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あの人は 自らの仕事に 誇りを 感じていた 生命を ご本人から預かる 看護という 仕事を 看護 と言っても あの人の職場は 集中治療室 生命維持 限界の人たちが 運ばれてくる 最後の砦 あの人の 身体が あの人の 技術が あの人の 信念が 一人では 維持できない生命を 回復するまで 支える 一日一日に 細心の注意を払い 預かった 生命を 本人へと お返しできたその時に思う ああ なんて 尊い仕事なのだろう しかし 目の前の仲間達は その素晴らしさを
あの人は 個が尊重される社会を 求めていた 言いたいことが 言えない環境なんて おかしいと 思うんだよね あの人は 柔和な性格からは想像しにくい 怒りにも似た感情で 言葉を発した そうだ 我々は 生き生きとした毎日を 過ごさなければ いけないのだ あの人は 生命の使い方に 課題意識を 抱いていた あの人が そこに意識を向け出したのは 大学生の頃に 遡る ワーキングホリデーに 申し込んだ際の 健康診断で見つかった 難病 奇跡的に初期に 見つかり 結果は 寛解に至