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Aさんと、私に憑くもの2「深夜の男女」

以前のお話「不思議体験「悪霊(?)と守護霊」」に登場したAさんとは、私が二十歳の時に友人の紹介で知り合いました。

Aさんは霊感が強く、これまでに様々なモノを見てきたそうで、私と関わってからもいろんな体験をしたそうです。
その中で、いくつか教えてもらった話があります。

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ある夜、Aさんが打合せ帰りに私のアパートに寄り、お土産を持ってきてくれました。
その日、打合せの後、取引先と一緒に相撲を見に行き、そのお土産をお裾分けしてくれたのです。
Aさんが来た時間は夜11時ごろ、学校であった事や勉強のレポートの話などをしていたらAさんは終電を逃してしまったため、2駅先の自宅まで歩いて帰る事になりました。


Aさんがアパートを出て以降の話は、数日後にお叱りとともに教えてくれました。


アパートのすぐ近くにある駅近くで2メートル程先を歩く男女が見えたそうです。
背が低めの女性と、180センチ以上はある細い男のようなシルエット。
街灯でその存在をはっきりと確認するが、どうも人間らしくない雰囲気だったので関わりたくはなかったそうですが、この男女は何なのか、確かめようと後をつけたそうです。
しばらくすると、その男女のシルエットは駅に続く左の道に曲がりました。Aさんは2人を見失わないようすぐに走って左の道に入りましたが、男女はいなくなっていました。
その道は下へ降りる階段になっていて道の両側は高い塀になっており、隠れられるようなところはありません。また、階段を下りた先は見渡しのよい開けた道路で、たとえ道路に出てしまっていたとしても見つけられそうなものなのですが、
階段にも、その先の道路をしばらく探しても見つからなかったそうです。



「ところで。」

「は‥はい。」

「もしかして君は、最近、背の高い男と出掛けなかったか?」

「へ?」

「しかも夜中に」

「…あ…」

「あの男女は、人間らしくない雰囲気だったけど、幽霊っていう感じもしなかった。女の方は、何となく君のような感じがしたんだよ。」


この当時ビデオ屋で夜中1時ごろまでバイトをしていたのですが、バイトが終わって家に着いたら必ず電話かメールで報告するように言われていました。
実家を遠く離れた女の子の一人暮らしで、夜中遅くに自転車で人気のない道を行き来して犯罪に巻き込まれては大変と、とても心配してくれいていたのです。
実は、Aさんがアパートに寄った日の少し前に、バイト帰りに185センチと背の高い細めの男性と二人で深夜のドライブに出かけました。
Aさんに「家に着いたからこれから寝ます」とメールをした後、内緒で出掛けたのです。

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この後、嘘をついたこと、人に心配をかけた事など、たんまりとお叱りを頂戴しました。

あぁ、もうこの人には嘘をつけないなと思いました。
実は、この他にも、過去に関係のあった男性の名前を当てられたり、Aさんに嘘をついて出掛けたコースを、まるで見てきたかのように辿られたり、Aさんが知りようもない私の実家の部屋の様子を見事に当てたりしました。
「その人にチャンネルを合わせると、その人が体験してきた事がみえる」というのをどこかで聞いたことがあるけど、Aさんもそれができる人です。
Aさんは、「こんな能力ないほうがいい」と言っていました。「知りたくもない事を知ってしまうんだから」と。

今回Aさんが体験した話は、Aさんを欺いた私にとってとても怖い話でした。

最後まで読んでくださってありがとうございます! ありがたく頂戴いたします!