乃木坂46メンバーの『名前』はいかにして素晴らしいのか
乃木坂46のメンバーは一人ひとりの名前が素晴らしい、とはよく言われていることだが、実際それについては大賛成である。
そういった意見は、字面や響きそのものが良いとか、使われている字や言葉が本人によく合っているとか、そういった観点から言われていることであるが、今回はそれについて少し掘り下げてみた。
掘り下げてみた結果、ちょっと勢い任せな部分もちらほら出来てしまったが、個人のそういうアレとして、無茶苦茶な勢いを楽しみながら読んでほしい。
(続編)
白石 麻衣
まずは乃木坂46の絶対的エースであり、女性のなりたい顔ナンバーワン美女、写真集売り上げの今世紀記録保持者である まいやん、白石麻衣。彼女の名前は、”なくてはならないもの”を併せ持っている。それはどういうことか? さっそく紐解いて(=こじつけて)いこう。
まず苗字の「白石」。これは、「白い石」とは何か考えた時に発想する物から考えよう。その条件のもとに、彼女の持つ”美しさ”を兼ね備える物として、ズバリ「大理石」を示すものとしたい。
大理石は建材として多く使われているのは承知の通り。一般的には高級品としての印象が強く、実際、古代ギリシャはパルテノン神殿、インドのタージ・マハル、日本では国会議事堂など、名だたる歴史的建造物に多く用いられている。
またそれだけではなく、民間人の住居にもよく使われ、ヨーロッパの地中海付近では特に多く利用されているそうだ(潮風に強い事などが理由なようだ)。さらに机などの家具、食器などの材料としても使われている。
このように、大理石は高級品でもあり、同時に(住居を形成する素材として)生活に欠かせない必需品でもある。それでいて、どちらも建材としての役目を求められたものだ。
これらのことから、大理石を示す「白石」は、つまり、衣食住の「住」の性質を持つとしたい。上で挙げた”なくてはならないもの”、「衣食住」の一角であるのだ。
これを踏まえて「麻衣」を考えてみると、おのずと結論が見えてくる
字面をそのまま見ると「麻の衣」。麻について調べてみると、12,000年前から栽培され広まったようで、日本では弥生時代から麻製の布が利用されていたそうだ。
多くは一般大衆の衣類としての布に使われ、上質なものは幕府に献上されるなどしていた。麻の織物は、日用品としても献上品としても、暮らしに根付いた素材だったのだ。衣類のほかにも、紙や袋、縄などの道具、繊維を取り除いて残った部分は、火を焚く際の燃料として、特に祭事やお盆に火を焚く際に使われていた。
これらのことから「麻衣」の字は、衣類を主とした、人々の暮らしに根付いた必需品を示すものと考えられる。「衣食住」に当てはめると、「衣」の性質を持つと言えるだろう。
以上、「白石麻衣」の名は、生活の基本を表す「衣食住」のうち、「衣」「住」の2つを含んだ名前と言える。
なら「食」はどうだ、と言う話になる。では「白石麻衣」をもう少し分解して「白」に着目してみると、「白」から「白いウサギ」を連想できる。
ここから、「白いウサギ」が登場する仏教の説話を思い出される。力尽きて倒れている男を見つけた動物たちが、あれこれ尽力し食物を集めてくる中、非力なウサギは自ら火に飛び込み、自身を食料として差し出した、というアレである。
この発想から、「白石麻衣」は「食」に繋がる要素も内包していると結論付けることができ…………いや、さすがにできない。さすがに強引である。あくまで発想の一例とするに留めておこう。
ともかく、彼女の名前は、高級感だけが漂う鼻持ちならないものではなく、人の生活に密接した「衣食住」を表す、人にとって”なくてはならないもの”を示した名前となっている。彼女の存在感を示すものとしても実に象徴的だろう。
また、それでいて「まいやん」というフレンドリーさMAXのニックネームがまた素晴らしい。本人の気さくさ、お茶目さをよく表している。そこまで含めて彼女を表すシンボリックな名前と言える。
高山 一実
続いて、一億人の親戚・かずみんこと高山一実。彼女の名前は、本人の真面目さや ひたむきさをよく表している名前になっている。
まずもって、下の名前(使われている漢字)が、ダイレクトに、と言っていいほどに彼女の人格をまま表しているように読み解ける。
横一文字に引かれた「一」の字は、彼女の(不器用なまでの)”まっすぐさ”を示したものだ。
加えて、真実・堅実・実績といった言葉にも使われれる「実」の字。「生っている果”実”」という意味から転じて「成果(を得ること)」を表し、つまりは「目標・目的」を指し、考えを進めて「夢・理想」としてもいい。
この二つが合わさったこの名は、「目標に向かってひたむきに取り組む・それを実現する」という意味合いをくみ取れるものになっているのだ。剣道経験からくる武の心得を持つ人としても、アイドルとして夢を見て、また夢を与える存在としても、とても良い名前と言える。
さらに、苗字「高(い)山」は「目標」「困難」の比喩としてよく使われる言葉。ここから「それを目指す・越える」という志を連想させ、いっそう強調する機能を果たし、下の名前が持つ意味合いを補完してくれている。
また、字の意味合いと別視点の話として、姓名を縦書きにするとパタンと折れる線対称になっている。これが「まっすぐ」というイメージの更なる補強と言える気がする。是非とも半紙に毛筆で太く書きたいものである。
桜井 玲香
我らがポンコツ脳天気だけど頼りになる玲香キャップ。キャップの名前は、彼女自身の、またグループのキャプテンとしての、イメージの通りの名前になっている。
まず「桜」がとにかく素晴らしい。桜という花の持つイメージをそのまま貰い受けるように、これだけで、彼女の明るくて華やかな人物像を見事に表している。これが例えば「百合」とか「菊」とかだったら大分イメージが変わっていたことだろう。彼女は確実に、ひっそりと咲く一輪の花ではなく、目の前いっぱいに咲く大樹の花だと思う。
また「桜」は、日本のシンボルとも言える花であり(100円硬貨の表側にも象徴的に桜が刻まれている)、それを乃木坂46のキャプテンが名に冠していることも象徴的な感じがして大変良い。さすが、日本が誇るアイドルと言ったところである。
そして下の名前「玲香」。「玲」は、「ご令嬢」などの「令」とおよそ同意の字として「麗」にも繋がり、「うるわしい」とか「きれい」「立派」と言った意味を表している。目鼻立ちのくっきりした、日本人離れした美貌を持つ彼女にふさわしい一字だ。
また、「レイカ」という響きはいかにもお嬢様キャラな感じがしてよい。調べたところによると、『おジャ魔女どれみ』シリーズや 『プリキュア』シリーズどちらにも「レイカ」という名前のお嬢様キャラが登場し、なにより元祖お嬢様キャラである『エースをねらえ!』のお蝶夫人は、本名「竜崎麗華」である。さすが乃木坂46のキャプテン、ある意味王道的なネーミングなことがわかる。彼女は名前からしても、生粋のお嬢様だったのだ。
若月 佑美
玲香キャップに続くメンバーといえば、もちろん若月。彼女の名前は、本人の持つ中性的なイメージが巧みに組み込まれたものとなっている。一文字ずつ見ていこう。
「若」という字は、「若様」という言い方もあるような、王様や殿様の子、とりわけ息子を指す「若」であり、これが男性的な印象を強く産む要因になっている。
また「月」、性別のイメージで言うとどっちだ、と考えるとどうだろう。実は、意味としてどちらの面も併せ持つのだ。
女性的なイメージでは、例えばギリシア神話に登場するアルテミス、ローマ神話に登場するディアナなどはどちらも女神で、月に帰ってしまう かぐや姫も女性である。乃木坂的には今やセーラームーンもなじみ深い。
一方で、日本神話の月読命は男性神だし(逆に「太陽」の天照大神は女性神)、ドイツ語では月 der Mondは男性名詞だったりする。
これらの色んな視点から鑑みて、「月」の字は男性性も女性性も持ち合わせるた字と言えるのだ。この字を冠する彼女が中性的なイメージを持っていることは実に象徴的で、ある意味使命と言えるのかもしれない。言えないか。
続いて下の名前に映ろう。「佑」であるが、篠原健太氏作『SKET DANCE』で知った方も多いだろう、この字は「助ける」の意味を持つ。「助ける」「救出」の意味からは勇敢なイメージを受け、力強く、頼りになる印象を受ける。
ここまでの「若月佑」まででは、比較的、男性的イメージを持てるように思う。
そこで「美」。意味も何も字の通りである。美しさを示すこの字は、女性名として代表である(80年以上、女性名に使用される文字の上位になっているそうだ)。この一文字で、「若月佑」までのイメージと上手くバランス取っている。かつ本人が実際に名に恥じない凛々しい美人であることも、よりこの「美」の持つニュアンスを確固たるものにしている。
以上、彼女の名前は使われている一字一字が、イメージの強い、意味合いをしっかり持った字である。かつ、そのイメージと実際の人物像とが一致していることも何より素晴らしい。
ついでに、苗字の発音も気になるポイントである。「わ か つ き」と ”か”行が二度現れることで、エッジの立った発音になり、くっきりした印象が強くなる。この響きで思わず名字で呼びたくなるというものだ。これがもし「わなつに」とかだったらネチャネチャして大変いやな響きである。
秋元 真夏
真夏さんの名前は、凄いギミックが詰まった素晴らしい名前なので、是非紹介したい。簡単に言うと、すごく「真夏」と名前で呼びたくなるようになっているのだ。
まず、彼女の名前には「秋」と「夏」、2つの季節が含まれていながら、イメージとして「夏」が強いように感じないだろうか。これは、彼女の生まれ月が8月だったり、キャラクターの明るさだったりすることから一致性があり、そのイメージが強調されているように思う。そのため、「秋」を含む苗字よりも「夏」を含む名前の方が印象強くなる。これがまず①。
続く②として、単純に「真夏」と単語が完結していること。これが実は重要だ。馴染みのある言葉であり、スッと耳に入ってくる。人名としても割と珍しい響きなため、いっそう印象に残る。
続いて③。呼び方として「真夏」以外の呼び方が結構発音しにくい。例えば「真夏ちゃん」だと、つ と ち が連続し、発音しにくい(ぜひ一度声に出してみてほしい)。要は言いにくい呼び方は定着しにくいのだ。これが逆説的に「真夏」という呼びやすさに繋がる。
他にも、本人はずっと言い続けている「まなったん」も絶妙に語呂が悪いため、普段からそう呼ぶ人はあまり見られない。これは発音のしにくさに加え、音節が3つであるため(ま-なっ-たん)、呼び掛けるに当たって簡潔でないことに起因すると思われる。「まなっちゃん」も同様である。
最後に④は、「秋元」という苗字の呼びづらさである。これは響き云々ではなく、康こと秋元康と同じ苗字、であるためである。加入当時も康の親族か!?とか揶揄されていたようだが、要は「秋元」と言われると(ファン側は特に)康を連想しがちだ。そのため、真夏さんを敢えて「秋元」と呼ばなくなるのだろう。実際、彼女を「秋元」と呼ぶファンは滅多に見ない。バナナマンのお二人は苗字で呼んでいるが、あの二人はポジション的に担任の先生みたいなものなので、例外としていい。
総じて彼女の名前は、発音的に言いやすい言いにくいの話から、苗字呼びが敬遠されがちなど、諸々の理由により「真夏」と呼びたくなるように設計されたネーミングになっているのだ。
ついでの⑤として、ついつい親しみを込めて名前で呼び捨てたくなるキャッチーなポジションであることも、それに一役買っているとも言える。
井上 小百合
続いては、我らが姫君さゆにゃん。
「小百合」という名前がいかにもであり素晴らしい。上記の玲香ちゃんの「桜」と同様に、彼女が名に冠する花が「百合」というのが、実にイメージ通りだ。
百合の花言葉を調べてみると、「純粋」「無垢」と出てくる。大人しくもまっすぐな気質な彼女にぴったりである。埼玉の田舎育ちであるところにも、どこか通ずる気がする。さらに、さゆにゃんの好きな色「白」に着目して、白い百合の花言葉を調べてみると「純潔」「威厳」と出る。こちらもまた、正義感が強く、またメンバー内でも抜きん出てストイックである彼女の人物像に符号する。
人名としての「小百合」を考えると、女優・吉永小百合さんを連想する。女優業を重んじるさゆにゃんが、日本が誇る映画女優の方と同じ名前を与えられていることにも意味を感じてならないのだ。
また感覚的な話だが、「井上小百合」という全体的に画数の少ない字面が、脆く儚げなようであり、か弱い彼女らしさを表現しているような気もする。
星野 みなみ
我らが”可愛い”みなみちゃんの名前である。
まず、苗字と本人のイメージとの親和性が突出している。「星の王子様」とか「星のカービィ」とかのようなファンタジックな世界観を表す枕詞のようである。『星のみなみちゃん2』なんてゲームがあったらプレイ時間は100時間を越えることうけあいである(でもなんとなく、やりこみ要素皆無そうな気がしなくもない)。
さらに下の名前「みなみ」。「みなみ」というのは、日本が代表する漫画・アニメ界のヒロイン、タッチの『浅倉南』や、1971年デビュー、日本における元祖”アイドル”と言われる『南沙織』が姓名に冠しており、まさしくアイドルとして象徴的な名前と言える。そんな名前を持っていることが、彼女が生まれもってのアイドルであることを示すと言っていい。
加えて、「みなみ」と発音したときの響きが、ポップな要素を含みつつ柔らかさも持ち合わせ、ひらがなによる表記も含め、みなみちゃんのゆるっとしたムードを演出していると言える。
齋藤 飛鳥
「飛鳥」という名前がとても良い。
彼女の名前は、乃木坂メンバーには意外と少ない、男性名にも女性名にも使われるタイプの名前である(他には「与田ゆうき」など)。このような中性的なネーミングが、彼女の持つ独特な雰囲気、神秘性に通ずるように思う。神話に登場する神様なども、”(すべて兼ね備えた)完璧な存在”であることの表現として両性具有で描かれることも多く、中性的なイメージともリンクする。またハーフであることをそういった”二面性”のひとつと捉えると、より意味合いが強くなるように思う(「アラミタマ・ニギミタマ」という概念もあるように、神々は二面性を多く描かれる)。
それでいて実際の彼女は線が細く可憐で愛らしい少女であり、ある意味、中性的な名前がこそ、そのギャップを引き立てているようである。
苗字についても考えてみよう。
例えば「齋藤」というのは「さいとう」のなかで一番難しい表記である(そもそもは、これが本来的に正しい書き方だそうだ)。
上記の さゆにゃんの項で書いたこととは逆に(「飛鳥」も含めて)この画数が多く密度の高い字面が、幾何学模様のようでもあり、奥深さ・難解さを演出しているようでもある。常に真理を求める、悩み多き彼女らしい名前と言える。言える?
和田 まあや
天才・まあやについては、解説するだけ野暮な気がしてならない。が、気にせず進めていこう。
「まあや」という名前(の表記)とその発音の脱力感が、元来のおバカキャラをより増長しているようにさえ思う、実に良い名前だ。響きに注目すると、たまごボーロ とか ねるねるねるね とか ヤンヤンつけボー とか ぬ~ぼ~ とか、何かしらのお菓子の名前のような印象も感じたりする。
『乃木坂工事中』内でもバナナマンのお二人から「まぁ~や」と呼ばれていたりするが、まさしくその発音まで含め まあや本人をよく表した名前と言 っていいだろう。
また「和田」という文字数・画数が少なく比較的よくある苗字が、「まあや」という名前と通ずるゆるやかさを生んでいるようにも思う。そんな中、和田アキ子さんのモノマネに絡めていく辺りは彼女の手腕が光る面と言える。
堀 未央奈
彼女の名前は、『バレッタ』選抜発表当時、彗星のごとく現れた新メンバーとしての役割を見事に表現したネーミングになっている。
と言うのも、数少ない「苗字が漢字一文字」のメンバーである(他は当時卒業したメンバーのみ)。他にない新しいパターンのネーミングを備えていたということで実に新鮮さを感じさせる。
対して、下の名前は一音一字になっており、苗字とは対照的である。そのつくりも「未央」で完結せず「奈」を付け加えるバランス感覚。母音で抜けたまま終わらせず、「な」で支えて、くっきりした発音に完成されている。
これらの要素によって、名前から強烈に印象付けさせ、新メンバーかつ新センターというセンセーショナルさをよく演出した秀逸なネーミングと言える。
新内 眞衣
続いては2推しの女・新内さん。自身もちょくちょく言っているように、あの白石麻衣さんがいる「マイ」界隈に足を踏み入れており、また苗字まで含めて響きが若干似ているというハードモードのようなネーミング。しかし、いざ紐解いてみると、実に唯一無二なオリジナリティに富んだ名前になっている。
まず苗字が結構珍しいものだ。調べたところ、全国に1000世帯おらず、一番多いらしい青森県にも60世帯程度(ちなみに鈴木は一番少ない富山県に1600世帯ほど)だそうだ。それだけ珍しい苗字を持っている時点で、既にかなりキャラ立ちしているネーミングと言える。また「しんうち」という響きも、同音異義語もそう無く、日常会話じゃあまり使わないため、全体的に聞き慣れない希少な響きを持っている。
下の名前は、確かに白石さんと被っている「マイ」ではあるが、実際の表記は「眞衣」。あえての”真”の旧字体採用であり、「麻衣」に重ねていかないどころか、「新内」に引き続いて、珍名路線の表記チョイスだ。「ありきたりな名前かと思いきや…」というギャップで、字面のインパクトはむしろ強い。
全体的にちょっと珍しい名前で固められているわけだが(同姓同名なんていないのではなかろうか)、彼女自身ちょっと変わり者なところも踏まえ、そのキャラクター性を表現した名前としては実に高度なものと言える。
佐々木 琴子 ・鈴木 絢音
さて、ここで少し違ったパターンの書き方として、共通項の見られるメンバーをまとめて書いてみたい。
最初はこの二人、寡黙で饒舌・ツボが独特・造形物かと見まがうようなめっぽう美人の2期生達。この二人の名前は、上記の通り共通する法則を持った名前になっている。
まず、下の名前が二人とも非常に美しい。純和風なビジュアルを表しているかのような、大変耽美な名前である。
琴子の、「琴」という一字はとても強い。伝統楽器の名であるその字だけで、和風なイメージを生み、慎ましやかな女性らしさを表現しているようである。さらに「~子」という古風なネーミングも相まって、良家の娘さんのような美しさをより補完している。
絢音ちゃんの名前も同様である。「絢」とは「色糸を組み合わせた模様(の美しさ)」という意味を持ち、着物などの織物を連想する一字である。こちらも「琴」と同じく、伝統に通じたイメージを持った字と言える。そんなイメージから「音」を考えると、俳句で読まれるような、木々のざわめき、小鳥のさえずり、跳ねる水面、そんな四季を彩る音色を示しているように思えてきて、いっそう風情を感じる。
しかし、名前の美しさに反し、どちらも苗字はごくシンプルで、ありふれたものである。全国苗字人口を見ると、「佐々木」は13位、「鈴木」にいたっては2位だそうだ。すげえ多い。
これは、”敢えて”このような苗字になっていると考えていいだろう。美しい名前に対してシンプルな苗字にすることで、「琴子」「絢音」というその名前の美しい印象をより強くし、より引き立てる。本人の美貌と名前の美しさもいっそう相乗する構造になっている。
かつ、言ってしまえばありがちなこの苗字も、ぞんざいに呼び捨てることでオモシロを発揮する装置にもなっている。そのいい例がNOGIBINGOで呼ばれた「ささきとすずき」である。うん、これはこれで非常に可愛い。
大園 桃子 ・与田 祐希
二人まとめてシリーズ、続いては3期生・『逃げ水』センターコンビの桃子と与田ちゃん。
この二人は、シングル曲のWセンターを務めることがあらかじめ計画されていた故のネーミングかのようである。堀ちゃんの時の考え方と近いのだ。
というのも、二人とも苗字が珍しい。もっと言えば、3期生の中では二人以外は割とよく見る苗字になっている(伊藤、佐藤、山下、吉田など。とはいえ、岩本とか梅澤はギリか)なか、二人だけは見慣れない苗字が付けられている。
加えて、「桃子」「祐希」という下の名前も、片や今時あまり見ない古き良き名前(「琴子」も同様だが)、片や「飛鳥」同様数少ない中性的な名前。全体的な例の少なさを以て、”(存在の)異質さ”が表現されたネーミングになっていると言える。
そうして、くくり(今回で言うと3期生)の中で際立つように名が設定されており、そして実際にその二人が一足先に選抜入り・センター抜擢という展開が待っていた。
まるで、漫画やアニメの新キャラのようである。名前から個性豊かで新しいパターンなあたり、新展開にふさわしいじゃないか。
彼女たちは、なるべくしてなった主人公であると、名前の分析を以てして言えるかもしれない。
3期生に着目してみると、「佐藤 楓」が乃木坂初の”名前が漢字一文字”だったり、「伊藤 理々杏」「吉田 綾乃 クリスティー」が明らかに新しいパターンのネーミングだったりと、色々掘り下げたいことがまだまだ多々あるが、いい加減長くなったのでここまでにしておく。
まとめ
以上、色々意味合いとかをなんやかんや引き出して考えてみると、それが本人らの人物像を表しているようだったり、グループ内でのポジションと一致していたりと、意外と面白い結果が見られた。
途中から「このような意図で名付けられているのだ!」と、妙に断定調を出してしまったが、ご容赦いただきたい。そもそも書いていることが、その論調が出たかどうかに関わらず、事実無根である。
どうか、メンバー達のご両親がこのページを見ることがありませんように。
明日飲むコーヒーを少し良いやつにしたい。良かったら↓。