黒澤明監督作品『わが青春に悔いなし』1946年
先ほど鑑賞し、この戦前、戦中の『思想弾圧』の話は今に通じる空気感だ…と思っていたところ、共感できたレヴューがあったので
紹介します。
以下はわたしの雑談です。
今年も黒澤明監督の作品を見て行きたい
溝口健二監督の作品を見て行きたい
市川崑監督の作品を見たい
ケン・ローチ監督の作品を見たい
手塚治虫の作品を読みたい
ナボコフの作品を読みたい
チェーホフの作品を読みたい
シェイクスピアも読みたい
監督、作家、作品群は大きな山ですが、
山登りをしていくイメージで、
一歩ずつ一歩ずつ、
歩いていこうかなと
思っています。
山に登って見る景色、世界は
やっぱり見たことのない世界になるでしょうし、分からなかったり重いテーマだったとしても、その道を進んでいく喜びってあると
思うんです。
満天の星空とか、谷間の花畑とか
やっと辿り着く湧水だとか
そんな嬉しさもあると思うんです。
さてこの黒澤明監督の『わが青春に悔いなし』は、京大滝川事件とゾルゲ事件を元に制作されたと読み、興味をもちました。
手塚治虫は、
アドルフに告ぐで、ゾルゲ事件のことも描きたかった、取材もしていたと聞き、ゾルゲ事件てなんだったのかなと心の片隅に気になっていました。
『わが青春に悔いなし』の主役は幸枝・原節子です。主人公が野毛という京大の学生運動から反戦の活動家になった男です。
自由主義者で、とりわけ「アカ」という単純な括りではないです。
時の政府は、都合の悪い思想を持つものを、
「アカ」とレッテルを貼り弾圧していたようです。
特高警察が美しい幸枝・原節子さんを張り倒すシーンが辛かったですが、
幸枝は、
やられればやられるほど、精神力が沸いてくる凄まじいガッツをみせてくれます。
愛に生きる女性の強さを見せてくれました。
胸がすっとします。すごいヒロインです。
野毛が、明日があるのか、ないのか、
そんな日々を
「顧みて悔いがない」ように生きようとするんです。重ねて思い浮かぶ人があり、泣いてしまいました。
「自由には犠牲と責任がある」
映画の中で繰り返えされるフレーズです。
獄中死する野毛と、愛するものを失い生きていかねばならぬ原節子を思うと
あまりに重い言葉です。
また、野毛は自分のしていることは、10年経ってやっと真相が分かるようなことだと言っていました。
色々な想いから涙が出る映画でした。
・農民たち、子どもたちが、スパイの妻だ!と幸枝・原節子を蔑む目でみたり、苦労した田植えの畑を荒らす場面があるんですが、そこがひとつの山場です。黒澤明監督の言いたいことのひとつは民衆の愚かさ、その悲しさだと思いました。
・束の間の野毛と幸枝の暮らしは笑顔いっぱいで、着物姿の原節子を野毛がバレリーナのようにふわっと抱き上げて廻るシーンがあり、目に焼き付いています。
誰にも奪われぬ人生の星の輝くような
幸せな瞬間。
とても素晴らしい、素敵な映画でした。✨
追記
憲法学者の樋口陽一先生は、日本国憲法は、戦前からの自由民権運動など、自由への思想、活動が連なり成立したと背景があることを書いたりお話されています。
この映画『わが青春に悔いなし』は、「治安維持法」の犠牲になった若者を描いています。
黒澤監督は、この日本において反戦、自由への闘いをした人たちを忘れるわけにはいかない。彼らあってこその戦後(新日本国憲法へ)なんだ、ということを伝えているのではないでしょうか。
自由というものは、戦後降って湧いたわけではなく、この日本においても、絶え間なく、人々に希求されてきた「願い」だったのではないでしょうか。
そんなメッセージを感じる映画でした。
憲法の勉強をしないといけませんね。。
さぁ、頑張りますか。
(わたしへ)
幸枝のガッツを忘れるな✨
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