「美少女無罪♡パイレーツ」を聴くと泣いてしまう
ホロライブのVtuber「宝鐘マリン」が今年発表したオリジナルソングである「美少女無罪♡パイレーツ」は発表からわずか4ヶ月(執筆時点)で、MV動画が3200万再生を越えている超絶バズり楽曲ですが、曲調としては古き良き(?)アイドルもしくはアニメソングを彷彿とさせるもので、発表当初「コミカルでノれる楽しい曲だな」とはなったものの、この曲を聴いて「泣ける」とはなりませんでした。
それが、今ではこの曲を聴くと涙腺が緩んでしまうという摩訶不思議な現象が起きており、そしてこの原因はとりもなおさず、「宝鐘マリン」が何かのインタビューで(もはやそれがどこのインタビューだったかも忘れてしまいました)、この楽曲のテーマを「一味へのラブレター」と表現していたのを目撃してからです。
前提になるんですが、私はもちろん「宝鐘マリン」という人物の才能をめちゃくちゃ尊敬しているし、大好きですが、「ホロライブ箱推し」の傾向が強いので、特別「宝鐘マリン」を深く追っかけている訳ではございません。
なので、この「一味へのラブレター」の「一味」という言葉、いわゆるマリン船長を最推ししているファンに私自身が当てはまっているとは思いません。
それでも、この「一味へのラブレター」という言葉に込められた美しさにはとんでもなく心をうたれてしまいました。
曲調のキャッチーさに紛れていますが、歌詞の内容をよく聞くと、「宝鐘マリン」という人物は非常にネガティブな性格だというのが分かります。
『キュートは正義 美少女無罪
キミの一番目指してヨーソロー!
本当は自信ないけど頑張っちゃう』
一番のサビに至るまでで、自分に自信がなく、自虐を多用し、それでもひたむきに頑張ろうとする姿が曲の中では描かれています。
ホロライブの中でも「バズった曲が何曲」もあり、「地上波のTVにも出演」し、「多くのホロメンに尊敬されている」事実を持つ、「宝鐘マリン」が自分に自信が無いとはにわかには信じ難いですが、これは曲の中でのキャラクターではなく、まさに「宝鐘マリン」という人物の本質的なところを表現しており、そしてそれは配信を追っている「一味」にとっては、この曲を聴く前から当然のように理解している部分だと思います。
だからこそ、この曲は「一味へのラブレター」足り得るのだと思います。
『ハートにチャーム 美少女無罪
あれあれどーした ?
めんどくさいよなんて言っちゃって
かまってくれるキミが好き』
そして、「一味」が「宝鐘マリン」を理解しているように、「宝鐘マリン」も「一味」を理解していることが、二番のサビではハッキリと語られます。
「一味」が配信のノリで「宝鐘マリン」をめんどくさい、だのとイジっている奥で、自分に自信のない「宝鐘マリン」の本質をキチンと理解しているということを誰よりも分かってくれているのが「宝鐘マリン」その人であるというのは、ファンにとってどんなに幸せなことだろう、と本当に感動してしまうのです。
そして、この「お互いのことを分かっている」という確認作業をめちゃくちゃポップでキャッチーな曲に乗せて、「一味」にしか分からないようにこっそり伝えているというのが、この「美少女♡無罪パイレーツ」であり、「一味へのラブレター」なのだと思います。
私は「美少女♡無罪パイレーツ」の中で表現されている、アイドルとファンの関係性が最も美しいのではないかと感じさせらたからこそ、泣いてしまうのだと思います。特に曲を聴いて感情が込み上げるのは基本的には「共感性」から来るもので、涙の内容を分析すると「一味の思いが伝わって良かったね😭」なのだと思います。そしてもちろん、こんなハイセンスな形でその想いを伝えてくれる「宝鐘マリン」という人物を推していて良かったね、という一体何様なのかも分からない「一味」への引いては、ホロライブのファンである自分自身への「良かったね」なのかもしれません。
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