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写真からの創作①

Hi!JO1の木全くんのセルフィーの写真

「起爆スイッチを押しそうだ」と友だちと盛り上がっていたらストーリーが思いついたので始めて小説っぽく書いてみました。
創作が苦手な方はご遠慮ください!!


 俺は今どこにいるんだ、知りえる情報は降り続ける雨の音とコツコツという靴の音だけである。靴の音は一定の速度で右にいったり、左にいったりして止まる気配はない。

 俺は昨日いつものように部屋で酒を飲んで眠りについたはずだ。それなのに今俺は体の自由は奪われ目隠しをされ、口にはガムテープを貼られ座らされている。

 鳴り響く靴の音がぴたりとやんで、ふり続ける雨の音だけが聞こえるようになった。

「そろそろ教えてもらおうかな。去年の今日君がどこで何をしていたのかを。」

 そう声がすると靴の音はコツコツと俺の方に近づいてきて、その気配は俺の前でぴたりと止まった。そして俺の口に貼られていたガムテープを優しく剥がした。

「これでしゃべれるようになったでしょ。去年の今日、三月十日君は何をしていたの。」

「そんなことよりお前誰なんだよ、ここどこだよ。何がしたいんだよ‼目隠し外せよおいっふざk」

 そこまで言いかけると太ももに鋭い痛みが走った。

「いっった、、」

「質問に答えてもらってもいい?」

 頭の上から優しい声が聞こえてくる。そして顔に手が触れたと思うと、視界が一気に開けた。太ももの痛みはどんどん増していく。

「いってえなおい、ってめぇ!」

 太ももに目を下ろすと、俺の太ももには果物ナイフが刺さっていた。

「大丈夫。そんなに深く差してないから、血もあんまり出てないでしょ。だからさ早く質問に答えてもらっていい?」

 状況がつかめない。やっと開けた視界には一人の知らない男が写った。黒い前髪は目を隠す長さがあり、表情がつかめない。手には何かのスイッチをもっているようであった。

「もしかして思い出せない?二年前の今日もね今日みたいに雨が降っていて肌寒い日だったんだよ。僕はね駅のホームでずっとあの子の帰りを待っていたんだ。でも帰ってこなかった。その日は僕たちの記念日だったんだよ。僕はねプロポーズしようとしていたんだ。花束をもってホームで待っていた。でも帰って来なかった。」

 男はまたコツコツと靴音を鳴らし、歩き始めた。知っている。もちろん知ってる。二年前の三月十日それは俺にとって忘れたくても忘れられない日である。

「だからね聞いてるの。その日君は何をしていたの?なんであの子は死なないといけなかったの?」

「そんなの俺だって知りたいよ‼ってかお前誰だよ‼記念日ってなんだよ、、何なんだよ、、」

 二年前の三月十日それは俺の彼女が自殺した日である。彼女とは同棲していて、プロポーズする計画もたてていた。そんな彼女はブラック企業で働いていて、精神的に追い詰められていた。俺は何度も仕事やめなよ、働かなくていいよって言ったけど、彼女は仕事を辞めなかった。人一倍責任感が強かった彼女は、三月いっぱいでやめさせてもらうことにしたから、あと一か月頑張るねって、その日も作りきれていない笑顔で手を振って家を出ていいた。その笑顔が俺の見た最後の彼女の姿だった。

 男は俺に近づいてきて、太ももに刺さっているナイフをつかんだ。

「な、何するんだよ」

 男は俺の言葉には反応せず刺さったままのナイフをさらに奥に押し込んだ。

「っっっっってえ!!!」

「質問に答えてくれる?」

「わかったから。わかったから!!」

 太ももには何か温かいものが流れている感覚がしたが怖くて見ることができなかった。

「お、俺はあの日彼女を見送ってから、二度寝をしていた。その日は仕事が休みだったんだよ。それで彼女からの電話に気付くことができなかった、これで十分か⁈お前は誰だよ何が知りたいんだよ‼」

「そうか君はあの子が苦しんでいるときに眠っていたんだね、それであの子は死んでしまったんだね。君みたいな男があの子の傍にいたから、僕のがあの子を愛していたのに。僕があの子の傍にいたら、死ぬことはなかった。」

 僕のが愛していた・・・?

「お前誰なんだよ?彼女と俺の何を知ってんの⁉俺は彼女を愛していし彼女も俺を愛していた。四月になれば仕事を辞めて、体調も良くなってまた二人で幸せな暮らしがおくれるって信じていたんだ!」

「僕もねあの子を愛していたよ。名前も知らないし、しゃべったこともないけど愛していたの。あの子はねこんな僕に笑いかけてくれた。人生を終わらせようとしてた僕に声をかけてくれた、手を差し伸べてくれたんだ。」

 思い当たる節があった。四年前彼女が思い詰めた顔をした少年がホームのふちに立っていたから声をかけたって。三月十日の出来事だった。

「彼女がいなかったら僕はもう死んでいた。どうしようもない人生だけどあの子に生かされた人生精一杯生きようとした。それでも辛くて死んでしまいたい毎日で、仕事が終わって夜遅くに帰ってくるあの子に会うということだけが僕の生きがいだった。けどもうあの子はいない。僕の生きる意味はない。」

 男はおいてあった台に腰を下ろした。光の宿っていない瞳でこちらを見つめ笑いかけてくる。

「彼女を守れなかった君と、あの子に守られた僕。同じ人間を愛してなくしたもの同士しんじゃお。どうせ君も彼女がいないと生きていけないんでしょ?ね、あの子のことを思って一緒に死のう。」

 確かに俺は彼女が死んでしまってからろくな生活を送っていない。あの時二度寝していなかったら。あの時電話に気付くことができていたら。戻すことのできない時間を戻すことができたらそんなことを常に考えてしまう。彼女の死を止めることができなかったという責任が重くのしかかっていた。このまま死んでしまってもいいのかもしれないそう思った。

――――ごめんね今までありがとう。世界で一番愛しているよ。バイバイ。

 脳内に彼女が最後に残したメッセージが流れた。

「お前の愛と俺の愛を一緒にするなよ!」

 台に座っていいる男は、最後に俺に笑いかけ、手に持っているボタンを押した。


@offcial_jo1


初めて書いてみたので、詰めが甘々です^_^最後の方とかかは全く納得してません!!でも楽しかったのでオールオッケーです!!また書いてみたいって思えました!!
ぜひまた読みにきてください!

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