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『イーグレットIIミニ』レポート2・タイトーSTGが見せる2つの方向性

先月購入してnoteに記事を書いていた『イーグレットIIミニ』について。

収録タイトルの中で、基本的に「撃つ」ことを主体としたシューティングゲーム(以下STG)は10タイトルある。
その中で『スペースインベーダー』『ルナレスキュー』は先日の記事で書いた。また『究極タイガー』(1987年発売)『TATSUJIN』(1988年発売)は、東亜プラン開発のゲーム。
今回はそれ以外、タイトー開発のSTG6作をプレイして、改めて感じた「タイトーSTG」について書いてみたい。

80年代タイトーSTGは「持久走」

80年代に発売されたSTGは、背景が流れていく中で出現する敵を破壊していく、スクロールタイプのものが多い。

ハレーズコメット(1986年)

1986年と言えば、約75年周期で太陽系を周回する彗星「ハレー彗星」が地球に接近すると話題になった年で、当時はニュースなどで大々的に報道され、ハレー彗星に関するグッズが続々と発売されるなどブームになっていた。そ中で発売されたタイトル。

ブームに乗った商品と言ってしまえば身も蓋もないが、ゲームではパワーアップにより驚異の破壊力で突き進む、そしてボタンを連射するほどそのパワーは増大する「連射は力」の精神、ただし1ミスすればその全ては消滅するという緊張感。
そこにSTGとしての醍醐味が詰め込まれていた、良作の一つだったと記憶している。

そのステージは、地球から始まり、金星・彗星・太陽・冥王星(ゲームでは『PLATO』と記載、正しくは『PLUTO』)・海王星…と、当時太陽系の惑星とされていた10の天体を目指す。
そして、各惑星は宇宙戦2ステージ~敵基地1ステージの計3ステージに区切られている。つまり、全惑星を突破するには30ステージと、STGとしては驚異のステージ数。

私は当時、せいぜい10ステージ程度しか進めなかったので、この機会に全30ステージクリアに挑戦した。
ずっと同じような敵が出現するのを延々撃ち続け、1時間以上のプレイでついに到達したが、ラスボスと言えるものはあるのか、エンディングはあるのか?という期待を持っていたら…。

何事もなかったかのように2周目31ステージ目が始まり、挫折する。

スクランブルフォーメーション(1986年)

東京の上空を飛行して戦闘を続ける縦STG。国会議事堂から始まり、国立代々木競技場、今は無くなっている後楽園球場など、東京の航空写真が流れていく。当時はGoogleマップみたいに手軽に見る手段がなかったので、この映像は斬新だったのを覚えている。

ゲームの特徴は、敵を倒すと出現するオプションを使って、対空・対地に対応した「フォーメーション」を組んで攻撃していくこと。操作はレバーとショットボタン、フォーメーション切り替えボタンのみ、これでいかに場面に応じたフォーメーションを組むかが攻略となる。
ただ、敵の攻撃がかなり厳しくて、オプションを取得してもすぐ攻撃されて消滅する、維持するためには次々とオプションを取得していく、戦略よりもとにかく攻めるしかない。

しかも本作は、そもそもステージの概念が存在しないので、区切りがなく延々東京の上空を飛ぶ、じゃあどこまで進んだか?も表示されない。セーブ機能を使って、ミスしたら戻すを繰り返しながら1時間近く続ける。
その中で、驚異的に攻撃の場面があって「ここがたぶんラストステージ」と思いながら突破、再び国会議事堂にたどり着く。
これで全ステージ突破か、何か出てくるのか?と期待したら…。

また敵が出現する。何事もなかったかのように2周目が始まったので挫折した。

80年代のタイトーSTGを2作プレイした感想は、ほとんど持久走だった。

90年代タイトーSTGは「楽しむ」と「感じ取る」

そして、90年代のタイトーSTGをプレイするが、この時期に発売されたゲームには大きな特徴がある。それはゲームだけでなく、演出によって見せる、感じさせるアプローチがあまりに大きいことだ。
それは、ゲームとして「戦う」「攻略する」というより、映像や音楽、ゲーム展開から、その中に描かれているバックストーリーを感じ取り、受け入れることでゲームに没入していく。「感じ取る」「対話して理解する」という感覚が強い。

レイフォース(1993年)

ダライアス外伝(1994年)

その中でも『ダライアス外伝』『レイフォース』は、迫力ある映像演出やロックオンを使った破壊など、ゲームとして追求することがストーリーの追求にも繋がる、ゲームと演出、双方からのアプローチが強い
これは、1986年発売の初代『ダライアス』から続く見せ方なので、正しくは「90年代から際立ってきた」と言うべきだが。

ガンフロンティア(1990年)

メタルブラック(1991年)

一方で『ガンフロンティア』と「PROJECT GUN FRONTIER 2」として製作された『メタルブラック』は、ショットも乏しくスコア稼ぎの要素も少ないなど、ゲームとしては難が目立つ。
その中で映像や音楽、ボス戦でプレイヤーと互いにビームをぶつける「ビーム干渉」など、「何を描こうとしているか、何を伝えようとしているか」を感じ取ることで、ゲームという「その物語に自分が参加する」ことを実感する。

一方は「ゲームからストーリーを追求する」、もう一方は「ストーリーからゲームを追求する」、作り方と楽しみ方が双方で全く逆となっている。
タイトーのSTGは、この「楽しんで感じ取る」「感じ取ることで楽しむ」の2つあることが大きな特徴だった。

思い出の更新

そのため、私がゲームセンターで『ガンフロンティア』『メタルブラック』をプレイした第一印象は、どちらも「難しくてよく分からない」だった。
要因の一つとして、ゲームセンターではスピーカーから流れる音楽が小さくて聞こえにくいという「没入」の大きな要素が削がれていたことが大きかったと思っている。

でも後に、近所のゲームセンターで音量を大きく設定された『ガンフロンティア』をプレイしたことや、家庭用ゲーム機「セガサターン」で『メタルブラック』を購入してプレイしたのをきっかけにハマったのを覚えている。
没入できる環境がないと楽しめないのは、アーケードゲームとしては大きな欠点と言えるのかもしれない。

そのタイトルを今回、イーグレットIIミニでプレイすると、スピーカーから聞こえる音は若干チープで、家でそれなりに整えた環境とは異なる。ただ、それがゲームセンターで聞こえた音に近い。
今このような形でプレイして、ようやく理想的な形でタイトーSTGに触れることができたのだろうかと感じる。思い出を新たに更新していくような、そんな感覚。

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