見出し画像

【読んだ本まとめ】「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

会社から幼稚園の役員会に至るまで、組織というものについて「あるある!集団になるとこうなっちゃうよね!」と頷きまくりの本書でした。

日本軍の失敗を、組織としてどこが問題だったのか解説し、その問題点が日本人の気質として日本企業にも共通していることを指摘しています。

特に刺さったポイントをいくつか。

・日本軍は「戦術」には長けていたが、どの戦いに勝てば最終的な勝利につながるのか道筋を描き効率よく戦う「戦略」の視点が圧倒的に欠けていた

➡️会社でも自分の生き方でも、これ、感じてしまいます。「短期的に何をするか」については考えるしベストを尽くせるんですけど、最終的にゴールはどこなのか?最短ルートはどこか?はなぜか考えにくい。

・厳しい鍛錬で「名人」を作ることを重視してしまい、誰でも出来る仕組みを採用することを軽視する

➡️アメリカは「スキルの低いパイロットでも当たるようにレーダーで敵を察知するシステム」を重視したのに対して、日本軍はパイロットのスキルを高めることや人が暗闇でも遠くまで見るような訓練をしたそうです。

現代に生きる私たちからすると、「そんなのその人が戦死しちゃったら、終わりじゃん」と感じることができますが、当時はそうもいかなかったでしょうね。確かに一生懸命に技を極めることには美学を感じてしまいます。

日本も実は一部の研究者は敵を察知するレーダーの重要性を理解しており、実際にレーダーの部品の技術は日本も優れていたと言う部分を読んで唖然としてしまいました。しかし日本軍の中央部はレーダーを軽視しており、現場の意見を聞き入れなかったそうです。会社でも全く同じことが起きてます。。。

・日本軍は現場の意見を取り入れず、中央部が都合の良い情報ばかりを信じ、「空気」で意思決定していた。対してアメリカ軍は現場と中央の人間を定期的に入れ替え、また戦果をその後の人事に反映していた。日本軍はインパール作戦など杜撰で大失敗に終わった作戦の指揮者さえも要職に残った。

➡️「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」ですね。確かに現場の耳の痛い情報を上層部に報告しづらい空気は会社にもあります。

最近読んだ別の本「異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 エリン・メイヤー」で、日本企業はボトムアップ型の「稟議」というシステムを持っており、組織の下からの提案が多数の人間の承認を通って上まで届く、と客観的に解説されていました。

純ジャパとしては「それ日本独自なの!?」と軽く驚きましたが、こういったボトムアップの仕組みでもないと、上層部は現場を見て判断なんてできないからなのかな?と思ってしまいました。

まとめ: 戦略を持たず、個別の鍛錬や我慢には長けているが、都合のいいことだけを信じてしまい、トップと現場が乖離しやすいのが日本の組織。自分はそうならないように意識していきたい。

👇有名YouTuberサラタメさんの動画をみて本書を手に取りました。サラタメさんのテンポ良いまとめは秀逸!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?