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ISSUGIが"GEMZ"で魅せた進化

 筆者が1番好きなラッパー、ISSUGIについて書きたい。新アルバムの”GEMZ”(ジェムズ)の東京リリースパーティーが延期になったが、幸い中止ではなかった。落ち着いて彼の音楽を聴ける日を待ちたい。まとまらない文だが、少し付き合ってくれたら嬉しい。

ISSUGI(イスギ)

東京を中心に活動するラッパーで、MONJU(仙人掌、Mr.PUGと共に)やSICKTEAM(5lack、BUDAMONKと)のメンバー。Dogearrecordsの顔。また、16Flipという名義で、トラックメイカーとしても活動。要は、めっちゃ多彩で、常に動きまくっている。アルバムやEPのリリースする頻度が半端ない。特に、7INCTREEという企画では誰かとコラボして12ヶ月間作り続け、「毎月、曲を発売する」という荒技もこなした。

New Album "GEMZ"

さて、今回2019年12月11日に発売された、新アルバム"GEMZ"をみていきたい。このアルバムは、全曲バンドの音を取り入れている。内容は、以前リリースした曲をバンド形式で録り直したものと、バンド形式での新曲で構成されてる。

ISSUGI自身はインタビューでこう語っている。

バンドの音を取り入れたりとか、今までやってきてなかったことやったりして。でもだからこそ、その中で自分の芯にある感覚を大切にしたいと思ってるんです。

ただ色々なものに手を出すのではなく、信頼するメンバーと自分の信念に従って新しいことをする。そこに、ISSUGIのセンスが見える。唯一無二。

以前リリースした楽曲を、バンドの上で再構成した曲は、非常におもしろい。過去のオリジナルの楽曲と聴き比べると、個人的にフローがより自分のものになっている感じがする。JJJが「ライブをこなすと、曲を録った一発目よりフローが進化する」っていうような話をしていた。まさに、GEMZはそのような印象が強い。フローが進化しているのはISSUGIだけでなく、「踊狂 REMIX」の5lackのヴァースでもそれを顕著に感じた。やはり多くのライブを全国でこなしているからだろうか。ISSUGIの「俺の言葉は現場に残る」というリリック通り(Album "DAY and NITE"から)。

また、アルバムにベースとして参加したバンドWONKのKAN INOUEはツイッターでこう投稿している。

バンドとヒップホップのサウンドへの想いは語ればキリがないけど、端的に言えば「バンドにラップをのせたサウンド」ではなくて、「楽器を使ったヒップホップのサウンド」が大好きということなんだろうな。The RootsとかSoulquariansが築いてきたのは後者だと思う。そういうのを日本でやりたかった。

ISSUGIはDogearrecordsの面々などから始まり、イケてる人と繋がっていく。「その人の作る音楽がカッコいいか」が、彼らの一緒に音楽ができるかという基準なのではないか感じる。年齢は関係ない。例えば、年齢が上のKojoeとも多くの楽曲を作るし、このアルバムにも参加している。また、Kid Fresinoとも昔から繋がっている。そのKid Fresinoは、彼自身のアルバムにISSUGIを呼んだ経緯についてこう話している。

フィーチャリングでお願いしたISSUGIくんは自分の先輩であって、ケンドリック・ラマーが〈M.A.A.D City〉で地元コンプトンの先輩であるMC Eihtをフィーチャーしているようなイメージです

また、ISSUGIは自分が出たバトルなどに字幕が付くことを好まない。目で字幕を追うことになり、ラッパーのフローが感じられなくなるからだそう。なるほど。

多くの人が言う「フロー」が三次元だとすると、彼らが言う「フロー」は四次元やそれ以上なのかもしれない。彼らは言葉1つ1つの丸みや呼吸まで感覚に落とし込んで、ラップしている気がする。

ISSUGIは、シーンでの立ち振る舞いにおいても日本のヒップホップの底上げに貢献している。彼のリリースパーティ(福岡、大阪)が中止になってしまったとき、自身のブログでこう綴っている。

こういう時、楽しみにしてくれてた皆が「ISSUGIのLIVEもなくなっちまった、、」ズーンみたいな笑。ただ重い気持ちになって終わって欲しくなかったから オレは皆を楽しませる事で何が出来るかな? と考えた時に速攻で今日までにGEMZの16FLIP Remixを何曲か作って皆に聴かせれたら喜んでくれるかなと思った。
だから良かったら聴いてね!ワクワクしながら作れたよ。

そして、新アルバムGEMZの中からGEMZ introと踊狂、再生の3曲をリミックスしSoundCloudにアップしている。行動力と技術に脱帽。でも、常に作るのが彼らの日常なのだろう。東京でのリリパが延期になった際も、販売予定だったTシャツなどをMIX CD付きでオンラインショップにて販売してくれた。

 落ち着いて遊べるようになったら、ぜひGEMZ東京公演に参加したい。アーティスト、クラブ業界にピース。

音楽について長い文を書くの初めてで、まとまらない文になりましたが、読んでくれてありがとうございます。

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