ゲーマーが知っておくべきネット回線の知識

オンラインゲームあるあるのワンシーン。

「ラグがマジでヤバい!せっかく光回線繋いだのになんで?」
「うちの〇〇とかいうネット回線マジポンコツだからやめたほうがいいよ!」

Voice Chatを使ってゲームをやっている方なら誰しも一度はこういった場面に遭遇したことがあるのではないだろうか。
往々にしてここからネット回線のアレコレについて話が始まるのだが、その中でどうも勘違いや知識不足を感じたりすることが多々ある。
筆者は仕事柄その道に従事していたこともあり、オンラインゲーマーとしてすでに10年程稼働していることからこういうのはどうにも気になって仕方がない。

なので今回は”我こそはゲーマーであるっ!”と自負する人に向けて、最低限のネット回線の知識について書こうと思う。
私の主観や経験に基づいての記事になる点はご留意願いたい。
あと、ちなみにめちゃくちゃ長い。書いてて思ったから読むのはもっとだろう。
だが読んでみろ、ネット回線の全てをそこに置いてきた。
それぐらいの気持ちで書いたので許してください。

ネット回線の種類と理論値について知ろう

まず大まかに分けて主要なネット回線の種類は以下3種だ。
・ひかり回線
・ケーブル回線
・Pocket wifiやタワー設置型(SoftBank Airなど)回線
これ以外にもADSLなど存在するが、あまりにも低速過ぎるので選択肢から除外する。

この3つの回線をわざわざ挙げるのには理由がある。
家電量販店や不動産屋などで相談するとどれも”とっても速いネット回線なので十分使えますよ💛”と説明されてしまうからだ。
実際にはこの3つの回線には大きな差異がある。
厄介なのは十分という言葉だ。
我々ゲーマーの言う十分と一般人の十分というのは大きな隔たりがある。
ゲーマーは常に疑わなければならない。
目の前の店員さんが自分と同じ程ゲームをやりこんでいるのかどうかということを。

ではこの3回線が具体的にどう違うのかを説明していこう。
ここで理論値の登場だ。

・ひかり回線(100MB~10000MB)
・ケーブル回線(8MB~320MB)
・Pocket wifiやタワー設置型回線(約100MB~約1000MB)

()で記した数値が理論値だ。
技術の性能上理論的には最大これくらいのパフォーマンスでネットが使えますよ、という値だ。
理論値というのは簡単に言えば野球のピッチャーでいう直球のMAXスピードだと思ってもらえればいい。

ピッチャーが常に自己最速のストレートを投げられないように、ネット回線もまた常にベストな速度が出るわけではない。というか出るわけない。



画像1

参考計測 https://fast.com/ja/


これは記事を書いている現在の私のネット回線の速度だ。
私が契約しているのはひかり回線の1000MB。しかし実測では90MBということになる。
この環境でも私がメインでやっているロケットリーグやPUBGなどのシューター系でも不快なラグはほぼ感じない。

では例えばひかり、ケーブル、Pocket wifiの理論値100MBは全て同じ環境なのかというと実はここが全然違う。
大事なことなのでもう一度言う。はっきり言う。ぜんぜん違う。
だからもうマジでぜんぜん違うんだってば!!!!!!!

ひかり回線が最強である理由

結論から言うとひかり回線こそがゲーマーが選ぶべき最良の一手だ。
それは理論値の上限を見てもらっても一目瞭然だが、それ以外にも理由はある。
ひかり回線というのは文字通り光ファイバーを使ったネット回線だ。光ファイバーというのは現存するネットサービスの中で最高に速い。
つまり最強キャラ。
そう思ってもらって構わない。

ではケーブルはどうか。
ケーブルと一口に言っても業者の種類が多い。代表的なサービスはJ:COMだ。その他にもご当地ケーブルといって〇〇ケーブル(〇〇は地域の名前)などが多い。
このケーブル回線は簡単に言うとあなたの家のギリギリ近くまでは光ファイバーを使っている
家の中からは実はほぼほぼ光ファイバーではない。
メタル回線という光よりも劣化する技術が施されているため速度は遅くなりやすい。

ではPocket wifiやタワー型はどうか。
これらはそもそも最強である光ファイバーを全く使わない。
全て電波網で完結しているサービスだ。理論値が高くとも環境に左右される部分がかなり多い。
乱暴に言えば”屋根がある時点でマイナス”ということだ。
あなたは青空の下でエイムを合わせることがあるだろうか?

「俺の家320MBなのにラグいなー。え?おまえのとこ200MBの契約なのにラグくないの?」
こんな会話が出る大きな要因の一つがここにある。

ピッチャーの例でいうならひかり回線はほぼパーフェクトだ。
フォームとしては完成されていて速い直球を安定して投げることができる。
ケーブル回線はフォームは良いが最後の手首のスナップに治せないクセがある。
アベレージで速い球を投げるには大きな不利だ。
wifi回線については正直論外と言っていい。
”雲一つない晴天でしたら速い球投げられるかもですぅー^^v”
あなたは誰をスタメンで起用するか?答えは1つだろう。

バッサリとケーブル回線とPocket wifi系を斬り捨てたがこれはあくまでゲーマーに向けての記事、ということを忘れないでもらいたい。
一般家庭なら満足のいくサービスを受けられる水準には達している。
ケーブル系は訪問サポートが強く、TVサービスとの連携もある。
wifi系は工事をしたくない家庭にはうってつけだ。

だが何度も言うがゲーマーの諸君はとにかく疑ってほしい。
「理論値では300MBなので並のひかり回線よりも速いですよー💛」
こんなセリフ、そこら中のお店でよく聞くから。しかも理論値で話されればそれは一応ウソではないから。

ひかり回線の種類を知ろう

ここまででひかり回線の良さは伝わったかと思う。
ただ一口でひかり回線と言ってもそこからさらにサービスは細分化される。
ではひかり回線の主要な3サービスを挙げてみよう。

・auひかり(1000MB~10000MB)
・Nuro光(2000MB~10000MB)
・NTTフレッツ光、コラボ光(100MB~1000MB)

おそらくゲーマーならそもそも理論値については知っている、或いは気にしながら選択してきた方も多いだろう。
必然的に上記3サービスへ行きついた方は多いと思う。
全てを自分で試したわけではないが、それでもあえてハッキリと言うならば1000MBというのが今のゲーマーに向けての超えるべき境界線ではないかと思っている。
1000MB以下というのは今のオンライン全盛の環境では不安が残るというのが私の感覚だ。

ここではざっくり3サービスについて記しておく。

auひかり
現存する光回線の理論値では世界最強の10000MBから、5000MB、1000MBのサービスを擁する。
5000MB以上はかなりエリアが限られているので注意。

auひかりエリア検索

Nuro光
auひかり同様10000MB、6000MB、2000MBという高速回線。
ただしauひかりと同様2000MBでもエリアが限定されている。

Nuro光エリア検索

NTTフレッツ光、コラボ光
最速1000MBだが200MB、100MBの地域が存在する点に注意。
エリア展開力が強く、広域で使うことが可能。

※コラボ光とは=ドコモ光、SoftBank光、OCN光、Biglobe光などのプロバイダ会社がNTT光回線を利用して行うサービスの総称。
ようするに全てNTTフレッツ光と同等のサービス。エリアも全く同じ。異なるのは料金が主になるのでここでは割愛する。

NTTフレッツ光エリア検索

どのひかり回線を選択するか?はあなたの住まいのエリア次第だ。
3種類全てを選択できる地域もあれば、1種類しか選択できない所もある。
選択肢のある方は自分の拘りと料金などで比較検討していくだけだ。
まずはエリア検索で自分の選択肢を確認してみてもらいたい。

ひかり回線の契約タイプとは?戸建て?マンション?

エリア検索を進めていくと必ず「お主の住まいは戸建てか?マンションか?」と尋ねてくる。
全てのひかり回線には戸建てとマンションで契約プランが別途用意されている。
各特長については以下。

戸建てタイプ
光ファイバーを1本そのまま個人宅に直接引き込むタイプ。
独占して個人が利用できる為、速度が安定しやすい。
その分料金が高く、必ず工事が必要となる。
マンションタイプ
光ファイバーを集合住宅内で分岐させ、住人全体で共用するタイプ。
周囲の住人との同時利用により速度が不安定になる。
料金は割安で、大掛かりな工事が不要な場合が多い。

ここでも速度についてフォーカスを当てていきたい。
重要な点は光ファイバーを分岐させているか否かという点だ。
マンションタイプ最大のデメリットはそこにある。

例えば20戸の世帯が住むマンションで、仮に全員が同時にオンラインゲームや動画視聴サービスにアクセスするとほぼ確実に速度に影響が出る。

「なんかうちの家、夜になると速度遅くなるんだよなー」
こういう現象の原因は大体これだ。

世帯数の多い集合住宅ではこれに対策するために2種類のネット回線を選択できる環境を用意している所もある。
便宜上これをA回線、B回線としよう。
基本的にユーザー側には各世帯でどちらの回線を利用しているかまでは知ることが出来ない。
極端に言えば先ほどの20戸の例で言えばA19:B1の割合で契約されている可能性もある。
どちらの回線の方が速度が出るかは明白だ。
さらに加えて言うならば仮にA10:B10で契約されていたとして、A回線側にヘビーユーザー、B回線側にライトユーザーが集まっていた場合でも違いは起こってくる。

何が言いたいかと言うと
いくらひかり回線と言えどマンションタイプは常に運否天賦の要素に晒されるということだ。

戸建てでもマンションでも理論値は1000MBと同じように表記される。
店員さんに「お客様!良かったですね!お住いのマンションは1ギガ(1000MB)対応のマンションですよ💛」なんて言われると思わずホッとしてしまいそうなものだが安心してはいけない。疑え!疑うんだぞ!

集合住宅で戸建てタイプを使う方法

あなたがゲーマーを自負し、最高の環境でゲームをプレイしたいと思うならひかり回線の戸建てタイプ契約をオススメする。
マンションタイプに比べて月額料金は約1000円~2000円程高くなるが、そこまで強い思いがあるならば後顧の憂いを無くすためと思って必要経費と割り切ってもいいのではなかろうか。

集合住宅で戸建てタイプを契約すること自体は可能だ。
自分から戸建てタイプがいいです、と言って契約すればひかり回線業者はそれで手続きを進めてくれる。
だが実際にはいくつかの難関をクリアしなければならない。

難関その1 規定階数に住んでいる必要がある

例えばauひかりは3階までなら戸建タイプの申し込みは可能。
これはひかり回線を電柱から引き込む以上、技術的に致し方ないことだ。
難関その2 大家さんの許可が必要

ほとんどの大家さんは戸建ての工事を嫌がる傾向にある。
想像してみて欲しい。やっとの思いで自分で建てたマンションに、電柱からありとあらゆる業者の光ファイバーが各部屋に向かってバンバン飛び交う様を。せっかくの外観が台無しだ。
そしてこの大家さんとは交渉しようとしてもにべもなく断られるケースが大半だ。
難関その3 状況によっては結局引けないことがある

規定階数内に住み、大家さんから許可が出ても工事できない可能性は残る。
私の住居を例に挙げると電柱との位置関係からどうしても隣人のベランダを通さないと回線を引くことが出来なかった。
工事には立ち合いが必要だ。わざわざ隣人にそこまで迷惑はかけられないので私は断念した。
これに限らず物件ごとに障壁が出てくる可能性がある。

特に最初の2つが大きな難関だ。
というか、そもそも自力でなんとかできるレベルの問題ではなかったりする。
そう、実は今回の記事で私が一番伝えたいポイントはココだ。
真のゲーマーなら住居選びの時点から準備を怠ってはいけない!ということなのだ。

実際私はプロゲーマーでも何でもないが、とにかくラグいのは大嫌いなので住居選びの際はしっかり不動産屋にネット環境を聞きつつ自分で調べてから入居した。
ただぶっちゃけた話、それでも今のマンションタイプ1000MBで満足のいく環境ではある。

ここから先はそれでも最高の環境を求め続ける飽くなき探究者であるゲーマーの鑑のような皆様に向けて住居選びのポイントを伝えようと思う。

エリア確認は自力で!環境確認は念入りに!

いくつかの転居先候補が見つかったらまずはエリア確認を自力で行おう。
ここまで読んでくれた方なら不動産屋さんの「ひかり回線使える物件なんで大丈夫ですよ💛」なんて言葉を簡単に鵜呑みにはしないはずだ。

まずはしっかり自分が契約したいひかり回線が利用可能か事前に調べておく。マンションタイプのエリア検索で転居先の建物名がヒットすれば大丈夫だ。
先に伝えた通り、マンションタイプには環境に左右されてしまうことがある。
2種類くらい回線が選べる集合住宅ならなおのこと良いだろう。

その上で注意しておきたいのがインターネット”完備”の物件だ
これは入居者それぞれが契約を結ぶのではなく、入居したときからネットが繋がっており工事も不要、別途利用料を支払う必要も無いというものだ。
一般の人からすれば「ネット代タダじゃん、ラッキー!」といったところだが、ゲーマーからすれば「強制加入で他入居者利用率100%」という地獄のような足かせとなる。
特にNTT系ひかり回線に多く見られる印象が強い。

その上で戸建てタイプの利用を希望する場合は、入居前に何度となく管理会社に確認して欲しい。
これはマジで重要です。ほんとに何度も聞いてくれ。マジで。お願いだから。

一般的に賃貸入居ならば不動産業者→管理会社の手順で契約を交わしていくことになる。
この不動産業者にOKもらったところで意味はない。管理会社との契約のときにもしっかり聞いておくことが重要だ。
我々ゲーマーがネット回線をまさか水道、電気、ガス並のライフラインだと思っているとは、彼らは全く想定していない。

「ん~?ああ、はいはい、ネットですね。うん、大丈夫ですよ、ひかり対応だから💛」みたいなことを言われても戸建て工事の許可を聞いたときには、「え!?そんなのダメだよ!だってマンションで用意してるもん!」なんてこと、ざらにあるからね。

若いゲーマー諸君は賃貸1人暮らしの方も多いと思うので、なかなか不動産会社と話す機会も少ないと思われる。
だからこそ後悔しないようしっかり確認することを肝に銘じておいてほしい。おじさんとの約束だよ!

そんなこんなでまとめに入ります。

さて長々と書いてきましたがいかがでしたでしょうか。
詳しい知識をお持ちの方からすれば「全部知っとるわーい!」なんてことや「あれ?ここの話は?」なんてとこもあったかもしれません。

今回の記事はゲーマーなら最低限知っておいてほしい知識として自分なりに線引きしつつ書いてみました。
少なからずこれを押さえておいてもらえれば、ヘタな選択をして無駄な契約に縛られることもないかと思います。

eスポーツとしてゲーム自体が隆盛である今、これから初めてネットを自分で選んで契約するなんていう若い世代の方々も多いと思います。

この記事がそんな皆様へ少しでもお役にたつことができれば、私はとても嬉しい。
皆様、ぜひ参考にして頂いて快適かつ最高の環境でゲームを楽しんでいってくださいね!


え?最後に筆者のオススメのゲームを教えてほしいだって??
そりゃもう決まってますよ。
Rocket League is good!!!!!!!!!!!


この記事が参加している募集

#はじめてのインターネット

2,647件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?