乃木坂46メンバーの #わたしの乃木坂ベスト を集計してグラフにした
ベストアルバム『Time flies』発売に向けて毎日公開されていた乃木坂メンバーによる #わたしの乃木坂ベスト が、先日公開されたラスト・秋元真夏ちゃんの分をもってすべて出揃った。
このnote公開時点在籍メンバー37名が『Time flies』収録曲まで含めた全236曲から10曲ずつ選ぶということで、トップバッター遠藤さくらちゃんのプレイリストが公開された時から、しきりに注目していた次第である(選曲はもちろん、タイトルやコメントも個性に富んでいてとても魅力的)。
今回は、そんなメンバー自身によって選曲されたのべ370曲をデータとして取りまとめ、色々な切り口で集計してみた。
いざ並べてみると、なかなかどうして興味深い結果が得られたように思う。
さっそく以下からどうぞ。
※↑全メンバー分プレイリストをSpotify埋め込みでまとめました。お手元で開きつつ読み進めていただければ(文中でも必要に応じて載せます)。
前提共有
あらかじめ共有したいこととして、今回の乃木坂メンバーによる選曲は、単に「好き/よく聴く/思い入れがある」を基準にしていない、という点がある。
タイトルやコメントから分かる通り、個々人によって独自の基準を設け、それに沿った10曲が選ばれている(※もちろん思い入れが影響するケースもあり得る)。
そのため、全体に渡って「楽曲のメンバー人気が計れる」という意味を必ずしも持っていないことを強調しておきたい。その上で「支持を集めた」という表現に頼りつつまとめていく。
あと、各グラフ小さくて見辛いと思うので、是非タップからのピンチアウトで拡大して見てみてください。
#わたしの乃木坂ベスト 入りした数
楽曲から見た「どれだけプレイリスト入りされているか」をまとめた。要はランキングである。
一つ目は、「楽曲別」でまとめたものから。数が膨大なので、5回以上選ばれた上位のみ抜粋している。
※本note最下部に、プレイリスト入り数順の236曲一覧を画像で載せてます。そちらもご参考に。
11名に選ばれた1位は、『きっかけ』であった。この曲は、ライブでも印象的な場面で披露されるなど立ち位置的にも納得である。ピアノとストリングスを中心としつつバンドを根底にしたサウンドが印象的で、『君の名は希望』などに見られる「乃木坂曲」らしい特徴を携えている。リリース時期も2016年という、初の紅白出場を乗り越えメンバー卒業を控えた、乃木坂46としても重要なタイミングであった。
一方、2位の『やさしさとは』が意外というか納得というか。
表題曲でもアルバムリード曲でもなく(通常盤カップリングである)、ライブ定番とまでは言えないポジションのこの曲だが、そもそものメロディーの良さ、歌詞のメッセージ、切ない冬の雰囲気など、一つの「隠れた名曲」として多く支持されている印象もある。改めて整理すれば、ここに選ばれることは、なるほど腑に落ちる。
特に今回の #わたしの乃木坂ベスト 、メンバーのコメントを参照すると、選曲にあたって「シングル曲やライブ定番曲だけでなく幅広く勧めたい」という意図がしばしば見受けられる。
グラフには5名以上に選ばれた19曲を掲載しているが、ここではシングル表題曲は5位タイの『帰り道は遠回りしたくなる』でやっと現れ、その後も下位になってやっと名前が並び始める。
各メンバーごとにある明確な意図が、プレイリスト入りされた数に影響を与えていると言えそうだ。
(追記)
上位曲を選んだメンバーをずらっと載せる。多いので7名のものまで。
以下は期ごとの選んだ数グラフ。全体で集計したものと大まかに同結果と思いきや、案外違いがあって面白い。3,4期は総数が多かったため2回以上選ばれているものを抜粋した。
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続いては、「シングル表題曲」「ユニット曲」などの曲タイプをまとめたもの。まずはタイプごとの比率から載せよう。こちらも同様の傾向が見られる。
前提として、そもそもシングル表題曲は28曲しかなく、また逆にユニット曲は85曲存在しており、この比率になるのはある程度必然であることを先に断っておきたい。
また今回「ユニット曲」は『私、起きる』に則り、10名以内、または明確な基準にもとづいたメンバー選であるもの(『もうすぐ~ザンビ伝説~』とか)と定義した。
選抜メンバーを基にしつつも若干異なる『失いたくないから』や『不眠症』などは「特殊編成」としている(2期生加入前の楽曲に特に多い)。
「選抜曲」は、文字通り選抜メンバーが参加しているがカップリング収録など「シングル表題曲」でないものすべてを含んでいる。『きっかけ』をはじめ、『羽根の記憶』『泣いたっていいじゃないか?』『悲しみの忘れ方』など、この立ち位置にはグループ的にも重要な楽曲群が多く、選ばれた数を見てもメンバーも同様に認識しているようだ。またそこに並ぶ形で『何もできずにそばにいる』がカップリングの中でも多く選ばれている。
(よく考えたら「アルバムリード曲」の枠で分けるべきだったかもしれない……)
各期別曲が数を取りそうにも予想していたが、意外と少ない。期ごとに複数曲を持っていたりするので、選曲されるにも票が割れたか(その中でも『アナスターシャ』『I see…』は支持を集めている)。
以下に、タイプごとに(いくつか統合しつつ)分けたグラフを5つ続けて載せる。要は、タイプごとランキング。すべて2回以上選ばれている曲を抜粋した。
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続いては、「シングル/アルバム別」でまとめたもの。偏るものなのかしら、と思って用意してみた。
楽曲別とは割と傾向が異なる。あちらでトップだった『きっかけ』を含む『それぞれの椅子』こそ3位に位置してるが、その他は全く異なると言っていい。
1位の『生まれてから初めて見た夢』の場合は『思い出ファースト』や『設定温度』が選ばれており、総数として上位に達した。これらは3期生からの選曲が多く、リリース時期の彼女達のドラマも垣間見える。
また『Rewindあの日』『ごめんね、スムージー』『流星ディスコティック』などのユニット曲も、個々の票数は多くないながら、確かな支持を集めたことが窺える。そうしたラインナップの幅広さが、このアルバムが上位に届いたことに寄与しているようだ。
次点は『命は美しい』。アルバムは収録曲が多いため上位に来やすい傾向があるが、だからこそ、このシングルの強さがわかる。こちらは『立ち直り中』『君は僕と会わない方がよかったのかな』が共に6名、『あらかじめ語られるロマンス』が4名に選ばれており、シングルながら強い支持を受ける結果となった。
余談として、上のデータを作品タイトルではなく「発売日」で見たものを載せる。特定の時期になっていないかしら、と用意した次第だ。
結果としては、極端に集中することは無かった。しかしざっくり2014夏~2017夏にかけてが上位にいることがわかる。
2015年末の紅白歌合戦初出場を大きな境に、そこへ向けて躍進していった時期~1期生の卒業が本格化すると同時に3期生の参加もあった時期までが、折り返す形で2年前後している、と捉えることも出来る。
(2014年は『真夏の全国ツアー』神宮公演が始まった年でもある)
当時在籍していたメンバーにしても、当時はファンだった新世代メンバーにしても、グループの過渡期であったこの数年にリリースされた楽曲が印象深くある、と言うことが可能かもしれない。
メンバーがどんな曲を選んだのか
ここからは、メンバー側にフォーカスを当てて、どんな選曲を行っているかを見ていきたい。
具体的な選曲は実際のプレイリストを参照していただくとして、まずは上でも取り上げた「曲タイプ」に着目しよう。「各メンバーのプレイリスト=選んだ10曲のうち、曲タイプは何が多いか」である。
1&2期・3期・4期(名前順)の3つに分割して載せる。色分けがド下手なもので、見辛さご了承ください。
和田まあやちゃんの「アンダー曲のみ」という意志の強い選曲、新内さんのコメント通りなバランスの選曲、柴田柚菜ちゃんの純度高い「表題&4期曲」といった辺りが特徴的だろうか。
また、極端な傾向ではないが、「元ファン」である4期生メンバーが、表題曲やメンバーソロ曲を比較的多く選んでいると言えなくもない(実際のところは、ライブでの披露が多いことにも起因しているだろう)。
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続いては「自分が参加した曲を選んだか」を見てみよう。
…と、その前に、今回データをまとめるにあたって各曲の参加メンバーを一覧化したので、参加数のグラフを載せてみる。
(ちなみに今回「参加」とはリリース音源の歌唱に参加していることを意味している。例えば『僕のこと、知ってる?』はライブで全員披露が主だが、今回の定義においては「参加」しているのは『Sing Out!』選抜メンバー、という風に)
からあげ姉妹がトップタイ。シングル表題曲や2人のユニットはもちろん、片や歌唱力を求められ、片や軍団長としての腕を振るい、数多くのユニットに参加したことも数字に反映されている。
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では実際のところ「自分が参加している曲を選んだか」を見てみよう。
のべ370曲に○×を振り、○=参加した曲を「赤」に、×=参加していない曲を「青」にグラフ化した。
意外にも「参加した曲」は4分の1ちょっとであった。大ざっぱに平均化すると「各メンバーは10曲中2~3曲ほどしか参加曲を選出していない」ということになる。
しかし実際はメンバーごとに傾向は大きく異なる。各メンバーごとの、実際の参加曲数を見てみよう。
生田絵梨花ちゃんは卒業を控えた「自ベスト」的な選曲、まあやはアンダーキャプテンの姿勢が現れた選曲と言えるものであり、10曲中全てが参加曲であることは納得である。
一方、加入から間もない4期生(特に新4期)は参加曲の絶対数が先輩メンバーには及ばないため、比率が少なくなるのは当然のこと。
それは今回の定義を「音源に参加」としたことが大きく影響しているので、過去ライブ披露時の参加数を考慮した場合、違った現れ方になると思われる。
(ざっと見ても、例えば賀喜遥香ちゃんはライブ披露を含めると全曲参加したものから選んでいる)
逆に参加曲ゼロ側を見てみると、4期生が並ぶなか山崎怜奈ちゃんの名前がある。自身のセンター曲『錆びたコンパス』すらも選外にしたことに驚いてしまうが、プレイリストのタイトル・コメントを見るに明確な意図によってのものである。
ある意味、今回の企画趣旨(の幅)に最も対応した結果の選曲と言える内容。その柔軟さに膝を打つばかりである。
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次は、少々奇をてらったデータを用意してみた。各メンバーが選んだ10曲に、どれだけ「他のメンバーも選んだ曲」が含まれているか、を数値化してまとめたものである。
選ばれた数=獲得点数として、各メンバーのプレイリストごとの平均値を出した。「他のメンバーも選んだ曲」が多ければ多いほど数値が高く、逆に「そのメンバーしか選んでいない曲」が多い場合数値が低くなる。
非常におもしろい結果が出ている。上位タイ(6.1点)の2名が秋元真夏ちゃん、梅澤美波ちゃんであるのだ。
「他のメンバーも選んだ曲」=「多くのメンバーに選ばれている楽曲」とは、「(グループの総意として)支持されている楽曲・おすすめしたい楽曲」に当たると言えないだろうか。
(2人のプレイリストは、上で挙げた『きっかけ』『やさしさとは』をはじめとした楽曲を確実に抑えている。)
そういった曲を多く選んだ上位2名がキャプテン・副キャプテンであることが、なんだか運命的でならない。偶然で片づけてしまうことも出来るが、しかし、2人の感覚・視点が、その肩書きにふさわしいものである、とついつい言いたくなる。
一方、数値上は最下位(1.8点)であった阪口珠美ちゃん。この結果は、彼女の感覚がズレているとかでは全く無い。なぜならば、彼女が選んだ10曲から、ダンサーとしての観点で曲調を見定めていることが読み取れるからだ。
乃木坂46にTender dayserはいるのか
最後の項である。
まずはグラフを見ていただこう。のべ370曲中、どれだけ『Tender days』が選ばれているのか、をグラフにした。
重複選出はないため、全メンバーが『Tender days』を選んだ場合10%を占めることになる。
0.5%て!すくな!
……と言いつつ、「いるんだ!?」という驚きが強かったことを白状しよう。2人も選んでいて正直驚いた。
以前から『Tender days』を好きな曲の一つに挙げていた清宮レイちゃん、「寝る前に聴きたい気がするプレイリスト」に含めてくれた齋藤飛鳥ちゃんである。この2人には、どうにかして高額の賞金とトロフィーを差し上げたいと思う。
せっかくなので、ここでTender dayserの端くれとして作った個人的#わたしの乃木坂ベストをSpotifyのプレイリストにて掲載する。『Tender days』という暖かなエンドロールを迎えるための10曲である。
そして最後に、以前作成したはいいが出しどころが無く、寝かせていたグラフを掲載しよう。『Tender days』が好きな理由が詰まったグラフだ。
まとめ
冗談も済んだところで、これくらいで締めさせていただく。
実際、なかなか興味深い結果が見られたんじゃなかろうか。少なくとも僕は眺めていて楽しかったです。
一方で『Sing Out!』が誰にも選ばれていないなどSing Out!起源論が揺らぎかねない事実も明らかになってしまったものの、ともかく「誰がどんな曲を支持しているか」がわかる良いデータだったんじゃないか。
冒頭に書いた通り、単に「好き/よく聴く/思い入れがある」を基準にしていないからこそのチョイスが多分に含まれるようなので、逆に「好きな順に10曲選ぶ」をガチでやってみてほしいなと思ったりもする。
ちなみに、ひと通りデータをまとめてあるので、「ここに載ってないけどこういう切り口で集計したのが見たい」なんてことがあったら気軽にお声がけください。追記します。
以上。
がんばってまとめました。
付録・全曲 #わたしの乃木坂ベスト に選ばれたランキング
明日飲むコーヒーを少し良いやつにしたい。良かったら↓。