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縁によってイノベーションを起こす エヌエヌ生命保険株式会社の新規事業開発

シェアオフィスに入って社外の人も顔を合わせ、社内メンバーとも頻繁にMTGを重ね、毎日対話と出会いの摩擦を起こしてきたのは遠い昔のことのよう。
2年前まで普通だった世の中はオンラインでの対話となり、摩擦が起きることはなくなりました。
その中で当時オフラインコミュニティを運営していた新規事業を担当しているエヌエヌ生命保険株式会社の事業開発担当のおふたりにお話をお伺いしました。(聞き手 Spready柳川)

追加01

エヌエヌ生命保険株式会社  菊地原様(左)山崎様(右)

-----------------まず、エヌエヌ生命保険株式会社における新規事業の位置づけについて教えて下さい

オランダにルーツを持ち、175年におよぶ伝統を誇るNNグループは、欧州および日本を主な拠点とし、20ヵ国にわたり、保険および資産運用事業を展開しています。
そんな安定した基盤がある中、2016年から各国のNNグループ企業で「SparkLab」という新規事業組織が立ち上がりました。目的は「保険以外の領域でイノベーションを起こす」ためです。日本でも2017年にSparkLab Japanが立ち上がりました。

-----------------現在取り組まれている事業「家業エイド」のスタートの背景は?

SparkLab Japanが立ち上がってから、まずはなんのテーマで事業を立ち上げるかの議論やリサーチをする日々でした。
テーマ設定をする上で大事にしたことは、”Tackleするに値するWicked Problem”を見つける、でした。。”Wicked Problem”というのは、厄介な問題で解決が困難もしくは不可能だと諦められている問題を指します。
イノベーションは人々が解決に苦戦していたり諦めてしまっている問題に向き合ってこそ生まれるという発想からでした。
いくつか日本で起こっている”Wicked Problem”を挙げた中で、エヌエヌ生命保険株式会社の既存事業ともシナジーがある「事業承継問題」をテーマとして設定し、それを因数分解していく中で新規事業を模索しようと決めました。

テーマを決めてからも紆余曲折があり、まずは事業承継の問題を抱える中小企業の経営者の一次情報を得ようと試みましたがなかなかたどり着くのが難しく苦労しました。(この時期にSpreadyがあれば...!)
そこで辿り着いたのが”実家が家業を営んでいる”お子さんたちでした。実際に話を聞いてみると意外と横のつながりを求めているという潜在的なニーズや、似た境遇の家業持ちの方達が草の根的に集会を開いているというムーブメントの兆しを目の当たりにし、後の「家業エイド」に繋がる「グラフトプレナー 」というコンセプトを基に本格的な活動を始めました。

-----------------「家業エイド」とはずばりどんなコミュニテイなのでしょうか?

「家業エイド」は家業持ちのためのオンラインコミュニティです。これまで累計1,000名以上の方にご利用いただいています。家業持ちのための情報メディアとして、リアルなストーリー・体験談を読むことも出来ます。
実家が家業持ちといっても「継ぐかどうか」を迷っている方もいらっしゃれば、「継がない」ことを決めた方もいらっしゃいます。最近では、そのままの形では継がないけれど、自分のやりたいこととミックスさせ、新しい価値としてビジネスを創造する「サードウェイ」(継ぐ・継がないではない第3の選択肢)を選ぶ方がかなり増えてきている印象です。
時代が変化する中で、家業をそのまま継ぐのではなく、時代に合った形で、そして自分たちの得意な領域で価値の掛け算をされてるんですよね。
ただ今までは「継がないけど何もやっていない訳ではない。むしろ自分流の関わり方を見出して家業と向き合っている」状態やそういう人達を表現する言葉や概念がなかったんです。。だから家業との向き合い方を模索する中での葛藤や課題感を共有したり相談したりする機会も殆どなく結果として自分でどうにかするしかないと半ば諦めてしまっているケースが非常に多かったのではないかと思います。同じ立場の人同士でないと話しづらいテーマなんですよね。
一番最初にイベントを行った時に「サードウェイの選択肢があるよね」という話をしたところ「よくぞ言ってくれた!」と歓声があがりました。

-----------------実際イベントではどんなことをお話されているんですか?

「家業エイド」では「つながる、たすけあう、うごきだす」をテーマにしています。例えば、実家がきゅうり農家をしているメンバーさんがイベント時に「まだきゅうり栽培については新米だけれども、規格外だという理由で大量に廃棄されてしまう大切に育てた本当は美味しいきゅうり達を救いたい」とイベントに参加していた他のメンバーに打ち明けたところ、同じく廃棄食材の問題をどうにかしたいと考えていた飲食事業を経営するのメンバーが「一緒に規格外野菜でピクルス作ろうよ」とコラボレーションを申し出てくれて、そこにクラウドファンディングの運営に携わっているメンバー(実家の家業は別事業)がアドバイスをして...と事がみるみる進んだことがありました。

皆さん家業と自分の歩んできたキャリアという、複数の軸を持ってらっしゃる方が多いので、こうしたコラボレーションが起きやすいんですよね。アセットが豊富といいますか。


-----------------まさにコラボレーションですね!

そうですね、こうしたコラボレーションをどんどん生み出すコミュニティにしていきたいと考えています。動き出すきっかけを作ることで応援したい。

-----------------Spready導入のきっかけを教えて下さい

まさにコラボレーションを起こしているサービスがあるということで紹介されたのがきっかけです。
自分たちがコミュニティでやりたいことを実践されているので、参考にしたいと思ったのが最初でした。

当初は具体的にどう使うかイメージが付いてなかったのですが、
「家業エイド」の事業を進めている中で、自分たちの課題感が明確になったタイミングがあり、その課題こそ人のつながりで解決できるのでは、と考え利用を開始することにしました。

-----------------実際利用されてみてどうでしたか?

すごい勢いで人がつながっていくな〜と感じました。

具体的なコラボレーションも起こっていまして、連携する方に出会えたり、
僕らが今後事業を進めていく中で、将来的に話したい方と先に出会えたり、そういった方と壁打ちさせてもらえたり。
キーワードをくれる、気づきをくれる方にも出会えました。

実は今のリモート体制になるまでSparkLab Japanはシェアオフィスに入居していたんですね。
シェアオフィスって社内の人とも対面でもちろん議論しますが、そんな議論している場所に社外の方がたまたま入ってきたり...摩擦が毎日起きるんですよね、自然と出会いが発生するといいますか。そしてシェアオフィスのコミュニティマネージャーのフィルターもかかっているので、出会いの質も良かった。

時代が変わり、対面での出会いの摩擦がなくなってしまった今、単純に出会いの総量が減りましたし、出会う人は自分が話したい”話が合う人”に偏ってしまいますよね。
Spreadyを通じて出会う方たちは、自分たちのつながりの「外」の方たちですので、例えば自分たちだけでは思いつかなかった考えを持っていたり、自分たちの取り組みにご意見をいただける方との出会いもありました。
良い意味でこうした摩擦を発生させられていると感じます。
スプレッダー(ユーザー)さんのフィルターもかかっていますしね。
縁によってイノベーションは起きると考えていますが、Spreadyは縁を起こしてくれる縁起の良いサービスだと感じました。

契約を決めてからのユーザー体験もめちゃめちゃ良かったです。
契約から掲載までがとても早く、とにかくスピード感すごかった。新規事業部隊としてはスピードが肝なのでありがたいですよね。

-----------------今回、既存事業の山崎さんもご利用いただき始めましたが、そのきっかけは?

わたしは、既存事業(保険分野)で事業開発を行っているのですが、事業開発のパートナー探しやアライアンスのヒントを探したいと考えており、外の繋がりをうまく活用している印象のあった菊地原さんに相談をしたところ「それはSpreadyを使うべきだよ」と紹介をいただきました。

ちょうど周りでも誰かのつながりや紹介のほうが結果につながりやすいという体験もありまして、サービスのコンセプトはすぐ理解できました。

一人で事業開発を担当していると、なかなか外とのつながりを作るのが大変という課題があるので、大変助かっています。
また、掲載プロジェクトの作成にあたってSpreadyさんとのディスカッションも良かったです。まだ走り始めの事業フェーズで、こんなに客観的に事業の魅力や方向感を議論し言語化していくことは貴重な機会と感じました。


-----------------今後Spreadyに期待することはありますか?

Spreadyから紹介されてくる人は紹介の質は高いのはもちろんですが、そこに少し幅の広さといいますか偶然性も加味されていると感じます。
新規事業担当者はその偶然性や出会いの余白を楽しみながら価値創造に繋げるスキルや経験が必要だと考えているので、Spreadyは新規事業担当者のオンボーディングにも使えるかもしれないですね!


菊地原さん、山崎さん、ありがとうございました!
ぜひSpreadyにご興味をお持ちいただいた皆さまはこちらからお問い合わせください。

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