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桜とミモザ
情動が揺さぶれるような大きな救いではなくて日々の小さな出来事から、絶え間なくあなたから私へ、酸素が巡っている様に肌が感じている。
呼吸が楽になる。
出逢った頃はくっついたり離れたりふわふわとしていたけど、今は身体が響き合ってるみたいにタイミングがあうことが多く、それを不思議に思うこともあるけど間違いなく一緒に過ごした日々がそうさせたのであろう。
貴方が孤独のままにある時に、貴方はそんな事にも無自覚なままずっと私を誘い続けて、私も貴方を受け入れ続けていた。当時きっと貴方は誰でもよくて、私も何でもでもよくて、それでも互いに選んでそこにいた。
貴方は私で私は貴方。
何処かが溶け合っている実感があって、その境目が揺らいで分からなくなっきてしまっているような気もするけど、貴方の神域を私は守りたいと思うし、もうそれが何かずっと分かっている様で、一生分かることはないと感じながら一緒にいるけれど、それでいいと思っている。
私が突拍子もない事をする度に、とりあえず死ななきゃいいよと言う事が増えた。見守りはしないよ、というけれどずっとただそこに居続けてくれること。それがどれだけ支えになってくれているか貴方は知らないであろう。こういう話を彼女にしたことはないし、この先もそれを伝える気はないけれど、それでも。
春先に桜を観に行った。
私とは正反対な細く柔らかい桜色の髪の毛が可愛いくて、前髪が癖っ毛で梅雨時期などは特に花輪くんみたいにハネていたあの少女の面影が薄くなってきた。
それでもあなたの揺らぎからでる”それ”はずっと変わらず恐らくこの先も在り続けるのだろう。
どんな人間になったっていいし何をしたっていい。
貴方が桜になるならば、その草原に咲くミモザになろう。
そうやって世界が豊かになっていければ、それでいい。
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