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『イーグレットIIミニ』で思い出すのは、アーケードの良さと思い出と、

4月下旬からずっと入院していたわけだが、おかげさまで、5月には退院できましたということで。

退院祝いというわけではないけど、以前から欲しかったものをこの機会に購入した。

買ったのは『EGRETⅡ mini

『イーグレットII』とは、タイトーが開発した、ゲームセンターで稼働するアーケードゲーム筐体。そのミニチュア版が、タイトーが過去に発売したアーケードゲーム40本を収録して、2022年3月に発売された。
発売前からSNSなどで話題になっていて、私も欲しいとは思っていたが、購入はためらっていた。
理由は「楽しめるのか?」と思ったから。

「再現」を実感する

楽しめるか?と疑問を抱く前に、とにかく触れてみる。

まずは本体前面に設置されたコントロールパネル。
レバーは動かすとカチカチとリミットスイッチの音と感触がある。ボタンはしっかりと押した感触があるだけでなく、軽く押したり連打もしやすい。指2本で「ピアノ撃ち」をしても隣のボタンを押してしまうことはなく、ボタン同士が程良い距離で設置されているなど、小さいながらも違和感なく操作できる。

画面について。オリジナルのイーグレットIIはCRT(ブラウン管)だったが、ここでは液晶モニターに曲面を帯びた透明パネルが取り付けられている。
といっても、当時のように画面が若干ゆがんだり走査線まで再現はしていないが、画面が暗いときに自分の姿が映り込んでしまうなど、こんな感じだったなという感覚を思い出す。

また、アーケードゲームはタイトルによって画面の方向が縦・横と異なる。オリジナルは設置工事で取り外す作業が必要になるが、ここではワンタッチでできる。
その切り替えの機構や機能は実に面白いので撮影してみた。

入力系統は、本体背面に集約されている。

背面にあるのは電源スイッチ、別売りのコントローラーの接続端子、HDMI映像出力、音声出力。これを使って、モニターと外部スピーカーを接続して大画面でのプレイも可能になる。
最初はその環境でのプレイが主になると思っていたが、操作と画面の環境が実に良いため、むしろ本体のみの方がゲームセンターに近い感覚で楽しめる。

公式サイトには、本機のコンセプトとしてこんなことが書かれている。
EGRETⅡ miniがこだわったのは、思い出のままに遊べること
実際に触れると、そのこだわりが感じられる。ミニの効果はこういうところにあるのかと、良さを実感する。

思い出を振り返りながら

収録のゲーム40本はかなりのボリュームなので、その中で何作かプレイした感想を書いてみたい。

スペースインベーダー(1978年)

1978年に発売され、日本中で爆発的なブームとなり、日本のアーケードゲームはここから大きく動き始めたと言える、歴史的な作品。
また私にとっても、小学生のときに出会い、人生で初めて触れたアーケードゲーム。というか「沼にハマる入り口」だった、思い出深い作品。

本作をジャンルで分けるなら「シューティングゲーム(STG)」となるが、現在のSTG「敵を撃って破壊する」という要素より、インベーダーをどの順番で、どうやって撃ち崩していくかが問われる『ブロックアウト(ブロック崩し)』や『将棋』の発展系と言える。

ルナレスキュー(1979年)

『スペースインベーダー』をきっかけに、アーケードゲームが続々と発売された時代の1本。
ユニバーサルが発売した、隕石を避けてミサイルをUFOに撃墜させる『ギャラクシーウォーズ』から一工夫したゲーム、というのが当時の印象だったが、1つのゲームで常に「回避」と「攻撃」の2つ楽しめるのは新しかった。

影の伝説(1985年)

敵にさらわれたお姫様を救出するため、プレイヤーは忍者として敵と戦うアクションゲーム。手裏剣と共に、近接攻撃「クナイ」を振り回してさえいれば結構先まで進めるという遊びやすさと、スピード感あふれるアクションが楽しめた。

また有名な話だが、本作はデモ画面のときに、レバーとボタンである程度プレイヤーを操作できる裏技がある(イーグレットIIミニでも可)。
当時中学生だった私が、お金を入れても入れなくても楽しめたという思い出。

チャックンポップ(1983年)

アーケード版をプレイするのは初めて。
ゲームのポスターなどでは『ちゃっくんぽっぷ』とひらがな表記だが、正式名称は英語の『Chack'n pop』やカタカナ表記とのこと。
当時はゲーム雑誌で大きく取り上げられたこともあったので、一度プレイしたいと思い、近所や大阪市内のゲームセンターをいくつも走り回ったが、一度も見かけることはなかった。
このタイトルに限らず、1980年代前半はタイトーのゲームを見かける機会が極端に少なかったのを覚えている。

本作は当時のパソコン、PC-8801などに移植され、私はそれを購入して、全てのMaze(本作でのステージ表記)をクリアした。
その時に、Maze1・2で独自のパーフェクトパターンを作っていたので、動画に収録してみた。

後にファミコンにも移植されたが、操作や敵の動きなどで異なる点が多く、自分にとってプレイは困難だったが、今回アーケード版をプレイして、ファミコン版の方がよりオリジナルに近いことを知る。
でも、PC版はこの攻略と、テンキーの押し方でスムーズに移動できること、それらを味わった思い出のゲームなので、今でもPC版が最高だと思っている。

遠いところに来たと感じる時

本機に触れて感じるのは、アーケードゲームの良さと思い出、再現に対するこだわりと、もう一つある。

クイックス(1981年)

『クイックス』については、アーケードアーカイブスで発売されたものをプレイして、noteに記事として書いている。

小学生の時は1ステージクリアもできなかったが、今は軽く突破できることに喜びを覚えた。

ルパン三世(1980年)

『クイックス』と同じく、このゲームも小学生の時にゲームセンターでプレイしていた思い出のゲームだが、今回久しぶりに触れたときのことを、Twitterで書いている。

小学生だった私にとって、これらのアクションゲームは難しく、最初のステージですぐゲームオーバー、全く先に進めずに悔しい思いをしたが、それでも楽しかったのを覚えている。
それを今になってプレイすると、何の無理もなく簡単に1ステージクリアできてしまう。
その時期からずっと、もう40年以上ゲームを続けているのだから、腕が上がっているも当然ではある。

ただ、その時に出てきた感情は「喜び」だけでなく、何となく「いつの間にか遠いところに来たな…」というような、自分にとって「切ない」気持もあった。

復刻で得るのは「喜び」だけではない

最初に書いていた「購入をためらっていた理由は『楽しめるのか?』と思ったから」というのは、その「切ない気持ちの方が大きくないか?」と思っていたから。今回は、それでも自分の中で許容できると思ったから購入したわけで。
結局、復刻はそんな思い出も一緒に買うということ。

この機会に、思い出を振り返ったり、ゲームセンターで遊ぶことは楽しいと改めて思ったこと、それは「環境の再現」で味わえるなど、色々と得ることができる。
そんなミニの良さを実感した次第。

また、他のゲームについても書きたいことは多いので、後に書いてみたいと思う。

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