「偶然の科学」(読書メモ)
なんで読んだか
著者のダンカン・ワッツさんのことを学部生時代の研究関連で知っていたから興味が沸いて購入.
因みに,ダンカン・ワッツさんについては「スモールワールドネットワーク」,「複雑ネットワーク科学」といったキーワードで検索してみるといろいろ出ると思う.
とても面白い研究分野なので是非検索してみて欲しい.
概要
ダンカンワッツさんは複雑系科学というような分野の研究者だが,この本は複雑系社会学についての本である.
社会と経済の偶然のメカニズムを知ることで,予測可能な未来を広げよう!みたいな趣旨である.
世界で一般的に行われている社会における予測は直感や常識で意味付けした偽りの部分が多いということが本の中で色んな実例を基に語られている.
読んで自分の何が変わったか
単なる連続的な事象を因果関係として認識してしまうことが今まであったことを自覚し,事柄同士の関係性を慎重に見定めるようになった.
自身で事業立ち上げに取り組んでいると,検証前にターゲット層の仮定をして,様々な仮定をしてから事業検証に移ることになるが,だいたいの場合においてそれら仮定は間違っていることに気づく.
予測の精度はもちろん個の技量や経験に左右されるが,人の行動の予測というのは多大な複雑性を持っており,計画段階で多大なリソースを注ぎすぎるのは無駄が多いことからも体感したことである.
結果を知ったうえで,その過程を評価していないかどうかは本当に気を付けたほうが良いと思った.
ほとんど同じ計画,予測を行ったとしてもほんの小さな偶然によって結果が上手くいったり,失敗したりする.
その要因を結果が割った時点で評価してもその評価には「意味がない」のである.
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