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【Flesh and Blood】クラス制カードゲームとアーキタイプ【Dash解説】

はじめに

こんばんは、Squidです。
Flesh and Bloodはクラス制のカードゲームです。
デッキを組むときにはヒーローを1人選び、そのヒーローのクラスのカードに加え、どのヒーローもデッキに含めることのできるカード(他ゲーで言う中立や無色)でデッキを組みます。

このゲームを初めて知ったとき、デッキを組むときにヒーローが前提ということは、アーキタイプが固定されるのではないか?という心配が僕の中にありましたが、結果的にそれは杞憂に終わりました。

ここでは、Dashというヒーローと、彼女のアーキタイプについてお話します。

Dashというヒーロー

DashはArcane Rising(2つめのパック)初出のMechanologist(以下、Mechと呼びます)というスチームパンク的なテーマのクラスを持つヒーローです。
他のクラスがElementalやDraconicなどのタレントをもらう中、Mechだけはタレントをもらうことなく、DashとData Dollの2人で頑張っています。しかもData DollはBlitz専用です(性能もとてもピーキー)。
MechのキーワードとしてBoostがあります。

Boost これをプレイする追加コストとして、あなたのデッキの1番上のカードを追放しても良い。その追放されたカードがMechならこれはgo againを得る。

デッキをすべてMechのカードで構成することにより、確実にアタックにgo againを付与することができます。

また、Mechはアイテムの扱いにも長けています。(FaBでは珍しく、プレイすると盤面に残るカードです。MTGでいうアーティファクト)
アタックアクションに追加のダメージを乗せるアイテムや、武器を強化するアイテムなどがあります。

基本の戦略としては、①Boostされたアタックで連撃を叩き込むか、②アイテムを展開して盤面を作るか、③もしくはその両方を採用した形がメインになります。

①Aggro Dash

サンプルリスト(Blitz)
https://fabrary.net/decks/01GKTYTP55QKW69Q7QKB6W04E9

Boost能力を最大限に活かした形です。
対戦相手のライフをいち早く削るために磨かれた剣です。
デッキの中身の殆どがBoostを持つアタックで構成されています。
コモン3銃士のZero to Sixty、Zipper Hit、ThrottleはこのタイプのDashには積めるだけ積まれていることが多いです。
FaBの基本として、0コスト4点のカードがgo againを持つには何かしらの条件が必要です。(例:Scar for a Scar)

相手よりライフ低くないとgo againないです


それをほぼ無条件で達成できるZero to Sixtyと、コストと打点が上昇したZipper Hit、Throttleはカードバリュー的にほぼ最大値を叩き出しています。

デッキ切れる前に相手倒しゃええんやろ?ノーコストgo againやで!

基本的戦略は非常にシンプルです。殴ってしばいてどつきまわす、以上。
手札のカードを効率よく吐き出し、山札をゴリゴリ消費しながら戦います。
武器はMech専用武器であるTeklo Plasma Pistolの他に、誰でも使えるGenericのTalishar, Lost Princeが採用されています。
Talisharは3回しか起動できませんが、2コスト4点と、武器としてはぼちぼち効率の良いカードです。

3回振ったら壊れま!

Talisharの打点上限である12点を基準にPistolとTalisharを比べてみると、
・Pistolが12点出すためには…
6リソース
6アクションポイント
・Talisharが12点出すためには…
6リソース
3アクションポイント
がそれぞれ必要です。

Talisharはアクションポイント消費が少なく、早期決着を狙うAggro Dashに噛み合ったチョイスと言えます。(ここでいうアクションポイントとはすなわちターン数とも言えます。)

Aggro Dashは別名Wombat Dashとも呼ばれます。

②Control Dash

サンプルリスト(CC)
https://fabrary.net/decks/01GKSR6ENFBQBWJ4TB7CTQVQCC

前述のAggroと対をなすControl Dashの目標は、相手の攻撃を躱していなして耐えて、勝ち確定の盤面を作る、もしくは相手のデッキが無くなるまで耐えることです。
Aggroと違いGenericのカードが多く採用されていることがひと目でおわかりかと思います。このデッキではBoostしません

Pistolを強化する2種のアイテムをすべて盤面に揃え、デッキの中身を全て青のカードにすることがメインの勝ち筋です。

Pistolアタックにgo againつけます
このターンPistolアタックを+1{p}します。


そのため、デッキの中の赤と黄のカードは全てプレイするか防御に回します。
アイテムが揃ってしまえば、分割払い可能の8リソースで15点ダメージを、カードをプレイすることなく"産出"できます。ピッチするだけで打点が出るようになればデッキが防御の時にしかしか減らなくなります。

(12/13追記)
多くの武器と違い、Teklo Plasma Pistolのアタック能力は1ターンに1回の制限がありません。
つまり、Plasma Purifier3つでPistol1発を5点にし、Induction Chamber2つでgo againを2回付与すると、5点+5点+5点で15点飛びます。
これに必要なリソースは、Purifier3つ(3リソース)Chamber2つ(2リソース)Pistol3発(3リソース)で合わせて8リソースになります。
また、事前にアイテム5個分のリソースを払っておくことにより、青1枚で15点出すこともできます。

デッキ内の防御用のカードは29枚と、通常のデッキでは考えられない数採用されています。
また、それ以外のカードも多くのカードが防御値3を持つカードで構成されていたりと、防御力はOldhimをも凌ぎます。
ただしOldhimを始めとするGuardianと違う点は、デッキ切れ防止の方法です。
Guardianは高コストのカードをプレイすることにより多くのカードをピッチし、デッキを回復しています。
Dashはカードをプレイするためのコストが軒並み低く、デッキを回復することが難しいので、スタート時のデッキの枚数を増やすことでデッキ切れの対策をしています。

ちなみに僕のメインデッキです


耐え方が難しくて練習が必要ですが、うまくなった実感が得られますし、15点連打してるときはそれでしか得られない栄養があります。
その上、「DashといえばAggroやろ?」という相手の思い込みをスカすことができます。事前サイドボードのできるFaBならではの戦術ですね。(CCフォーマットの話です。)

Control DashはTurtle DashやTree Frog Dashとも呼ばれます。
亀は耐えるイメージでわかるけどアマガエルはなんでなんやろうね…
てか海外の人動物の名前つけるの好きね?

③Hybrid Dash

サンプルリスト(CC)
https://fabrary.net/decks/01GJDNT45ZBSX09Z8W6E3A3ZAF

上記2種のいいとこ取りをしたのがHybrid Dashです。繋げてHybriDashとも呼ばれます、僕はこちらの呼び方が好み。
対戦相手のヒーローを見てから、効果的な方の戦術を取ります。
基本的にはAggro戦略を取りますが、対戦相手がGuardianなど長期戦が見込まれるときにはPistol関係のアイテムやDifense Reactionをデッキに入れて戦います。

Aggro変形
https://fabrary.net/decks/01GJDPKKA89YA49BJ20DN3WBXV

Control変形
https://fabrary.net/decks/01GJDPNXBCEMHE027T34W9EV1F

対戦相手によって微妙に入れ替えが変わりますが、これらがそれぞれの基本形です。
Aggro戦略を取った際には純Aggroとほぼ変わらない速度と打点が出ます。
Control変形(というよりはPistol変形と言った方がいいかもしれませんが)のときは純Controlには遠く及びませんが、ほかヒーローと比べても多めな8枚のDefense Reactionを携えPistolを強化したりアタックを投げつけながら戦います。

現状、トーナメントを勝っているDashは大抵がこのタイプです。
対戦相手によって形を変えられるというメリットが非常に大きく、全てのヒーローに対して大きく不利を受けることがありません。

④Combo Dash(12/10追記)

装備品全部とHyper Driver3つをこねこね…


合体ロボ!かっけぇ!!!

Dynastyで衝撃のデビュー(?)を果たしたNitro Mechanoidですが、Hybrid DashのControl側のプランとしてPistolのかわりに起用されたりしているようです。
しかし、裏面のアタック能力が1ターンに1回の制限がないのをいいことに、アクションポイントをどうにか増やして1ターンに複数回殴ってワンショットキルを狙うタイプも存在するようです。
理論上はMechanoidだけで1ターンの間に最大53点出ます。

Dynastyは発売されて間もないので、リストが固まっていません。
これを完成させるのはあなたです!

このあたりのカードから…


フォーマットごとの違い

ライフが40でスタートするCCだと、①で取り上げたAggro Dashは対戦相手によっては不利を強いられるため、③のHybridが主流です。
しかし、ライフが20から始まるBlitzともなると話は別で、Aggro型が一番輝きます。装備品以外をサイドボードする手段もなく、Defense Reactionを増やすこともできません。CCではライフに余裕があるので、取られたマウントをライフで受けて返すことも容易ですが、Blitzではライフで受けるとそのまま死にます。
フォーマットごとに発揮する強みが違うのも面白いところですね。

おわりに

ここまで書いたように、1人のヒーローをピックアップしても複数のアーキタイプがあります。
クラス制のカードゲームであってもデッキの多様性が保たれており、拡張性が非常に高いです。
それに加え、選択可能なヒーローが各フォーマット合わせて約40人います。可能性は無限ですね。

毎回新弾が発売された後、特に新規の強力なパーツを複数もらっているわけでもないのに過去のヒーローが突然メタに浮上してきたりします。このゲームにおける「環境」「メタ読み」の重要さが垣間見えます。
事実として、Uprising発売直後にControl Dashが、Dynasty発売直後にHybrid Dashが大きな大会で上位入賞を果たしています。

Dashを真剣に触り始めてからFaBが更に好きになりました。
最速級のアグロ最遅級のコントロール同じヒーローに同居しているというのがすごく魅力的です。
あなたもMech、始めてみませんか?

最後までお読みいただきありがとうございます。
以上、Squidがお送りしました。

質問などありましたら僕のTwitter(@SquidJPN)か、日本コミュニティDiscord(https://discord.gg/WFcRpkeu5X)までお気軽に~
日本コミュニティのTwitter(@UnofficialJPN)もあるのでそちらも合わせてご覧いただけると幸いです。
そのうちControl Dashの詳細解説記事でも書きたいわね…

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