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シェアオフィスインタビュー~INTILAQ東北イノベーションセンターにて~

こんばんは。賛否両論のある東京オリンピック開幕まで1か月をきりましたが、どのようなオリンピックになるのでしょうか。
インターンの八田です。


2021/6/2のnote記事 オススメシェアオフィス(宮城県編)にて、「近々シェアオフィスのインタビューも企画しています。」とお伝えしておりましたが、この度兼ねてよりお付き合いのあったINTILAQ東北イノベーションセンターのご協力を得ることができ、感染症対策を十分に講じた上で実施することができました。


これまでは、シェアオフィスの場所や機能などを短くまとめて紹介してきましたが、今回はそのインタビューを通じてシェアオフィスやコワーキングスペースを利用することでどのような支援を受けられるのかをみなさんにお伝えします。この記事を読んでいただくことで、起業やスタートアップを支援している環境や団体があるということを知っていただけると思います。


ーINTILAQ東北イノベーションセンターとは

INTILAQ東北イノベーションセンターへは、仙台駅から地下鉄東西線・荒井行きに乗車し、東へ向かいます。仙台駅から最寄り駅である卸町駅までは4駅・9分です。卸町駅の北1出口から徒歩で5分程度です。卸町はその名の通り、卸売業の町です。
外観はこんな感じです。ちなみにINTILAQは、アラビア語で「立ち上げ」を意味します。
なぜアラビア語なのかというと、INTILAQ東北イノベーションセンターは、震災復興支援プロジェクトの1つであるカタールフレンド基金によって、永続的な復興のために「起業家育成」のために設立されたからです。


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今回は、センター長の佐々木さんにインタビューをさせていただきました。


ー東北地方の起業環境とINTILAQ東北イノベーションセンターの取り組み

ー 本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、現在の東北の起業の環境や起業家の特徴についてどう感じていますか?

東北地方は課題先進地と言われるように、高齢化、人口減少、不登校など多くの社会課題を抱えています。社会課題は、起業を考えている人や経営者のビジョンやマインドに影響するものだと思っています。なぜなら、東北地方の起業家は、東北地方の出身者が多く、自分たちの生まれ育った町の創生に貢献したいと思っていることが多いからです。さらには、これらの社会課題は、東北らしさでもあるため、逆にこれを活かした形で起業家の育成や支援を行っていきたいと思っています。


ー 現在INTILAQ東北イノベーションセンターではどのような活動を行っているのでしょうか?

東北地方にて、「東北から世界へ、「おこす人」の集まる場」をテーマに、レクチャーやワークショップ、さらにはハンズオン支援など、総合的にイノベーションの創出と起業家育成・支援を行っています。
設立当初から目標は、老若男女を問わないスタートアップエコシステムの創出です。3Dプリンターやレーザーカッターを備えたファブスペースや、映像の収録、編集、インターネット配信が行えるスタジオを活かし、様々な種類のイベントをすべての層に向けて実施しています。

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ファブスペースにある3Dプリンターと3Dプリンターで作ったうさぎの模型

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配信用や撮影用の機器が用意されたスタジオ


その結果5年が経ち、プログラムの卒業生を、現在のプログラム受講生のメンターにすることができ、ようやくスタートアップエコシステムの形ができ始めてきたと感じています。
しかしながら、最近ようやく、学生など若い層の起業家もでてきましたが、まだまだごく一部だけにとどまっていることに課題感を感じています。


ー 確かに、東北地方の復興や繁栄のためには社会課題の解決は避けて通れない問題ですね。また、佐々木さんのおっしゃる通り学生や若者にとって、進学や就職のタイミングで起業という選択肢を持つ人はほとんどいないことは事実だと思います。また、ある学生が起業という選択肢を考えていたとしても、周りの環境や友人はそのような考えを持っているはずもなく、周りから浮いてしまったり、学校や家族からの協力や理解が得られないことが多いそうです。やはりこれは日本人の国民性で、出る杭は打たれるというやつですね。



ー起業をもっと身近な世界に

ー もっと多くの若者に起業という選択をしてもらうために必要なことは何だとお考えですか?

若者が学生のときや、卒業時、転職時などに、起業という選択肢を持つことを一般的にするためには、大学生からの意識改革では遅いと思っています。というのも学生起業へ向けたアクセラレーションプログラムの対象のほとんど全てが大学生です。実際、東北地方の大学などでイベントを行っていることは知っていますが、INTILAQ東北イノベーションセンター以外に、高校生や小中学生向けになにか行っているということは聞いたことがありません。
もっと幼い時期から意識やビジョンを変えてあげないと、チャレンジする人がいなくなってしまうという危機感があり、そこの改善をなくしては永続的な繁栄に繋げることができないと感じています。そのためには、今社会やコミュニティーで当たり前ではないと思っている起業ということについて知ってもらうことから始める必要があります。


ー起業家や起業を検討している方の相談に乗る上で、大事にしていることはありますか?

ビジョン形成を一番大切にしています。自身の想いや考え、理想を他の人に伝えるためには言語化することが重要ですので、まずはどのようにビジョンを形成したのかを知ってもらうために、実施しているイベントでは、ゲストスピーカーにビジョンや原体験について語ってもらっています。
また、起業へのチャレンジのハードルをさげるために、可能性を感じさせる身近なロールモデルを発見してもらうということを意識しています。例えば、親戚や同級生、知人などで、一般的に優れた経歴を持っていなくとも起業した人です。
起業は、会社経営であり、ビジネスだと難しく考えすぎてしまうため、しり込みしているように感じています。
そこを解消するために、また最初の一歩を踏み出すための支援として、あえて掘り下げず、どんなことをなぜしたいのか、かみ砕くということを行っています。


ー 幼い頃からの意識形成や啓蒙活動が大切だということに非常に共感しています。やはり、一度身に付いた習慣や考え方を変えることはなかなか難しく、何も知らないまっさらな状態で新しいことを知る方が圧倒的に効果的だと思います。私自身も今だからこそ、小さい時にそのような機会があればなと思っています。
また、自分の知り合いや同級生にロールモデルを見つけられると、起業に親近感を覚える人が増え、チャレンジのハードルをさげることができると思います。難しく考えすぎる必要はないということですね。


ーコロナ禍における変化

ー ようやくワクチン接種が進み始めましたが、コロナの影響により、イベントの開催や起業家たちの動向はどう変化しましたか?


やはり、今まで対面で人と会うことが当たり前だった中で、オンラインになって寂しいと感じることが多いですね。
ただ、コロナがあったからこそ気づいたこともありました。遠く離れた人と対面で会うには、特に東北では移動時間が必要となり、頻繁にお話をする機会がなかなか得られなかったのですが、オンラインによるコミュニケーション手段が普及したことにより、遠方の人とコンタクトが取りやすくなりました。
それにともない、イベントに海外のゲストを呼ぶことが容易になったため、海外のゲストスピーカーに登壇してもらうことが多くなりました。彼らのビジョンや原体験を語ってもらえることはリモート技術が普及した大きなメリットだと捉えています。

また最近では、少し感染者数が落ち着いてきたこともあり、リアルで会いたいというニーズが高まっています。これを受けて、INTILAQ東北イノベーションセンターの最大の特徴とも言える階段のイベントスペースを利用し、ハイブリッド型のイベントを開催しています。


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劇場型のイベントスペース


ーINTILAQ東北イノベーションセンターは今年の2月で設立5周年を迎えています。東北の起業家支援に携わってきた佐々木さんからみて、東北の起業環境の変化について感じることはありますか?

この5年間で、東北でも起業家支援や育成を行う団体や企業はかなり増えたと思います。しかしながら、支援体制は厚くなっているのに対し、起業に挑戦しようとするチャレンジャーが増えていないと感じています。
サポートする側の方が多くなっており、イベントの運営側が参加者を探している状況であるといえます。この点を解決するためにも、小中学生向けのプログラムの実施に力を入れています。


ー日本のスタートアップにとって、シリコンバレーと筆頭とする海外の動向は大変参考になるので、より経験や知識が豊富な海外のゲストスピーカーに登壇してもらうことは、非常に価値のあることですね。
また、MAKOTOキャピタルの運営する東北大学スタートアップガレージ会津大学の座談会でも学生に、どのようにすれば気軽に参加できるイベントになるのかが課題の1つです。

ー最後に

ー 起業を考えている人や、未来の東北を担う若者にメッセージをお願いします。

まず何か動こう。行動に移そう。どう行動すればいいのかわからないと思う人もいるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。
私のオススメは、毎日の通勤通学ルートを変えることです。
そうすることで、新しい発見があります。住んでいる町のこと、職場や学校のある町のこと、そこにあるお店、町の雰囲気などです。
これこそが、誰でも簡単にできる最初の一歩だと考えています。
何か新しいことに挑戦しようとしている人、新しいことや他の人と違うことをやることになかなか行動に移せずにいる人はぜひこれから実践してみてください。


ー本日はありがとうございました。MAKOTOキャピタルも東北地方の企業への投資事業アクセラレーションプログラムを通じて、東北地方の発展のため頑張っていきますので、一緒に頑張っていきましょう!



INTILAQ東北イノベーションセンター センター長
佐々木 大氏(ささき ひろし)

キャプチャ

留学コンサルタント・衆議院秘書・経営者等経て、東日本大震災の復興プロジェクトを機にINTILAQ東北イノベーションセンターのセンター長に就任。センター長就任当時、週末の出張ベースで起業家支援を行っていたが、地域住民や起業家や、在東北の企業と本当の意味でいい関係を築き、起業家支援を通じて復興に尽力するため仙台に移住。


詳細情報     
住所    : 宮城県仙台市若林区卸町2-9-1
アクセス  : 仙台地下鉄東西線卸町駅から徒歩5分(約400m)
営業時間  : 9:00〜21:00(平日) 9:00〜18:00(土曜)
電話番号  : 022-357-0543
ホームページ: https://intilaq.jp/
Facebook    : https://www.facebook.com/intilaqtohokuinnovationcenterお問合せ先 :   022-357-0543、info@intilaq.jp


今回は、仙台にあるINTILAQ東北イノベーションセンター訪問させて頂き、センター長である佐々木さんに取り組み内容や東北の起業環境についてインタビューさせていただきました。
MAKOTOキャピタルは、投資相談や起業相談を行っておりますが、INTILAQ東北イノベーションセンターではイベントの開催や、同じ志を持つ仲間たちと出会える場所を提供してくれています。



恵まれたこの環境を活かし、東北の永続的な繁栄のためにともに頑張っていきましょう!
MAKOTOキャピタルは、東北地方の起業家、スタートアップ、企業様をご支援を致しております。

問合せ先    :capital@mkto.org

担当:八田
2021年6月23日
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株式会社MAKOTOキャピタル(Makoto Capital Inc)
所在地:宮城県仙台市 代表取締役:福留秀基
ホームページ  : https://mkto-capital.jp/
Twitter     : https://twitter.com/MakotoCapital
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