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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—

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『定本版 李箱全集』を日本で出版すべく、その重要過程である定本作業を記録するマガジン。
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2024年1月の記事一覧

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十五回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十五回〉

 2024年1月24日午後3時

ソウル地下鉄2号線市庁駅11番出口すぐ TWO SOME PLASEにて

 パク先生とお会いした。私が原典資料をローラー作戦でネットを徘徊しているうちに、たどり着いた資料アーカイブの代表者の方である。李箱文学研究学会で何人かの先生とお会いしたものの、自分でメールを送り、何度も誤字がないか、失礼がないか確認して、期待してはいけない返信に緊張しながら会う約束まで漕ぎ

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十四回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十四回〉

 そろそろ早くテキストの確認作業を全部済ませて、印刷して再確認しないといけない。

1931年 鳥瞰図
1931年 三次角設計図
1933年5,6,7,8,10,11,12月掲載 巻頭言

 机の前に座って、気がついたら時間が経ってる日が続いていて、全然進まない。多分、資料調査は少し進めていたと思うが、具体的には覚えていない。その間、何をしているのかあんまり覚えていない。記憶が曖昧な仕事の整理もし

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十三回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十三回〉

 昨日は4時まで起きていた。映画の感想文を書きたくなって没頭したらそんなことになった。起きたのは9時55分。遅い。10分で家を出た。
 最近は、下宿先でしゃもじ二掬い分のご飯をラップに包んで、図書館の最寄り瑞草駅の地上に出たら、すみっこぐらしのふりかけをかけて食べながら歩くことにした。そうすることで、朝ごはんを取れるし、ご飯に注ぐ感情や時間も極限まで減らすことができると気がついた。いちごジャムを塗

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十二回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十二回〉

 今日から本格的に「三次角設計図」の計測&テキストデータ作成に取り掛かることになった。

 まだ「鳥瞰図」の確認や微調整、巻頭言1933年分の確認は終わっていないので、色々と同時並行になる。

今日は

10時半〜12時 定本作業日誌執筆(第三十一回分)
12時〜17時半 「三次角設計図」一頁と少し
行き帰りの電車内 トレース作業
※ちなみに『朝鮮と建築』に掲載されていた李箱のテキストはすべて日本

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十一回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十一回〉

 今週はバイトが2日しかなかったので作業をがつがつ進めた。

1月8日(月) 図書館休みのため自宅作業
1月9日(火) 図書館作業
1月10日(水) バイト→自宅作業 
1月11日(木) 図書館作業
1月12日(金)図書館作業

という今週のスケジュール。

 先週まで頻発していた視界が歪んで文字が踊り出すような症状は、消滅こそしないものの落ち着いてきた。
 落ち着いてきたといっても気がつけば治っ

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第三十回〉

 昨日と今日はバイトが10時〜16時まであったので、図書館には行けていない。しかし、図書館に行けない日のために作業を準備しているので家に帰ってもやる作業は山程ある。

 昨日今日で終わった作業は

 確認した際、誤字脱字はなかったが、フォント調整やかたちの調整においてはそれなりの箇所を改善した。
 実際に作成したデータを用いて、かたちの調整とは具体的に記してみよう。

「おい 誰か灯をつけて呉れよ

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第二十九回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第二十九回〉

 昨日涙が止まらない状態で家路について、寝込んでいたのに今日も図書館にいる!図書館に来ると頭が動いて、作業ができて涙も止まる。精神的におかしいのは分かってるけど、だからと言ってやめる方がおかしいので、ペースを考えながらやっていこう。健康が一番。
 この定本作業日誌は基本的にどんよりした空気で、もうちょっと明るいことも書きたいなあとか、あまり正直にどんよりさを書き出しても自己憐憫に浸るなと叱られそう

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第二十八回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第二十八回〉

 先週はアルバイトが多いなか、出勤日以外は図書館に行き定本作業を進めた。その結果、現在出来上がったテキストデータは 

 という現状である。しかし最近、『朝鮮と建築』で使用していた活版印刷のフォントにより近いフォントを新たに見つけたため、その変更作業が必要になった。もう少し調べておけば、こんな二度手間はなかったのに…ということが多すぎる。しかしそのフォントの難点では現在使用しているフォントと違い、

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