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予測不能な落語家、柳亭明楽師匠④

こんにちは。勝手に応援記事(変態)のパート4になります。実は、今日書く出来事を自分が感じたことを忘れてしまわないように書いておきたくて、スタートした記事になります。

それは5月3日。
新宿末廣亭での披露興行の3日目が明楽師匠初主任の日。

大初日1日は1日で勿論楽しくて、初日らしいソワソワムードというか、楽しい中にもヒリヒリしたものを感じるし、小痴楽師匠が司会+楽輔師匠の名代を務めてらしたのもグッとくるものあるし、明楽師匠は「粗忽長屋」の粗忽らしさがいつも以上にあふれ出てて、これからの披露興行が本当に楽しみになる1日でした。

初日の参加賞をキャッチ!

(ちなみに瀧之丞さんの時に参加賞頂いてしまいました。1日はまだお休みではないのか、前方にお子様とか若者とかがいなかったのよ…私で申し訳ない。「千葉から来ました」とか言っててしょーもない(事実だから仕方がないのだが)。ただ、とてもソワカでございました(?)。ありがとうございます。ユメショクのこと思い出しましたよ。フフ。)

そして5月3日…の前の4月26日に遡りますと、西新宿ミュージックテイトさんで二つ目最後の勉強会が開催されていました。二つ目最後の高座でもあったと言っておられたのではないかなと思います(確か。。。)。

披露パーティーの思い出や披露目の楽しみ方ガイドみたいな話も沢山聞けて良かった。そういったこともあり、もう客席はすっかり披露興行応援ムードで、そんな雰囲気も好きでした。お別れというわけでもないのに、終演後の名残惜しい感じ、あれはなんなんだろう、不思議ですね。皆さんそれぞれエールを送っておられましたね。ただ落語については、この会場でいつものようにこじんまり楽しくても、披露目という異世界ではどうなるんだろう…と自分は想像できずにいました。まくらで真打として末廣亭にあがることへの想いなどもチラリとお話しされていたので、どうなるかわからんけど、とにかく頑張って欲しい、というか貴重なこの機会を楽しんで欲しいよねと。(私に言われんでもそうなんだが)

二つ目最後の勉強会

そしてやってきた5月3日。
11時から夜の部の整理券配布がありましたが、私が着いた時間は昼過ぎだったので既に50番台。余裕で席は確保できる番号ですが、完全にGW突入ということもあり、初日と比べて整理券番号の進みが早く、良い席で見られるんだろうかという不安が半分と、パンパンに入った方が盛り上がるので期待が半分という感情で、嬉しい動悸がありました(?)。

整理番号の列に並んでいると、GWということもあってか実は披露興行というのは知らずにいらっしゃった遠方の方や、GW中に披露興行の他にも東京の寄席巡りをされている遠方の落語ファンの方が近くにおられて、祭りのテンションも借りて、楽しくお話しさせて頂きました。こういうの良いすね。

そしてほどなくして開場。この日は2階席も開けるほどのパンパンということもあり、末廣亭のお姉さま方が誘導してくれた結果、思った以上に前方の隙間に収まることができました。「べ、別に私が選んだ席じゃないんだからね!フンッ!」と吉好師匠のツンデレ指南ばりに心の中で勝手に練習もできたので、ありがたいなと。

会のレポートみたいなのは得意でないもので(みっちり書きたくなりすぎて収拾が付かなくなるタイプ)、他の良記事をご覧頂くと良いかなと思いますので、その辺りはおまかせし、トリの明楽師匠について。ネタは「禁酒番屋」でした。すっごく楽しくて、噺が進むにつれ、客席もどんどん盛り上がっていて、その空気に乗るというか、その感じがすごかった。

自分は元々お笑いファンで、小さな10~30人程度の会場で見たこともあれば(主)、大きな会場で見ることもあります(かなりマレ)。ホール落語みたいなレベルを沢山見ているわけではなく、突然バカでかいところを見るという感じですかね。M-1グランプリの敗者復活戦の大井競馬場とか、いつかの年の準々決勝の両国国技館とか。そういう色々な大きさや格の違うライブを見ていて、ふと思う事があるのです。

芸人さんの能力には「ギャグのセンス」「演技力」「瞬発力」とか色々な能力があると思うのだけど、「場を支配する」みたいなものってあるんじゃないかなと思っています、よくわかっていないのだけど。(これ実はこういうものではない?っていうのがあれば聞きたいので教えて欲しい)

「支配」って言葉は少し強烈で、そんな好戦的なものをイメージしているわけではないのだけど、似ているイメージで言うと「期待に応える/対峙できる/飲み込まれない」みたいなものを考えてます。大きな会場や大事な場面では、ネタだけではなく、それに加えて「その大会場に通用する力」を持ってないと響かないと思ってる。大会場に来る前に先に知名度があがってしまえばウェルカムになってゆるくなるんだけど。ネタで発せられる言葉の並びには出てこない不思議な力みたいなものがあって、そういったのを早く身に着けた人がどんどん突破して上にあがっていくように思う。

勿論、今までも明楽さんは末廣亭には何度も出ておられるので、会場の広さには慣れていると思う。ただ、自分が主任という興行で出るとなると今までと同じではなくて、自分がトリでお客さんを全部引き受けなければいけないという大事な場面だと思う。そんな場面で、お客さんをグイグイひっぱりこんで笑わせる、そういう明楽師匠が見られたのです。この高座は何とも不思議なものだったように思います。ちょっとアワアワしているところがあっても「やらかし」に終始するのではなく、笑いを浴びて、それで楽しく踊って倍に返すような(よくわかんなくてすいません)、なんというか楽しんでるのかなと思わせるような瞬間がいくつもあって、めちゃくちゃに驚きました。数日前に勉強会で見たものとこんなに違うのかと。沢山のお客さんの「気」を自分の力にしてるという感じがしました。自分は見ているうちに「うわ、ここも、ここも、ここも面白いんだ!」とどんどん面白ポイントが貯まりすぎて、気づいたらぶわーっと涙出てました(怖すぎる!)。自分の機能の中で、この感情を処理できる機能がそれしかなかったんですね(できれば新しい機能を増やしたいよ)。

終わった瞬間の何となく会場に漂うふわっとした満足感のような雰囲気も凄いなと思いながら、ここで浸ったらとんでもない変態になってしまうと思い、キリッとし直して何とか会場を出ました。出た先には、これまたすごく大勢のお客さんが師匠を囲んでいらっしゃって、皆さんの満足度がそこに現れていたと思います。少し歩いたところで、入場列でお話しした遠方の落語ファンの方がいらしたので、また少しお話を。その方は師匠を初めてご覧になったようで「今まで見たことないタイプで面白かった!」と感激されたご様子で、なんだかこちらも勝手に嬉しくなりました。(誰目線?)

いつの日か、またお会いする日が来るといいな。面白いネタから楽しい会話も頂けたという、演芸見るファンとしてとても幸せな1日となりました。感謝。

さて、披露目の方はシーズン2、浅草演芸ホール昼席が20日で最終日を迎えるところだそうです。
(自分は予定を入れてしまっていて見に行けないのですが)

少し時間をおいて、締めくくりのシーズン3、6月11~20日が池袋演芸場。
その後は単発的に日本橋亭や国立演芸場、そして仙台花座と名古屋大須演芸場と披露興行は続く模様です。

お忙しい時期、告知が中々できないのだと思うので何とか自分で情報収集して(前からそうだよ)、沢山見に行けると良いなと思っています。

<勝手にオススメ>
お江戸日本橋亭 柳亭明楽真打昇進披露興行
2023年6月23日金曜日
開場時間17:30
開演時間18:00
番組(出演順):柳亭信楽 三笑亭夢丸 柳亭楽輔 
        宮田 陽・昇 柳亭 明楽
問合せ:芸術協会のサイトには芸術協会の電話番号しか
    書いていませんでしたが、明楽さん公式サイトの
   「お問い合わせ」または「LINE」のところから
    お問合せされてみるのも良いのではないでしょうかね。(何者?)
    https://ryutei-meiraku.com/

(芸協告知URL)https://www.geikyo.com/schedule/rakugo_detail.php?id=35566

素敵なエピソードが聞ける予感がしますね。

物語は続くけど、記事は一度ここで終わり。

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