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あくぺこ並走は神の領域へ


よく、囲碁とか将棋の名勝負を指して「一人では作れない芸術」というような言い方をしたりしますが、まさに今回のあくぺこ並走対決は二人の名プレイヤーによる「神の棋譜」でした。
何が神だったか、二人が共通して持つ4つの観点から見ていきたいと思います。

①煽り

ぺこーらが企画する並走対決ではおなじみの「煽り合い」
一見簡単そうに見えて、煽りの「温度感」や「タイミング」、「パターンの豊富さ」等自分自身がゲームを真剣にやりつつ、これらを考慮して「煽る」という行為は相当な技術とセンスが必要だと思います。
しかし、元々「煽る力」と「煽られる力」の両方を兼ね備え、しかも「イキりがち」という近い属性を持っている二人にとって、この「煽り合い」のシステムはばっちりはまっていました。
そもそも兎田ぺこらの狙いとして、並走対決を行う相手を基本的に「自分よりゲームが上手い(と、本人が感じている)人」に定めているように思います。それは、自分がゲームの練度で格下であることを利用して煽ることへのハードルを下げ、「下から吠える」という構図を作り、「煽り合い」を通じて配信の展開を分かりやすくする効果を見込んでいるのでしょう。
ぺこーらは今回の企画のように配信中に「展開を作る」能力がずば抜けているので、マイクラ等自由なゲームで大活躍する印象が強いです。
企画の方向性とプレイヤーの属性、そしてゲームの実力が拮抗したことも相まって、煽ったら煽り返されのシーソーゲームが続く展開はまさに神でした。

②負けず嫌い

個人的には二人が最も似ていると思うところがこの「負けず嫌い」の部分だと感じます。
元々、1日で終了する予定の配信を2人の「負けず嫌い度」が一致したことにより時間延長・そして2日目まで対決が持ち越されることになります。
まず、その展開が見ている方としては激熱なのですが、特にあくあの「これさ、橋行きたくね?」の発言とそれに即答で「行きたい!」と応えるぺこらの会話から始まるその日の時間延長を決断するシーンは、2人のシンクロ率が強く確認できる上に、リスナーの熱量を維持したまま配信の最後の最後まで面白くしようとする2人のプロ意識が見られる今回の並走対決屈指の名シーンです。

③戦友

「煽り合い」の1日目から一転、2日目の対決は「お互い頑張ろう」という空気感が漂います。これ、どこまで二人で事前に打ち合わせたか分かりませんが、見ている方としては1日目の「拮抗した戦い」と「落ちる苦しみ」を共有した2人に戦友としての意識が芽生え、自然とそういう感情をお互いに持ち始めた、というストーリーが見えて面白い部分でした。意図した・していないに関わらず、1日目との差別化がされていて展開としても美しいと思います。また、1日目の配信の出来が恐らく2人の中でもかなり満足のいくものだったっと推察されるので、1日目のように「配信を成立させなきゃ」というプレッシャーが少し抜けていたのも良い作用があったように感じます。
2人は似ていると言っても、兎田ぺこらは色んなジャンルのゲームを満遍なくやるタイプに対して、湊あくあは好きなゲームをとことんやり込むスタイルで、ゲームへの取り組み方という意味では少し方向性が違います。そんな2人が今回の対決で実力伯仲の戦いを見せたことで、ゲームを通じてどこかで「心が通った」と感じる要素になったのかもしれません。

④陰キャ

並走対決は結果的に兎田ぺこらの勝利で幕を閉じます。冗談のように「負けた方が一人で高尾さんに登る」という罰ゲームが掲げられており、普通にいけば「湊あくあが一人で高尾山に登る」で決定となりそうですが・・・ここで、突如としてぺこらから「自分が高尾山に一人で登る」という発言が飛び出します。これはあくまで私の妄想ですが、配信中ぺこーらからは「あくたんがいい勝負にしようとして優しさで手加減してくれているんじゃないか」という発言をしており(まずこの思考が「陰キャ」っぽくて素晴らしいんですが)、優しいあくたんに罰ゲームをやらせるのは心が痛い、でも、配信上罰ゲームは何かしないと終われない・・・そや!ぺこーらが高尾山行こう!、となったのではないか、と考えています。
そして、このぺこーらの提案に対して、一緒に高尾山行きたいけどハッキリと言う勇気のないあくたんという構図が出来上がり、似た者同士の陰キャ2人でありながら、それ故のこの噛み合わなさがたまらなく「てえてえ」かつ「面白い」ラストとなりました。


今回のような神回はいつでもやってくる訳ではありませんが、それを生み出すのはやはりコラボをする2人の名プレイヤーがいてこそだと思います。
これだけの配信をすると次回のプレッシャーもあるため、実現するかは分かりませんが次のあくぺこ配信を首を長くして待ちたいと思います。
是非、皆さんも元配信を見て「神の領域」を体験してください。

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