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#10 梅雨から要注意!熱中症予防のポイントは!?

 5月に入り、沖縄は既に梅雨入りしました。熱中症といえば、夏のイメージが強いと思いますが、実は梅雨の時期も熱中症には気をつけておく必要があります。そこで今回は、熱中症が起こるメカニズムやその予防法について情報をシェアさせて頂きます。

熱中症とは?

 暑い環境下でおこる体の障害を総称して熱中症と呼びます。
  熱中症の種類
   ①熱失神(めまいや立ちくらみ、失心 etc)
   ②熱疲労(倦怠感、悪心 etc)
   ③熱痙攣(けいれん)
   ④熱射病(体温上昇、意識障害)

熱中症のメカニズム

 Step1. 運動により体温が上昇
 Step2. 体温が上がりすぎることで、体温調整機能に支障をきたす
 Step3. 熱を下げることで体温を正常に保つ
    ⇨血管を広げることで、血液の温度を下げる
    ⇨汗をかく(気化熱=汗が蒸発する際に熱が奪われる)
 Step4. 体温調整が追いつかなくなる
    ⇨脈が早くなる
    ⇨脱水がおこる
    ⇨ミネラルが不足
 Step5. 熱中症

熱中症予防のポイント

 ①環境を知る
 熱中症のリスクに関しては環境省のホームページ(熱中症予防情報サイト)で確認することができます。湿度が高い環境化では、汗が蒸発しにくくなる為、気温以外にも湿度情報はしっかりと抑えておく必要があります。サイト内では、暑さ指数(WBGT)の実況と予測が地域ごとに表示されています。室内競技においては、風通しを良くする、または空調をうまく活用するなど事前の対策をお勧めします。

暑さ指標(WBGT)実況と予測イメージ(環境省熱中症予防情報サイトより)

 ②暑熱順化【しょねつじゅんか】
 暑さになれることを暑熱順化といいます。季節が変わると急激に気温が上がることがあります。体が暑さに慣れていない状態で、練習量が増えることで熱中症のリスクが高まります。季節の変わり目などは、少しずつ練習量や試合数を増やしていくことで体を暑い環境に慣れさせることからスタートしましょう。(夏休みに入って、2部練習や合宿など急激にボリュームが上がる時期は要注意です。)

 ③体脂肪が多い選手は要注意
 体脂肪が多い選手は体内の熱を外に出す効率が、体脂肪の少ない選手に比べて悪い為、選手の様子を注意深く見守る必要があります。

 ④ウエア
 薄着や風通しの良い服装を着ることや、熱を吸収しづらい色のユニフォームを選択するなどして、体温が上がりづらい環境を整えましょう。武道などの練習技は、他の競技に比べて厚手のものが多い為、より気を配る必要があるでしょう。

ウェザーニュースサイトより引用(https://weathernews.jp/s/topics/202108/050255/)

 ⑤水分とミネラルの補給
 体温調節の為に発汗量が増える為、水分とミネラルの補給はしっかりと行うようにしましょう。水分だけを取り過ぎてしまうと、ミネラルバランスが悪くなり痙攣などのリスクが高まる為、塩分も一緒に摂取するようにして下さい。

 ⑥体を冷やす
 体内の体温調節機能以外にも、扇風機にあたる・水を体にかける・アイスバックで体を冷やす・アイススラリーなどで直接体を冷やすことも重要となります。

 ⑦体重を計る
 毎朝、もしくは練習や試合後の体重変動を確認することで、失われた水分量を把握し早めに補うようにしましょう。(短期間の体重の減少はその殆どが水だと考えられます。)

まとめ

 熱中症といえば、夏のイメージが強いのですが、5月以降は春先からの気温の上昇と同時に湿度も上がる為、そのリスクが高まります。事前に情報を整理しておくことで熱中症予防に努めましょう。最後に、この情報が親御さんや監督・コーチの方々のお役に立てば幸いです。

プロフィール
大城英稔(おおしろ ひでとし)

学歴
東京都 玉川大学文学部教育学科健康教育コース卒業
米国 マーシャル大学大学院 運動生理学専攻 卒業

略歴
スポーツおきなわ 代表理事
沖縄国際大学 非常勤講師
沖縄県スポーツ協会 医科学スタッフ
沖縄県テニス協会 医科学委員長
元国立スポーツ科学センター常勤トレーニング指導員
元Bリーグ琉球ゴールデンキングスストレングス&コンディショニングコーチ

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