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『ガンフロンティア』はアケアカで味わうか、イーグレットIIミニで味わうか

僕達は、待っていたんだ

タイトルが発表されたときから、この言葉が私の周りに飛び交っていた。私も、このような形で実現することを待っていた。

過去のアーケードゲームを現在のゲーム機で復刻するシリーズ「アーケードアーカイブス(以下アケアカ)」で先日発売された『ガンフロンティア』。
本作は、タイトーからアーケードゲームとして1990年に発売された縦スクロールSTG。
1800年代のアメリカにおける「西部開拓時代」を宇宙に置き換えた、22世紀の「宇宙開拓時代」が舞台。宇宙海賊に支配された世界を救うために2機の戦闘機が出撃する。

拳銃をモチーフとしたメカデザイン、砂漠や荒野を駆け抜け、街に到達すると馬車をモチーフにした戦車が走るなど、全編にわたって西部開拓時代を再現した映像と演出、そこから感じるストーリーに魅了されたファンも多い。

本作のデモ画面で語られるセリフ「僕達は、待っていたんだ」は、ストーリーの一片を見るようで、本作を象徴する言葉として語られる(キャッチコピーなどに使われたわけではない)。

本作を含め、タイトーが発売したSTGは、映像や音楽などの演出で大きなバックストーリーを見せる作品が多い。しかもその方向性は大きく分けて2つある。
ということを、以前noteの記事で書いているので、併せて読んでいただければ幸い。

アケアカよりイーグレット

私も本作に触れるのは本当に久しぶりだが、難易度が高いことを改めて実感する。

本作は、自機の移動速度が極端に遅くスピードアップもないので、追いかけてくる弾から逃げ切れないなど弾避けが難しい。だから弾は「避ける」のではなく、軌道を「先読み」して移動するのが主な攻略。
幸いにも、本作で敵が撃つ弾は主に棒状で方向がひと目でわかるので軌道が読みやすい。というより、読みやすくするためこの形になったと見ている。

それが分かっていても、ゲーセンターでプレイしていた時は3ステージ程度まで。STGは好きだが上手くはなかった。
でも、今回はいくらでもコンティニューできるし、どの場面でもセーブして再開できる「どこでもセーブ機能」があるので難しくはないはず。
…ではなかった。再開するには一度トップメニューに戻るので若干手間がかかる、始めたらまた即死、特にラストステージでは全く歯が立たない。

そこで、少々不本意ではあるが、タイトーが発売したアーケードゲームのミニ筐体「イーグレットIIミニ(以下イーグレット)」に収録された本作をプレイする。
こちらは、セーブポイントを3ヶ所まで作成可能で再開もスムーズなどセーブ機能が充実しているので、こういう時こそ効果を発揮する。

それでもクリアまでロード回数100回で済んだだろうか…というくらい繰り返した。本当に難しいゲームだったが、30年越しでラストシーンの対決とエンディングを体験することができて感動している。

2つの環境、どちらを選ぶか?

ということで、本作はアケアカとイーグレットという2つの環境でプレイしたが、両者ではゲームに対する感じ方が大きく異なることが分かった。

例えば、ステージ2で森を飛行する場面。

ここで音楽と共に飛行機のエンジン音が鳴り響くが、イーグレット本体に搭載されたスピーカーは若干チープなので音が聞こえない。でもゲームセンターでも同様のことが多く、こちらの方が当時を思い出す。
これがアケアカでスピーカーに繋いだ環境なら、エンジン音が鳴り響いて巨大な機体が迫り来る場面を盛り上げる。

言わば、どちらでプレイするかによって、ゲームセンターの環境を味わうか、ゲームの世界を味わうかが変わる。しかも、今はその両方を味わうことができる。
そんな今の環境は幸せと言えるだろうかと、両者が持つ魅力を味わった次第。

さて、次はアケアカ版でクリアを目指したい。

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