『HRBP CRUNCH #04 HRがビジネスパートナーになる方法』イベントメモ
1月22日、DeNAさんが開催するイベント『HRBP CRUNCH』の第4回に参加してきました。
今回のテーマは「HRがビジネスパートナーになる方法」。GEヘルスケア・ジャパンの桜庭さんとDeNAの菅原さんがそれぞれの考えるHRBPについてお話されたうえで、お二人のパネルディスカッション(QA)がありました。
以前、SELECKの桜庭さんの記事を読んでお話聞きたいと思っていたので、マスト参加でした。
GEヘルスケア・ジャパンのHRBPについて
GEのHRBPについて
GEヘルスケア・ジャパン株式会社
執行役員 人事本部長
桜庭 理奈氏
-HRBPとは?
-人の可能性をアクティベートし
-人的資産を運用するプロフェッショナルとして
-事業の持続的成長と進化に貢献する
-経営判断をする上でなくてはならない対等な相棒
自分メモ:人、事業、経営のそれぞれの観点が必要、持続的成長と進化がキーワード、相棒(パートナー)であり受け身な体制ではいけない。
-今の時代に求められるHRの役割を語る前に
-産業の変遷
-事業モデルの変遷
-組織の変遷
-求められるリーダーの役割の変遷
-産業の変遷
引用:https://ai.brainpad.co.jp/1904/
-事業モデルの変遷
引用:https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1011/15/news001.html
自分メモ:産業の在り方が変われば、事業の成功の定義も変わる、事業成功に向けた組織の作り方も変わる、人的資産の活用方法も変わる
-求められるリーダーの役割の変遷
-タスク管理型マネージャーから、サーヴァント型ピープルリーダーへ
-ビジネスのゴールは、市場において持続的に勝ち続けること
-HRのゴールは一人ひとりのチームメンバーのエンゲージメントを高め、高いパフォーマンスをあげ続ける組織を作り、結果を出し続けること
-迷った時にHRに問うべきクエスチョン
自分メモ:人事はつい目先にやることに追われ短期視点になりがち。いかに市場変化を見据えた長期視点を持ちながらも、短期と長期のバランスをとれるのか。
-GEヘルスケア・ジャパンのHRチーム体制について(2020年1月時点)
-HRBPとしてのファーストステップ
-ビジネスの洞察力と決断力を養う
-ファイナンス知識:PL、売上、利益率、変動費あたりだけおさえておく
-ピープルリーダー(チームを持つリーダー)を品格あるリーダーとして育てるべくコーチングを行う
-HRBPにまつわる測定指標を開発し活用する
-ワークフォースマネジメントのプロとして戦略的解決策を提供する
-非現実的な解決案を提案しても実装できない
-「守り」の法務、ガバナンス、法令遵守にかかる知識やオペレーションに関する知見
-桜庭さんの考えるHRBP
-これまで話してきた内容は「現段階での桜庭さんが考えるHRBPの定義」
-OSをアップデートしないままアプリを増やしてもしょうがない。HRとしてのOSをアップデートし続けよう
DeNAのHRBPについて
株式会社ディー・エヌ・エー
ゲーム・エンターテインメント事業本部 組織開発部 部長
菅原 啓太氏
-DeNAのHRBP体制
-DeNAのHRBPの業務範囲(ウルリッチの4分類)
-戦略パートナーだけではなく、変革エージェント、従業員チャンピオンも担っている
自分メモ:一般的な人事のイメージ→管理エキスパート、なんとなくのHRBPイメージ→戦略パートナー。組織を変革する役割、従業員の代表としての役割も担わなければいけない。
-DeNAのHRBPに求められること
-事業・経営観点において伍する難易度が高い
自分メモ:経営者、事業責任者と同等レベルで経営や事業のことを理解していないといけない。これはめちゃくちゃハードル高い。
-HRがビジネスパートナーになるための要点
-HRBPアンチパターン
自分メモ:これは陥りがちなので普段から要注意。「人事としてやるべきことはやっている」「従業員一人ひとりと向き合っている」からいいのではなく、事業が伸びていないければHRBPとしてやるべきことは果たしきれていない。
-How To Learn
-事業知識、事業コミット、コトに向かう→いかに身につけるか?
-事業知識:事業部の人事的「御用聞き」を通じて、儲けのカラクリ=ビジネスモデルを理解する。ビジネスモデルは顧客価値、利益方程式、経営資源、業務プロセスの4つをおさえる
自分メモ:自分がやりたいことではなく、まずは現場の御用聞きを通じて、経営が、事業リーダーが求めていることをいかに実行していけるか。できることを増やしていくなかで経営や事業への理解を深めていく。
-HRBPへのロードマップ
QAタイム
Q:HRBPとして成功しやすい型(スキル、経験、キャリア、性格、思考パターン等)はあるか?
桜庭さん
-①現場からの異動、②HR一筋の2パターン
-共通しているのはお金を稼ぐのが好き。儲けの仕組みを知るのが好き。
-足の長いビジネスか、短期で稼ぐビジネスが好きかの相性をみて配属
-事業リーダーとの相性
-愛情があることは大事
菅原さん
-DeNAのHRBPはHRジェネラリスト
-事業とHRのバランス
-尖っている人よりもマルチなタイプの人の方が相性いい
-マルチタスクできることと、頭のスイッチ切り替えができる人
Q:事業サイドと対等なパートナーとして、時期や成長を狙うにあたって、事業理解が事業(現場)と同程度必要。HRBP社員全員に対してどのような取り組みを行っているか
桜庭さん
事業のキックオフに参加する。呼ばれていないのであればそこに呼ばれるネタをもって忍び込む。あとは事業部長、ファイナンス、人事、社長で月一レビューを行っている。HRBPは自分の担当事業に同席していて、発言を求められる。
Q:社内でHRBPを立ち上げる際、その必要性をどのように事業部側に理解してもらうのがいいか
菅原さん
立ち上げ当時は事業部側にいた。「これなんですか?」って言う立場だった。HRBPになった時に自分が事業リーダーだった時やってほしかったことから取り組んだ。
桜庭さん
事業が求めてないものはやる必要ない。経営にまつわるちょっと困っていることを聞きにいってみる。経営者は必ず人・組織・リーダーで困っている。それを一緒に解決してあげることを通じて、後付でHRBPと名付ければいい。「HRBP」みたいなバズワードではなく、事業リーダーの人や組織にまつわる痛みを分かち合い一緒に解決していく、それを共通言語とするべき。
Q:HRBPの一人あたりの担当人数は
菅原さん
一般論では150-200名につき1人HRBPいるとバリューがでてくる。DeNAはHRBP1人につき200-300名でやや負担が大きいかも。
桜庭さん
HRBP1人につき、20-30名のチームリーダーを担当。HRBPが全員をみなくてもいいようにworkdayをいれて人事情報へのアクセシビリティを高めようとしている
Q:HRBPのセンスとは
菅原さん
↓ここにある、あまりピンとこない内容をみて気付けるか、考えられるか
Q:HRBPとしてのハードシングス
桜庭さん
シンガポールと日本で全然評価が違った。日本メンバーからは信頼できる、包容力がある、言ったことをやってくれるなど評価高かった。一方、シンガポールに行った時はメンバーからもっとグイッときてほしい、本音で話していない気がする、自分の意見があるのかわからないなど物足りないとの評価だった。この経験からシンガポールでスタンスかえて日本に戻ったら、アグレッシブ過ぎる、意見言い過ぎなど逆の評価になった。事業リーダーが変われば、求められるHRBPの在り方も変わる。
菅原さん
自分が事業リーダーだったので、自分がやったほうが早いと思ったり、つい口出ししたくなってしまう。コーチングモードに入ってコミュニケーションをとる。言ったら早いけど言えないもどかしさはある。
Q:HRBPメンバーに積ませたい経験は?育成について
桜庭さん
フィードバックのフレームワークがある。チームのタッチポイント。3時間くらいかけてチームメンバーが桜庭さんのイケてることイケてないこと、チームとしてこうしていきたいというのを全部書きだしてもらっている。これをやられる側は怖いし気が重い。フィードバックを通じてお互いが学び合っている。
まとめ
ずっと前からHRBP体制をやってきたGEヘルスケアさん、この数年でHRBP体制を導入して色々取り組んできたDeNAさん。それぞれ共通するところもあれば、ユニークなところもあった。
事業モデルやフェーズ、経営や事業リーダーのカルチャーなどの違いによって「HRBPの在るべき姿」は変わるものだし、正解はなければ、今後も変わっていく。
その前提に立脚しつつ、今の組織において事業リーダーが求めることはなにか、数年後の未来を見据えた時にどう立ち振る舞うべきかを考え、行動し続けること、事業成長をHR観点から実現していくこと。
ハードルは高いけどこれ出来る人材になったらめちゃくちゃHRの仕事面白いだろうな。
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