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今週のリフレクション【BtoBマーケティングの戦略と実践(栗原康太氏)】

今週は実務っぽい書籍を振り返ってみます。栗原康太さん著「BtoBマーケティングの戦略と実践」です。ざっくり3点で要約すると・・

1.かつてはマーケティング活動より営業活動が重要視された。現在は、購買プロセスの57%は営業担当者に会う前に終わっている。顧客とのタッチポイントは増加し、マーケティングの重要性が増している。テレワークで、①新規リードの減少、②商談化率の低下、③リードタイムの長期化、④マネジメント難易度の上昇が課題となり、BtoBでのマーケティングのデジタル化は必須。知ってもらってから、受注に至るまでの階段を設計するのがBtoBマーケター。階段のボトルネックを把握し、顧客視点でいかになめらかにするか。

2.BtoBの特徴は、①購買プロセスに営業が介在、②購買関与者が複数、③業務上の課題解決が目的、④数ヶ月〜数年の検討期間、⑤情報の非対称性、⑥顧客数が少ないこと。ユニットエコノミクス=LTV÷CACが重要。LTVが大きければ、CACは無視できる。BtoBのCACは一定以下に下がらず、エンタープライズ(大手)向けか、インフラ系(抜けにくい)でLTVは決まる。①購買単価を高める、②購買頻度を高める、③継続購買期間を長くすることでLTVを向上。

3.BtoBマーケティングのステップは、①経営戦略に沿ってマーケティングの目的・目標を設定、②顧客への解像度が高いメンバーをチームに入れる、③自社が顧客に選ばれている理由を把握、④ボトルネックの把握とリソースの集中、⑤短期と中長期施策のバランス、⑥定例会議でKGI・KPIを把握し素早く追加施策、⑦実行力の高いチーム(意思決定者×専任マーケター×外部の専門パートナー)を作る。

BtoBに限らず、顧客の購買行動は変化していると言われています。ITリテラシーが向上し、リサーチが当たり前になっています。この傾向はBtoBでは顕著で、情報の非対称性が少なくなり、営業に声をかけるタイミングで顧客はある程度、購入するサービスを決めていることが多いようです。

そんな状況を受け、顧客とのタッチポイントをテクノロジーで増やし、顧客のデータをたくさん集め、まだ顧客自身が気づいていないタイミングで購買を促すような、データドリブン経営を目指す流れが大きくなっているように思います。

ただ、BtoBにおいて重要なファクターとして「営業」というものがあると思います。これは顧客の絶対数が少ないBtoBだからこそ活かせる武器です。営業がデータドリブン経営の中でどんなバリューを顧客に届けられるのか?顧客にとってレコメンド以上の価値はなんなのか?そここそが企業としての差別化要因になるのではないでしょうか。

そして、そんな独自の付加価値を提供できる営業を育成できること、それが競争優位性につながるように思います。自社のビジネスモデルをデータドリブンに変革した時、改めて営業が提供できる顧客価値はなんなのか?そして、そんな営業をどのように育成するか?それを確立することが、デジタルマーケティングを成功させるポイントの1つかもしれないと思いました。

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