れになることもあっただろう。しかし今はネット社会。対人における物理的距離などあってないようなものだ。卒業後もこの端末一台ですぐにやり取りをすることができる。そのため卒業して遠く離れると言っても、コミュニケーションにおける距離はそう変わらないのだ。
 このことが、私から卒業式の感動を奪っているのだろうか。それとも私がただ無感動な人間なのか、それはわからないままだ。
 
 

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