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#5 身長を伸ばすカギはタンパク質!

#4  骨を伸ばして身長を伸ばそう!では、骨が伸びる仕組みについてご紹介させて頂きました。今回は、骨を伸ばす=身長を伸ばす為の栄養に関して情報をシェアさせて頂けたらと思います。

タンパク質が骨をつくり、カルシウムが骨を強くする

#4でもお伝えしたように 、骨の末端近くに【軟骨細胞】(骨となる土台)が形成され、その軟骨が骨へと置き換えられることを繰り返すことで骨が伸びていくとお伝えさせて頂きました。骨というと、カルシウム!でできているとイメージされる方が多いと思いますが、実は【軟骨細胞】(骨となる土台)は主にタンパク質を材料につくられていて、その後徐々にカルシウムが沈着することで骨へと置き換えられていきます。つまり、カルシウムだけとっていても、そもそもの【軟骨細胞】(骨となる土台)をつくる材料が足りていないと骨がつくられない(身長が伸びない)可能性があるということです。

タンパク質と身長の関係

 タンパク質をしっかりと摂ると本当に身長は伸びるのか?もしかしたら、その答えとなるかもしれないグラフを見つけたのでご紹介させて頂きます。

P.Grasgruber : Major correlates of male height: A study of countries. Economic & Human Biology Volume21, May 2016, Page 172-195より

上記のグラフは、世界の各国の男性の平均身長と1日のタンパク質摂取量との関係を表したグラフになります。グラフの線が右肩上がりとなっているのは、1日のタンパク質摂取量が多い国の男性ほど平均身長が高いという関係がみられます。
骨の土台となる【軟骨細胞】は主にタンパク質から形成されていることを踏まえると、やはりタンパク質の摂取量と身長の伸びとは関係がありそうです。
(“タンパク質摂取量が多い⇨身長が高くなる“とは逆に“身長が高い人はタンパク質の摂取量が多くなる“という見方もできますが。)
食習慣を考えると、アジア圏の人々は欧米諸国に比べてタンパク質量が少ない傾向にある為、子どもたちの朝食をパンとオレンジジュース、ご飯と味噌汁だけではなく、パンに卵やハムを挟んだり、ご飯と一緒に卵焼きやシャケを食べるなど日頃からタンパク質を意識した内容にすることをお勧めします。

タンパク質摂取量
 実際にどれだけのタンパク質を摂取すると良いのか。ということで、厚生労働省の“たんぱく質の食事摂取基準“をご紹介させて頂きます。
子どもたちの年齢ごとに目安となる量が記載されていますので参考にしてみて下さい。
子どもたちの体格(身長や体重等)、運動量の個人差については考慮されていない為、日頃活発だったり、体の大きな子どもは記載量より多めに摂取する必要がありそうです。

厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2015年版)』より

まとめ

 今回は、身長を伸ばす栄養について情報をシェアさせて頂きました。次回は、“寝る直前の食事は身長の伸びを低下させるかも!について書かせて頂こう考えています。この情報が、親御さんや監督・コーチの方々のお役に立てば幸いです。

プロフィール
大城英稔(おおしろ ひでとし)

学歴
東京都 玉川大学文学部教育学科健康教育コース卒業
米国 マーシャル大学大学院 運動生理学専攻 卒業

略歴
スポーツおきなわ 代表理事
沖縄国際大学 非常勤講師
沖縄県スポーツ協会 医科学スタッフ
沖縄県テニス協会 医科学委員長
元国立スポーツ科学センター常勤トレーニング指導員
元Bリーグ琉球ゴールデンキングスストレングス&コンディショニングコーチ

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