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みなみちゃん、バラエティ能力高すぎて偉いねえ

最近のみなみちゃんが面白い。最近というか、数年くらい前から、おそらくは高校を卒業したあたりから、みなみちゃんのバラエティにおける活躍っぷりがどう考えても一段向上している気がしてならない。

単に爆発力のある言動をするだけではなく、積み重ねた経験を感じる、コクのあるセンスを表に出し始めている。いや、既に熟成されて、一定の完成度を保っている。

今回は、そんなみなみちゃんの活躍をまとめてみた。

みなみのボヤき

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こちらは堀ちゃん、飛鳥との3人旅(『乃木坂46 春の1万円ツアー』)。VTR終わりに流れた、何かとオモシロいことが起きたような起きなかったような3人旅を端的にまとめた一言(×2)である。

可愛らしいスリーショットに乗せたみなみちゃんのワードチョイスが実に良い。「この3人でロケというのがそもそもの間違い」と言わんばかりの、キレがありつつ悲哀も感じる秀逸な言い回しである。

マイペースな2人にさぞ振り回されたのだろう、ほのかにグッタリ感の漂う”ボヤき”とも言うべき言葉は、大人になったみなみちゃんが獲得した新しい視野を感じる。

こんな風に、近年のみなみちゃんのバラエティセンスの高まりは、発するそのコメントにも大いに現れている。まずは、そんな秀逸なコメントを見ていこう。

みなみのテロップになるコメント

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これはお汁粉が食べられない言い訳として放った一言。言っている事が明後日の方向すぎて笑うほかない。テロップでも強調せざるを得ないというものである。

何かしらの言い損ないだとは察せれるものの、本当はどういうことが言いたかったのか、いっくら考えてもわからないのにちゃんと面白いという、素晴らしくぶっ飛んだコメントである。

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こちらは19枚目シングル『いつかできるから今日できる』ヒット祈願にて。「自分も一生懸命がんばってるけど、真夏に持っていかれる」という趣旨の一言である。これなんかも得意のボヤきで、かつ(真夏さんへの)イジリという一度で二度美味しい名コメント。

みなみちゃんだって何かと苦労している、ということがありありとわかる。

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こちらは年始の『軍団対抗バトル』にて、設楽さんに「負けたのは星野が原因じゃないの?(要約)」と言われたときのコメント。一見ただただ可愛いああ可愛いリアクションのように見えるが、一度「やってないよ…」と否定しながら、最終的には折れて受け入れ、「みなみのせい」というオチにまとめたシャープなコメントである。

やり取りをテンポ良く進めつつ、可愛さを以てオトすという彼女ならではのひとくだりだ。

さて、みなみちゃんは単に面白いことが言えるようになったわけではない。テレビタレントとしての経験を積み、所謂”裏側”もすっかり熟知して、彼女はそれをオモシロとして昇華し使いこなしている。ここからはそんな一面を見ていこう。

みなみのメタ発言

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こちらは、『ファンが選ぶ乃木坂ベストヒット歌謡祭』において過去のヒット祈願に触れたトーク。非常に愛らしい表情を浮かべ愛らしいポーズを見せているものの、言っていることは「何時間もかけてしんどい想いをしても、放送されるのはほんのちょっと」という、タレントとしての世知辛さを吐露している一幕である。

「がんばったんだから、もうちょっとテレビで流してほしい」という意図が汲み取れるが、この時点で、既に彼女の中で努力に対する見返りが”オンエア尺”になっている。そんな感性が育っているあたり、彼女はもう立派な『職業:アイドル』である。

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こちらは19thヒット祈願にて、上まで運ばなきゃいけない桶の水を階段中盤で零してしまったという名場面。痛恨のミスを犯した自分に対し、咄嗟に発したボヤきがこれである。

「努力している姿を見せるはずのヒット祈願ロケに、そういう見せ場はいらない」「そういう(テレビ的な)活躍は私の担当じゃない」という、自らへの苦い想いがサクッとまとまっている。

「作りたいVTRはそういうのではない」という意味もこもった、制作側の立場に立ったコメントでもある。(その実、求めていたものを超えた”撮れ高”になっており、ある意味タレント業を全うしている。)

さて、続いては上に記した諸々が集約した、ここ最近でも特に秀逸な一言。ある意味、このエントリを書くきっかけになったとても面白いコメントを紹介したい。

みなみのヒット祈願に対する認識

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これは生駒ちゃんが参加する最後のシングル『シンクロニシティ』のヒット祈願にて、3期生とともに何故か自分も参加していることへの疑問。みなみちゃんが、明らかに人より多くヒット祈願に参加していることに関してどう受け入れているかが現れている。

まず「許して頂ける」という言葉のチョイスから、「(何かしらに対する)罰としてヒット祈願をやらされている」と彼女が捉えていることがわかる。”罰”という認識が、「がんばっている姿を見せて心を打つ」というヒット祈願の趣旨(なはず)と若干ずれていてもう面白い。(この後の「許すとかではない」というツッコミテロップにもそれは現れている)

ここから、何に対しての罰か?と考えてみると、「みなみちゃん×ヒット祈願」という式から、その答えは当然これ、

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これに辿り着く。つまりは「みなみちゃんのヒット祈願連続登板の理由は『やりたくな~い』発言への罰である」という風に繋がり、みなみちゃんは、あれが原因で今までヒット祈願やらされてると思ってたのかよ、と気付かされる。

さらに言うと、「みなみちゃん自身は『まだ許してもらえていない(それほど重い罪を負っている)』と認識しているために、何度呼び出されようと甘んじて受け入れている」と考えたら、彼女の過去の自分への後悔の念が感じ取れるようで、なおのこと可哀想やら面白いやら。

以上のように紐解くと、あれは何重にも層が仕込まれた、実に深みのあるコメントであることがわかる。加えて、もうヒット祈願ロケに疲れてしまっていることも透けて見え、結果、持ち前の"ボヤき成分”も自然と含まれているという卓越した一言になっている。

しかし、あの場面は、決して辛い思いをアピールしているだけではない。「みなみもいるよ~♡」という可愛い登場からの、ワキワキした妙な動きを笑顔で繰り出す。そうすることで全体的にポップに映り、後輩である三期生4人に不安を与え過ぎない、という効果をもたらしている(実際、この回ではみなみちゃんの先輩としての姿勢がたびたび見られる)。

そこまで含め、あの一連の流れは、ベテランヒット祈願師としての経験とそれによって培った技術が多分に現れた名場面なのだ。

最後に、面白いコメントとは少し異なっていながら、彼女の技術が垣間見えた一幕を挙げよう。

みなみの繋ぎ

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記憶に新しい『乃木坂46グルメ食イーン決定戦』での「オムライスを残り46グラムになるように食べよう」という趣旨の種目で、みなみちゃんが地味ながら重要な働きを見せた。

設楽さんがみさ先輩に「衛藤は普段料理とかするの?」と問いかけた。それに対し「します!」とみさ先輩。追って、設楽さんが「どれくらいのご飯が何グラムかわかるの?」と問いかけた。しかしこの時、みさ先輩は競技に夢中(というか真剣。これも素敵な姿勢)だったため、設楽さんへ返事をすぐに返せず、一瞬間が空いてしまった。

そこに、みなみちゃんの「ご飯?」である。

あのくだりは、一見みなみちゃんのテキトー発言のように見えるが、実際はそうじゃない。

あの一言によって、 
 ●バラエティ番組におけるタブー「無言の時間」が出来てしまう
 ●(関係性があるとはいえ)大先輩である設楽さんを無視してしまう

この2つの問題を同時に回避した。つまりあれは、上記の危機的状況に相対したみなみちゃんが咄嗟に放った”繋ぎ”の一言だったのだ。

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さらにすごいのは、この流れの直後の、設楽さんの「星野わかるの?」からの「分かりません!」のやり取り。これによって、上記のテクニックを”いつものテキトー発言”という隠れ蓑で覆ってしまった。自身の披露した技術によって、自らのキャラクターをブレさせることをも見事に回避したわけである。

このように、”裏回し”的な役割を果たしつつポジションをキープし続けるという、6年選手みなみちゃんの手腕が光るワンシーンだったのだ。

余談だが、このコーナーの直前に行われたクイズにて、みなみちゃんが同じ誤答を繰り返す(時には相手の誤答をまた言ってしまう)場面が見られたが、あれは実は、珍回答の名手まあやに対抗するべく意図して行った”パターン”なんじゃないか、とニラんでいる。

まとめ

以上のように、みなみちゃんはとっても面白いのである。

飛び道具的なポジションに収まらない、”テレビ”というショーを作り上げる一翼としての役割を十分に理解した素晴らしいタレントなのだ。

最近では単独でバラエティ番組に出演する姿も見られ始めた。既に地力は付いている彼女が勢いに乗ったとき、どれだけ活躍してしまうのか、どれだけベテランMCに頭をハタかれてしまうのか、それがもう楽しみで仕方ないってなもんだ。


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