2024/04/13論計祭概要
論計祭 (ろんけいさい) について
今回の論計祭では、ラッセルのパラドックスを再検討します。
論計舎が提供する論計祭は、数理論理学・理論計算機科学を中心としつつも、コンピューターサイエンス・哲学・言語学・法学など様々な意味での 「論と計の科学」 に興味を持った方々に発表の機会を提供するとともに論計舎内外の講師講演を行う場です。
また論と計の科学に関する質問や論計舎のサービスに関する相談にお答えする質問・相談会も含まれます
スピーカー
川井 新 (Shin Quawai)
論計舎主催・講師。 論理と計算の関わりに関心をもち、在野研究者として活躍中。他に哲学的論理学も専門とする。RIMS共同研究にて口頭発表2回。論理学友の会発起人。指導実績のある分野に、線形代数、微分積分学、数理論理学。ウィスキーと珈琲を好む。
ラッセルのパラドックスとは
カントール集合論の根幹は素朴包括原理である。すなわち、任意の性質$${P(x)}$$について、ある集合$${ \{x:A(x) \} }$$が存在し、任意の集合$${t}$$について $${A(t) \leftrightarrow t \in \{x:A(x) \} }$$が成立する。素朴包括原理によって導かれる素朴集合論は、直感的かつ既知の数学理論を包括的に展開できるという点で最も強力な理論と言える。しかし、欠点も存在する。それはパラドックスを含み、その結果として矛盾することである。実際、集合$${r}$$を$${ \{x \colon (x \not \in x) \} }$$と定義し、論理式$${R}$$を$${r \in r}$$とすると、$${ R \leftrightarrow \lnot R}$$ という結論が導かれる。これがラッセルのパラドックスとして知られる逆理である。
ラッセルのパラドックスおよび類似のパラドックスは、フレーゲの論理主義のプログラムやカントールの素朴集合論を崩壊させたとされ、その解決の試みを通じて数学の基礎に対する多くの洞察がもたらされた。したがって、パラドックスが解消された後も、それについて考察する価値がある。
以上のように、本講演では、ラッセルのパラドックスおよびその原因をより明確に理解することを目指し、純粋に形式的かつ論理学的に検討する。
予備知識
簡単な集合論 (数学科1回生程度)
シークエント計算の推論規則を知っていること
カット消去定理の主張がわかること
カット消去定理については過去の講義動画から予習いただけます。
開催日時
04/13(土)16時から
タイムテーブル
15:50 開場
16:00 開会と論計舎の紹介
16:15 講師講演「ラッセルのパラドックスを検討する」(90分)
17:45 質疑応答
18:00 論計舎からの案内と質問相談会
18:30 閉会
参加
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募集
リスナー
途中の入退室は自由ですので、お気軽にご参加ください。
質問・相談会について
数理論理学および理論計算機科学に関する質問や論計舎のサービスに関する相談を受け付けます。
質問・相談の時間帯では論と計の科学の内容的に踏み込んだ部分から「数理論理学・計算機科学ってなに/どう学んだらいいのといった全体的なものまで質問を受け付けるとともに論計舎の受講に関する様々な質問・相談も募集しております。
数理論理学と計算機科学のオンライン私塾論計舎の代表。論と計の科学についての情報を発信していく予定です。