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ポメラDM200使用リポート・私が求めた「必要最低限」とは?

パソコンは何でもできる便利な機械だ。音楽も画像も動画も文字入力もできる、それらを全てネットで入手できる。
そんな便利なものを使っていながら、あえて一つのことしかできない、それ以外何もできないもの、むしろ「必要最低限のものだけ欲しい」と考えてしまうことがある。何ともわがままというべきか。

そんな「必要最低限」というわがままをかなえてくれるものが「ポメラ」だった。

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ポメラとは「文字入力」に特化した電子文具。モノクロ画面で表示されるのは文字のみで映像も音もない、入力デバイスはキーボードのみでネット接続もできないという「一つのことしかできない、それ以外何もできない」端末だ。
でもその分小型軽量、スイッチを入れるとすぐに使える軽快さと手軽さという魅力があるため、文章を書く人にとって便利アイテムの一つとなっている。

私はそのポメラを1年ほど前にを購入した。機種はDM30で、その時のnote記事。

本体はコンパクトながら、キーボードが折りたたみ式で広げると入力しやすい大きさになる、画面は電子ペーパーで文字が見やすい、機能面として漢字変換にATOKを採用して効率よく入力できるなどの特徴があった。
でも逆に、電子ペーパーは表示に若干のタイムラグがあるため、キー入力に対して反応が遅く、カーソル移動や文字削除などで押しすぎることも多い。手軽ではあるが若干軽快さに欠けるため、ポメラは基本的に文章の下書きなど「書く」程度に使用して、編集等は全てPCで処理していた。

そんな中、2019年に発売されたDM200はPCと同様の液晶モニターを採用するなど、DM30の欠点が解消されているらしい。しかも2021年8月現在でAmazonでの販売価格は35,000円程と、手に届くところまで来ていた。

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…そして、手に届いた。

ということで、今回はDM200の使用リポートを書いてみたいと思う。

本体と入力について

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ポメラDM200の寸法は263×120×18mm、重量約580g。DM30は電池なしで450g、電池を入れると500gを超えるので、極端な差はない。
ちなみにNintendo Switchの重量は297gなので、DM200の約半分。

機能面について試すため、早速この文章を書いてみるが、バックライト付きモノクロ液晶画面は見やすく、入力や編集時のキー反応はDM30に比べて軽快、IMEの変換などはPCとほぼ同じ感覚でできる。
またこのnoteに限らず、Twitterで少しまとまった文章を入力したいときは、ポメラで入力してQRコードを使ってスマートフォンで読み取って送信と、他の端末とも連携も手軽に行える。

ポメラSyncは便利?

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また、DM200でポメラ初と謳っている新機能が、無線LAN経由でネット接続して、PCやスマートフォンなど他の機器と連携する「ポメラSync」。
これは、ポメラと他の端末との連携方法として搭載されていたQRコード・SDカード・USB接続に続き4つめの方法となるが、この機能はファイルを「同期」するため、編集や削除などの操作を行えば自動で更新してくれる特徴もある。

同期の方法として使われるサービスはGmail。つまりメールサーバーにアップされるので、PCやスマートフォンなどネット接続すれば自由に取り出せるし、iPhoneの「メモ」アプリなどGmailと同期できるものなら文書の連携も容易だ。
これにより、今までできなかった「iPhoneからポメラへのデータ移行」も可能になる(AndroidはSDカードを使えば可能だった)。

ただ、同期するにはポメラからLAN接続~Gmailにアクセスする必要があるため、その度にいちいち待たされるのは軽快で便利とまでは言えない。それに、なぜDropboxなどクラウドストレージとの連携にしてくれないのか…とも思うが、そのことは発売当初からネットでも散々言われていたようだ。
どのみち、私はDM30とのデータ連携はQRコードがSDカードで十分と思っていたので、ポメラSyncは若干蛇足という印象がある。

結局「必要最低限」とは?

ポメラはそもそも、文字を入力する最低限の機能を持った携帯端末だが、私はDM30で少し不満があった。DM200でポメラSyncは必要ではなかったものの、私の不満をほぼ全て解決してくれた、とても満足のいくものだった。

でも、この端末の魅力「テキスト入力に必要最低限の機能」について、そもそも私にとって必要最低限の機能って何だったのか?

このDM200の特徴は、テキスト入力・編集をPCと変わらない速度で行えること、漢字変換はATOKで軽快に行えること、SDカードでファイル管理ができることなど。
それに加えて、本体はPCよりも遥かに小型で軽量、システム起動を待たなくていい、アップデートなど他のものが動作しない、ネットが使えないから書くことに集中できるなど「無い」から使いやすい。

これらは全て、PCに近いか・PCより軽快かというものだった。私の場合、ポメラに求めた必要最低限とは「今のPC環境」が基準だということに気づく。

私はこれからもポメラDM200を使い続けていくと思うが、もし将来、PCの環境が変わって日本語入力などの操作も変わっていくと(更にWindowsすら無くなるかもしれない)、私にとっての必要最低限は変わっていくだろう。
その頃には本体を手放すことになるだろうが、少なくとも、その時までは使い続けたい。

蛇足・ポメラはだいたい

記事を書くにあたって、この話を無理矢理ねじ込んでやろうかと思っていたが、さすがに無理があったので「蛇足」として書いておく。

ポメラDM200の寸法は263×120×18mm、重量約580g。これに近い携帯端末と言えば、これがある。

私にとって、携帯端末はだいたいATARI LYNX。

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