SIGMA fp を好きな理由①
僕が好きで使っているカメラ SIGMA fp の事を好き勝手に書こうと思うので、先に言いますが興味がない方はとても面白くないと思う。
僕の好きなカメラは SIGMA fp というカメラだ、今まで数多くのデジタルカメラを購入して使用してきたが、最近は fp に落ち着いている。写真でも動画でも非常に自分好みの画質で撮影できるカメラで、状況に合えば仕事でも積極的に使用する。fp はユーザーフレンドリーではないカメラだが、その不便さが使っていて自分にはしっくりくる。単にフィルムカメラを使ってた人は違和感がないんじゃないかと思う。写真撮影とは元々そんな便利で簡単な事ではなかったはずだ。そういう懐古主義的なマインドも写真をより楽しむためのスパイスだと思う。
デジタルネイティブ世代にはオジサンくさい話に聞こえるだろうがロマンがそこにはある。
昨今のミラーレスカメラはなんでも出来るスーパーガジェットで撮影者はフレーミングとシャッターボタンを押すだけでよい、つまり誰が使っても失敗しないカメラになった。撮影のミスがない事が担保された上でのクリエイティブを目指している様な感じだ。それは決して悪いことではなくむしろ良いことなのだが、撮影が面白いかどうかとは別の次元の話になる。
月並みな例えだがカメラを車に例えると、EVでレベル3の自動運転機能が搭載された最新技術を詰め込んだ車に、移動する事を楽しむ要素があるか?という事柄に似ていると思う。少々不便でも好きな車を自分で操ってこそ移動する事自体が楽しい体験になり得るのは間違いない。
その少々不便で、自分でしっかり操作しないと上手に走らないが人馬一体で乗りこなすと極上のフィールを与えてくれる車こそがSIGMA fp シリーズだと思う。
カメラをしっかり操作すれば極上の写りを提供してくれる、いい加減に撮影すればしっかりと失敗写真を撮影する、撮影者を決して甘やかさない、それこそが本来のカメラだと思う。
それ故にシャッターを切るときの緊張感があり、それがメカシャッターを搭載していないにも関わらず撮影実感がある fp のキャラクターとなっている感がある。
システムをモジュール式にして、デザインは究極までソフィスティケートされた四角いBOXの様なデザイン、そこにマットブラック塗装が施されている正面から見て左側に絶妙なサイズと位置で fp のロゴが刻まれていて、そこに白の塗料が流し込まれている。新型の fp L は L の部分のみ黒で仕上げられているが、同じ黒でも塗料にツヤがありマットブラックのボディーと対照的な質感で非常に上質な主張をしている。
操作部は張り出さないよう工夫されていて、四角いフォルムを崩さないように配慮されている、サイジングとデザインの厳しい制限の中で操作性があまり犠牲になっていないのは、いかにこのカメラを作る際に試行錯誤を積み重ねたかが窺い知れる。そういったバックストーリーを勝手にユーザーが想像してしまう程、その佇まいはコンセプチュアルであり洗練されている。
フルサイズミラーレスで世界一小さいポケッタブルなサイズ、それは所有欲を満たす事とは反比例していると思いがちだが、デザインや凝縮感が大きな満足感に繋がっている。
続きは次回
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?